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この記事でわかること
- 弁護士に営業活動が求められる理由
- 弁護士の営業方法8つ
- 弁護士が営業活動をする前に知っておきたい心得
はじめに
今日、弁護士は営業して顧客を獲得したほうがいい、という考え方は増えてきています。
顧客との信頼関係を構築し、依頼してもらえるようにする戦略を練ることは、避けては通れない道とされているのです。
しかし日本弁護士連合会の「業務広告に関する指針」によって勧誘行為が規制されていることもあり、営業に対して抵抗感が少なからずあるのではないでしょうか。
この記事では、弁護士としてのモラルを守りつつ集客できる8つの方法をご紹介しています。
本文でも触れますが、そのうちのひとつにあげているのが本サイトKnowHowsです。
KnowHowsでは、弁護士がコラムを投稿したり、事業者の悩みに対して解決策を提示できるサービス「みんなで事業相談」を展開しています。
こちらを利用すれば、露骨な勧誘行為をせずに認知度のアップ、信頼関係の構築ができ、依頼に繋げることが可能です。ぜひご利用を検討してみてください。
1.なぜ必要?弁護士に営業活動が求められる理由とは
冒頭でご紹介したように、昨今では弁護士には営業活動が必要とする考え方が増えています。なぜでしょうか。
主な理由は、次の2つです。
- 弁護士の数が年々増えているため
- パートナーになったときに苦労しないようにするため
以下で、ひとつずつ詳しく解説していきましょう。
①弁護士の数が年々増えているため
第一の理由は、弁護士の数が年々増えているためです。
日本弁護士連合会(通称・日弁連)によれば、2019年の弁護士数は41,118人でした。下記の資料を見てわかるように、特に近年の増加傾向は著しく、わずか10年間で1.5倍以上となっています。
加えて、今は顧客がインターネットを使って、多くの弁護士の情報を容易に仕入れることができます。今日の弁護士のほとんどが、他の弁護士と常に比較されている状況と言っていいでしょう。
このような中で、もし従来のような待ちの姿勢だと、顧客の印象に残らず、すぐに選択肢から外される可能性が高くなります。
そのため、少なくとも依頼の候補に入れるように、こちらからアプローチする必要があるのです。
②パートナーになったときに苦労しないようにするため
第二の理由は、パートナー弁護士となったときに苦労しないようにするためです。
パートナーとなると、それまでのアソシエイトと異なり、自分の力で案件を獲得することが必須となります。
しかし、パートナーになったからと言って、必ず顧客が依頼をしてくれるわけではありません(前項のように比較されるのが通例のため)。
ですので、それまでに一度も営業活動を行っていないとなれば、思った以上に苦労する可能性があります。
2.弁護士の営業はどうすべき?よく用いられている営業方法8つ
弁護士にとって、営業は今や生命線とも言える活動です。
しかし、一方で日弁連の「業務広告に関する指針」でもさまざまな規定(電話や訪問による営業はしてはならない、事件を誘発をしてはいけないなど)をしているように、一般企業と同じような営業はできません。
弁護士の営業では、次の8つの方法がよく用いられています。
営業活動では、新規顧客向けと既存顧客向けで有効なアプローチが異なるので、わけて考えたほうがいいでしょう。以下で、それぞれの項目を詳しく見ていきます。
①新規顧客向け
新規顧客を獲得するためには、何より多くの人と繋がりを持つことが重要です。以下のことを、可能な限り並行して行ってみてください。
・ホームページやSNSによる発信
弁護士の活動を、ホームページやSNSを駆使して発信する方法です。
特にSNSのひとつであるFacebookページは、多くの弁護士事務所が導入しています。
Facebookページを利用する最大のメリットは、ユーザーが全員実名登録であることです。そのため賛同の数(「いいね!」の数)が、そのまま法律事務所の信頼度や権威性に直結します。
1,000人以上のユーザーから「いいね!」を獲得している法律事務所(東京法律事務所やベリーベスト法律事務所など)もあるので、運用するときは参考にしてみましょう。
最近では、弁護士の方がYouTubeを使うケースも見られます。映像は多くの情報を短い時間の中で伝えられるだけでなく、視聴者の印象に残りやすいコンテンツなので、取り入れてみるのもいいでしょう。
こうしたホームページやSNSを使って発信する場合、その内容は法律の解説やタイムリーな話題に関連したものなど、ユーザーにとって役立つ情報が一般的です。
もちろん例外もあり、2018年に東京医科大学の不正入試問題が起きた際には弁護団が結成され、SNSやクラウドファンディングで資金調達を行ったという事例があります。
