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エンジェル投資家からの資金調達時のポイント

この記事でわかること

  • 資金調達字に気を付けるべき3つのこと
  • エンジェル投資家から見た、スタートアップ企業やベンチャー企業の投資について
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はじめに

エンジェル投資家から資金調達する際に、気を付けるべきことを解説します。無用なトラブルを避けるための方法ですので、参考としてください。

合わせて、エンジェル投資家はスタートアップ企業やベンチャー企業への投資についてどう見ているのか、についてもご紹介します。

また、KnowHowsでは、専門家に事業の悩みを無料で相談できるみんなで事業相談」や、資金調達時に考えなければいけない議決権の変動などを無料でシミュレートできる資本政策シミュレータ」をご用意しています。

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1.資金調達時に気を付けるべきこと

資金調達時に気を付けるべきことは、①経営への干渉、②金融商品取引法の発行開示規制、③詐欺です。

順に解説しましょう。

①経営への干渉

エンジェル投資家の中には、経営にどんどん干渉してくる人がいます。経営の自由度が下がるだけでなく、投資家と経営陣の間で話がまとまらず、企業の存続が危ぶまれたケースもなくはありません。

・対策

投資契約書を見て、「発行会社、および投資家が果たすべき義務は妥当か」「前提条件や事前承認は、双方が納得できる内容か」

などを確認するようにしてください。

その上で、締結前に投資家と一緒に契約書の読み合わせをしましょう

契約内容を違反すれば訴訟される可能性があるため、仮に契約書のサインを急かされたときでも慌てないのが重要です。

②金融商品取引法の発行開示規制

株式や債券といった有価証券の募集や売出しをする際、金融商品取引法発行開示規制が適用されます。

・対策

金融商品取引法が定める必要書類の作成、提出をする必要があります。下記に代表的なものをご紹介しますが、ケースによって異なるので注意してください。

有価証券発行前
有価証券通知書(勧誘人数50人以上、発行価額が1,000万円超~1億円未満の場合)
有価証券届出書(勧誘人数50人以上、発行価額が1億円以上の場合)
定款
取締役会議事録等・株主総会議事録のコピー
目論見書
有価証券発行後
有価証券報告書

※なお、各書類の提出は、金融庁が開設したEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)を使う方法があります。

③詐欺

投資家を装った人物による詐欺にも要注意です。

例えば、

「あなたに投資をしたいが、念のため本人確認をしたい。投資の際に返金するので、一度少額のお金を振り込んでほしい」

「多額の投資ができるのだが、その資金調達が滞っている。直近の運転資金が足りなくなりそうなので、少し融通してもらえないか」

といったケースがあります。また「ぜひ成功してもらいたいから」と言って情報商材を売りつけたり、高額なセミナーに勧誘する手口も見られます。

・対策

事前に金銭を要求されても、安易に応じないようにしましょう。

エンジェル投資家との繋がりが持てるマッチングサイトを利用するなら、投資家のプロフィールや評価コメントなどをチェックするのも手です。

判断に迷うようであれば、知り合いの経営者にアドバイスを求めたり、専門家の意見を仰ぐようにしてください。

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2.エンジェル投資家から見た企業への投資

エンジェル投資家による資金調達では、エンジェル投資家の視点を把握しておくのも大切です。

以下に、スタートアップ企業やベンチャー企業に投資するメリットやリスク、投資家が利益を得る方法をご紹介します。

①投資するメリット

投資するメリットは投資家によってさまざまですが、主に次のようなものがあげられます。

  • 巨額のリターンが得られる可能性がある
  • 税制上の優遇措置(エンジェル税制)が受けられることがある
  • 企業の成長プロセスが楽しめる
  • 社会貢献ができる

・エンジェル税制について

エンジェル投資家に対して行う、税制上の優遇措置です。投資した年に受けられるものと、株式を売却した年に受けられるものがあります。

投資した年に受けられる優遇措置
【優遇措置A】
ベンチャー企業への投資額-2,000円を、その年の総所得金額から控除
※控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%と1,000万円のいずれか低いほう
【優遇措置B】
ベンチャー企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除
※控除対象となる投資額の上限なし
株式を売却した年に受けられる優遇措置
株式売却により生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と通算(相殺)できる
通算(相殺)しきれなかった損失は、翌年以降3年にわたって、順次株式譲渡益と通算(相殺)できる

(引用:中小企業庁・エンジェル税制の仕組み

・エンジェル税制の留意点投資家がエンジェル税制を受けるためには、対象となる企業が、次の要件を満たしている必要があります。

【優遇措置A】

設立経過年数(事業年度)要件
1年未満かつ最初の事業年度を未経過研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。
1年未満かつ最初の事業年度を経過研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
1年以上~2年未満新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
試験研究費等(マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
2年以上~3年未満試験研究費等(マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超で直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
または売上高成長率が25%超で営業キャッシュフローが赤字。

【優遇措置B】

設立経過年数(事業年度)要件
1年未満かつ最初の事業年度を未経過研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ 常勤の役員・従業員の10%以上。
1年未満かつ最初の事業年度を経過研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ 常勤の役員・従業員の10%以上。
1年以上~2年未満新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。
試験研究費等(マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超。
2年以上~5年未満試験研究費等(マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超。
売上高成長率が25%超。
5年以上~10年未満試験研究費等(マーケティング費用を含む)が収入金額の5%超。

(引用:中小企業庁・エンジェル税制確認申請の手引

※中小企業庁には、企業が要件を満たしているか事前に確認できる制度が用意されています(こちらから利用できます)。

なお、こうした要件の複雑さに加え、手続きの煩雑さなどから、すべての投資家が「エンジェル税制を利用したい」と考えているわけではありません。

従って企業も、エンジェル税制が、必ずしもアピールポイントにならないことを留意する必要があります。

②リスク

代表的なものとして、以下があげられます。

  • 投資先企業とうまくコミュニケーションが取れないことがある
  • 株価が下がることがある(場合によっては価値がゼロになり、出資額が回収できなくなるケースも)
  • 株式を売却できないことがある
  • 配当収入が思ったほど見込めないことがある

③エンジェル投資家が利益を得る方法

エンジェル投資家が利益を得る方法には、主に株式上場(IPO)M&A(買収)の2つがあります。

・株式上場(IPO)

スタートアップ企業やベンチャー企業が株式上場した際に、保有していた株式を売却して値上がり益を得るパターンです。

・M&A(買収)

M&A時に、買い手企業に株式を買い取ってもらい、利益を得る方法です。企業側にとっても「必要なコストが少ない」「従業員の雇用を守ることができる」などのメリットがあるため、上場にかわるイグジット手段として活用されることがあります。

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まとめ

  • エンジェル投資家による資金調達で気をつけたいことは3つある。経営への干渉は投資契約書を投資家と読み合わせする、金融商品取引法の発行開示規制は必要書類をきちんと出す、悪質な詐欺は第三者の意見を仰ぐなどして対策しよう。
  • エンジェル投資家の視点を考えることも大切。ハイリスク・ハイリターンな投資をしてくれていることを意識しよう。
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おわりに

エンジェル投資家から資金調達するためには、企業が投資家を信用し、投資家からも信用を得ることが大切です。

お互いがお互いの良きパートナーとなれるように、この記事が参考になれば幸いです。

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