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従業員がり患した精神疾患の責任を会社はどこまで負うべきか(第1回)

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0.はじめに

厚生労働省の調査によれば、我が国でうつ病などの精神疾患により医療機関を受診している患者数は近年増加し、2017年には400万人を超えています(厚生労働省障害保健福祉部「患者調査」)。
それだけでなく、うつ病の症状改善が進まず長期化する患者の割合も増えており、社会的に大きな問題となっています。

精神疾患をり患するタイミングは様々ですが、そこには職業生活上のストレスに起因する場合も含まれています。
そこで今回は、従業員がり患した精神疾患の責任を会社はどこまで負うべきかを考えていきたいと思います。

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1.業務起因性の判断

会社が従業員に対して責任を負うのは、従業員がり患した疾病等が業務上のものと認められた場合です。
そして、この疾病等が業務上と認められる為には、業務と疾病との間に相当因果関係があったと評価できること(=業務に内在する危険が具現化しなければ、疾病にり患する結果にならなかった、という関係)が必要です。

これを「業務起因性」と呼びますが、精神疾患は身体的な負傷と異なり、業務遂行のどの過程で精神疾患の発病に至ったかが不透明で、発病までの具体的事情を総合的に判断していくことが難しい場合も多くあります。
この為、労災保険の「心理的負荷による精神障害の認定基準(2011年12月26日付 基発1226 第1号)」における考え方を参考にするのが一般的となっています。

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2.心理的負荷による精神障害の認定基準の要旨

この認定基準は、心理的負荷の度合いに応じてストレスの強度を評価する仕組みとなっています。

まず、業務上の心理的負荷を「弱」「中」「強」の3段階で表し、具体的事情の前後を通じて心理的負荷を総合評価します。そして、心理的負荷の強度が「強」と総合評価されれば、それが業務外の出来事に起因していたなど本人の側に大きな要因がある場合を除き、業務起因性が認められることになります。

次に、業務に関連して生死に関わる傷病を経験した、というような心理的負荷が極度のものは「特別な出来事」に該当し、その出来事のみで、心理的負荷の強度が「強」と総合評価されることになります。

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3.終わりに

ここまでみてきたものは、あくまで労災保険における業務起因性の判断枠組みではありますが、会社が責任を負うか否かの基礎的な判断要素を含んでいるといえます。
次回は、近年の裁判例のポイントを交えつつ、会社の負う責任について考えていきたいと思います。

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この記事を書いた人

今坂 啓

上場企業社員(経営・財務戦略系以外)

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社会保険労務士有資格者として、人事労務の第一線にて実務を担っております。

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