・ポータルサイトの利用
ポータルサイトは、弁護士と顧客との繋がりをサポートするサイトです。
開業・独立したてで、ホームページへのアクセスがそれほど多くない、SNSで賛同者がまだ少ないときは、なかなか事務所の情報や弁護士としての実力・魅力が広まらないもの。
しかしポータルサイトを利用すれば、サイト自体に集客力があるので、顧客との接点を増やすことができます。認知度が高まれば、依頼される機会も増えるでしょう。
冒頭でご紹介したKnowHowsでは、登録者同士で直接メッセージのやり取りをしたり、事業者が投稿した悩みに対して回答できます。またご自身が持っていらっしゃる知識をデータにして、登録者に向けて販売することも可能です。
いずれの機能も無料でできますので、ぜひご利用ください。
このほか、ポータルサイトには弁護士ドットコムや弁護士ナビなどがあります。
なお、こうしたポータルサイトを利用するときは、非弁のリスクに注意しましょう。
「このサイトに掲載して案件が取れた場合、紹介手数料を頂きます」と規定しているサイトの利用は当然ながらNGですが、「紹介料ではなく広告料だから」と言われた場合でも違法とみなされる可能性があります(名目ではなく実質で判断されるため)。
・セミナー開催や著述活動
セミナー開催や著述活動を通して、潜在顧客にアプローチする方法です。自身の人間性や弁護士活動を多方面に宣伝できるだけでなく、アピールがうまくいけば弁護士としての箔がつきます。
「あの先生なら何とかしてくれるかも」と、顧客のほうから声をかけてくれる可能性も高くなるでしょう。
ただセミナーの場合は、参加者が極端に少ないと、かえって逆効果になるので注意が必要です。SNSでの反応や問い合わせの数などを見て、ある程度の参加人数が見込める段階になってから行うのが一般的です。
・無料相談受付の実施
無料相談受付は、相手に対して相談しやすい印象をもたらします。できればSNSの発信やセミナー活動と一緒に行うのがおすすめです。
相談時間の長さは人によってさまざまですが、30分~1時間に設定するのが一般的となっています。
言い換えれば、その短い時間で顧客の相談内容や背景、言葉の裏に隠されたニーズなどを整理・把握しなければいけません。大変な技量が必要ですが、誠実に対応すればするほど依頼してもらえる可能性が高くなります。
・知り合いからの紹介を利用した営業
知り合いの弁護士などに相談して、紹介してもらうのもいいでしょう。
顧客にある程度こちらの情報(人柄や技量)が伝えられた上でやり取りを行うので、契約までスムーズに進む傾向にあります。
もちろん、直接会う前に顧客のことを念入りに調査することも大切です。また相手のニーズがある程度わかったら、それに適したプレゼン資料を用意すると、契約の可能性をさらに高められるでしょう。
②既存顧客向け
既存顧客から継続して依頼をしてもらうためには、まずは与えられた依頼に対して、きちんと応えることが重要です。それを前提として、以下のことに取り組んでみてください。
・顧客管理の徹底
誰にいつ、どんなことをしたのか、その結果どうなったかなどを徹底的に記録しておきましょう。相手をよく知ることは、相手の信頼に直結します。
また最後に連絡した時期や内容があれば、休眠顧客の掘り起こしもしやすくなります。
とはいえ、顧客が増えれば増えるほど管理が難しくなるもの。現在はさまざまな顧客管理ツールが用意されているので、そちらを導入してみてもいいでしょう。以下に、ツールの一部をご紹介します。
顧客管理ツール | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
Sales Cloud | 導入企業15万社と実績豊富。AIが顧客のデータを元に、最適なアプローチのタイミングを提案してくれる | 無料トライアルあり。有料版は月額3,000円~ |
Senses | 顧客それぞれの営業の進捗状況を、色別のカードで表記してくれるので、機会損失を防げる。サポートが充実している | 無料トライアルあり。有料版は月額25,000円~ |
・定期的にコミュニケーション
定期的にコミュニケーションを取ることも大切です。信頼関係の維持だけでなく、やり取りの中で顧客の潜在的なニーズに気づくこともあります。
最近では、簡潔なメッセージでスピーディーにやり取りできることから、チャットツールが使われるケースも増えています。
普段の連絡はチャット、しっかりした文章を送りたいときはメールといったように、用途に合わせてツールを変えるのもいいでしょう。以下は、ビジネスでよく用いられるツールです。
チャットツール | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
ChatWork | シンプルな画面で見やすい。メッセージを送信後に編集したり削除できる | 無料版あり。有料版は月額400円~ |
LINE WORKS | LINEと同じように使えるので導入しやすい。カレンダーやアドレス帳、アンケートなどビジネスに使える機能が豊富 | 無料版あり。有料版は月額360円~(年間契約をした場合は月々300円~) |
もちろん、メッセージツールでのやり取りだけでなく、折を見て直接会話する機会も作りましょう。ある程度、親密になっているのであれば食事に誘うのもおすすめです。
・契約書の電子化
クラウドサービスを使って、契約書の電子化を行いましょう。今は紙の契約書を用いるのに代わって、クラウド上で電子契約を交わすケースが増えています。
もし既存顧客の中に書類のやり取りが面倒……と思っている人がいて、その人は電子契約OKな弁護士を見つけてしまえば、鞍替えされる可能性が大いにあります。
多くの書類作成を省ける(※)ことは自身の業務効率化にもなりますので、ぜひ検討してみましょう。
クラウドサービス | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
lawbox | 弁護士の業務効率化に特化。フォーマットが豊富で、さまざまな書面を簡単に作成できる。コミュニケーションツールや顧客管理機能も搭載。 | 無料版あり。有料版は要問い合わせ |
クラウドサイン | 弁護士ドットコムが提供。契約書の検索や、送信時の呼び出しが簡単。セキュリティが万全 | 無料版あり。有料版は月額10,000円~ |
BtoBプラットフォーム 契約書 | 契約書の有効期限をアラートしてくれる。見積・契約・受発注・請求を1画面で管理可能。 | 無料版あり。有料版は月額10,000円~ |
(※)法令で書面に関する規定があるもの(定期借地契約書や定期建物賃借契約書など)は除く
3.弁護士の営業活動で大事なことは?取り組む前に知っておきたい心得
最後に、弁護士が営業活動するときに、あらかじめ知っておきたい心得をご紹介します。これをおさえておくことで、より営業の成功が近づくでしょう。
①押しすぎず引きすぎない営業が重要
弁護士は顧客に対して、押しすぎず引きすぎずという微妙な力加減で営業することが求められます。
冒頭でも説明したように、弁護士は「業務広告に関する指針」によって、過度な営業行為は勧められていません。
指針の中には「広告によって弁護士の品位が損なわれないようにすること」と書かれていますが、顧客の側から見ても、営業に必死な先生には依頼しにくいものです。
そのため、弁護士が営業するときは、弁護士としての威厳や倫理観を持って取り組むことが不可欠となります。
②営業のプロから学ぼう
よりよい営業活動をするためには、営業のプロに所作を学ぶのが近道です。
別業種・別業界で営業として働く人を直接観察し、仕草や発言を真似してみてください。営業のセミナーをセミナー情報ドットコムやこくちーずプロで探して、参加するのもおすすめです。
③ひとりが厳しいならチームを作ろう
どうしても営業に抵抗感があるなら、チームを作ってみましょう。
たとえば営業は苦手だがプレゼンなら得意という人は、営業は得意だけどプレゼンが苦手な人とタッグを組めば、顧客に満足感を与えることができます。
パートナーを探すときは、まず自分の得手不得手を分析し、どんな人であれば顧客にとっていいかという視点を持つことが大切です。
まとめ
- 弁護士が営業をしなければならない理由はふたつ。ひとつは弁護士の数が増えていること。もうひとつは、パートナーになったときに、いきなり案件が取れるわけではないこと。
- 弁護士が実際に営業する際は、新規顧客と既存顧客でアプローチの仕方を変えたほうがいい。
- 弁護士はがつがつと営業するのは望ましくないとされている。まずは営業のプロから、営業の所作を学ぶことが大切。どうしても営業に抵抗感があるなら、自分の得手不得手を把握して、補い合えるパートナーを探してみよう。
弁護士の営業をどうするべきか迷っている方はぜひ『KnowHows』を
弁護士の営業活動には、明確な答えはありません。
ですが、何よりもまずは知ってもらうことが重要でしょう。
本文でも紹介しましたが、KnowHowsでは、さまざまな顧客と交流を深めることができます。
プロフィールを登録することで、「みんなで事業相談」から相談を受けることが可能。
またそのほかにも、お持ちのノウハウをサイト上にて出品・販売できる『ノウハウストア』といったページをご用意しており、事業課題に悩むクライアントを様々な形でサポートすることが可能です。
営業活動を始める際の選択肢のひとつとして、ぜひご検討ください。
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