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この記事でわかること
- 株主構成比率の特徴とメリット
- 株主構成比率の具体的な要素である「所有者別の比率」と「大株主の比率」について
- 株主構成比率の見るべきポイントと調べ方
はじめに
会社の実態を知る上で、重要な情報のひとつが株主構成比率です。
この記事では、株主構成比率のについての特徴、株主構成比率の具体的な要素、見るべきポイントと調べ方という3つに分けて、ご紹介します。
またKnowHowsでは、株主構成比率の把握や、株式の移転にともなう議決権の変動などを無料でシミュレートできる「資本政策シミュレータ」もご用意しています。
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1.株主構成比率とは
最初に、株主構成比率とは何かについて概説します。
①株主構成比率について
株主構成比率とは、当該会社の各株主の持株比率を、株主構成(どんな株主がいるのか)の視点から一元的にまとめたものです。
たとえばAという株主の持株比率は30%、Bという株主の持株比率は20%などと一覧で表記されます。
あるいは株主をカテゴリー別に分類し、Xというカテゴリーの持株比率は35%、Yというカテゴリーの持株比率は18%、といったように示されることもあります。
株主構成比率は、どんな株主がどの程度株式を保有しているのかを、ひとめで、かつ比較しながら確認できる指標と言えるでしょう。
②株主構成比率によって運営の実態がわかる
株主構成比率は、その会社の運営の実態がわかるのがメリットです。
順を追って説明しましょう。
まず株主構成比率のベースとなる持株比率は、発行済株式数と持株数の比較から算出した割合です。
一方、株式には通常、1つの株式につき議決権が1つついています。持株比率の割合が大きければ、全議決権数に対して保有している議決権の割合も大きいことになります。
株主にとって、この議決権の割合は、会社に請求できることや株主総会での発言力が変わるため、非常に重要な数値です。
そのため、株主構成比率を見れば、「会社の中で誰が一番経営に大きく関わっているのか」「誰のほうが誰よりも影響力があるのか」などがわかります。表記されているのは割当の数字のみですが、会社の運営の実態が把握できるわけです。
2.株主構成比率では具体的に何が示される?
株主構成比率は、端的に言えば、各株主の持株比率の実態を示すものです。
実際には、所有者別の比率と大株主の比率、2つが表記されるのが一般的となっています。
以下、それぞれについて詳しくご説明しましょう。
①所有者別の比率
所有者別の比率とは、株主をあるカテゴリーに分類し、それぞれの持株比率をまとめたデータです。基本的に、色分けした円グラフで示されます。
カテゴリーの分け方はさまざまですが、基本的にはまず内国法人と外国法人に分けるのが一般的です。
その上で、内国法人は政府および地方公共団体、金融機関、証券会社、事業法人、個人投資家などに分類。外国法人は法人、投資家に分類されるケースがよく見られます。
②大株主の比率
大株主の比率とは、持株比率が高い株主の名前と、それぞれの持株比率をまとめたデータです。上位10名程度を、表でまとめて示されるのが通例となっています。
なお、大株主の中で、最も高い持株比率の株主を筆頭株主と言います。筆頭株主は、株主構成比率を見る上で、非常に重要な情報です。
大株主の比率(例)
大株主 | 持株数 | 持株比率 |
---|---|---|
①○○株男 | 50,000株 | 50% |
②○○株太 | 15,000株 | 15% |
③○○銀行 | 10,000株 | 10% |
~省略~ | ~省略~ | ~省略~ |
⑩○○株式会社 | 6,000株 | 6% |
3.株主構成比率の見るべきポイントはどこ?調べ方は?
最後に、株主構成比率の見るべきポイントと調べ方についてご紹介します。
①株主構成比率の見るべきポイント
株主構成比率を見るべきポイントはさまざまですが、特に注目したいのが経営者の持株比率と、安定株主の存在です。
・社長(経営者)の持株比率
第1のポイントは、経営者の持株比率です。
持株比率は、第1章でもお伝えしたように、会社に請求できる内容や株主総会での発言力の大きさに関わる数字。
そのため、経営者の持株比率が低ければ、会社を経営する上で他の株主の意思決定に依存していることになります。
たとえば持株比率が66.7%を下回っていると、経営者は株主総会の特別決議を単独で可決することができません。特別決議が必要な定款の変更や増資の決定などを、経営者の一存で決められないのです。
これは会社の今後の事業展開、収益の獲得に大きく関わることでしょう。そういった意味で経営者の持株比率は、今後株式を手に入れることが得なのかどうか、そうした判断材料にできます。
・安定株主の存在
第2のポイントは、安定株主の存在です。
安定株主とは、長期に会社の株式を保有してくれる株主を言います。よく安定株主となるのは経営者の配偶者や親戚、信頼している取引先などで、彼らは経営者の味方とも呼べる存在です。
安定株主が多くいれば、たとえ経営者の持株比率が低くとも、経営者が会社をコントロールできる可能性が高くなります。
従って、安定株主の存在は、やはり会社がどの程度成長をするのかの指標となるでしょう。
株主構成比率から安定株主がどの程度いるのかを判断するために、経営者と深い関わりのある取引先が大株主にいないか、金融機関の持株比率が高くないかなどを見てみてください。
・理想の株主構成比率について
持株構成比率の見るときは、上記のポイントと一緒に、株主構成比率の理想形についてもおさえることが重要です。
理想は、経営者や安定株主の合計持株比率が66.7%を超えていること。
それ以外の比率については、会社の状況と、競合他社の株主構成比率を比較しながら見てるのがいいでしょう。
なお、会社の経営者として理想の株主構成比率に近づけたいと考えるのであれば、資本政策を念入りに策定することが求められます。
資本政策とは、資金調達面と株主構成面、それぞれを加味しながらベストなタイミングでの増資、新株予約権の発行などを決める計画です。
資本政策については他記事で解説しているので、ぜひそちらをご参考ください。
また、当サイトでは、簡単に資本政策の作成ができる「資本政策シミュレーター」をご用意しています。無料でシミュレートの結果を出せますので、ご活用いただければ幸いです。
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②株主構成比率の調べ方
株主構成比率の調べ方は、未上場企業と上場企業によって異なります。
未上場企業の場合は、株主の権利である情報開示請求を利用する方法しかありません。従って、事前に1株でも株式の購入が不可欠となります。
上場企業の場合は、各社のウェブサイト、『会社四季報』、有価証券報告書などで調べることが可能です。
ちなみにJPX(日本取引所グループ)では、上場企業全体の株式分布状況について調査した結果が発表されています(2018年度分はこちら)。市場全体の平均値と比較したい場合は、活用してみてください。
まとめ
- 株主構成比率は、当該会社の各株主の持株比率を、株主構成の視点から一元的にまとめたもの。
- 実際の株主構成比率では、所有者別の比率と大株主の比率の2つが表記される。
- 持株構成比率の見るべきポイントは、社長(経営者)の持株比率と安定株主の存在。それらが理想の株主構成比率に近いかどうか見極めるためにも、未上場企業と上場企業で調べ方が違うことを知っておこう。
おわりに
株主構成比率は、持株数や持株比率を単に表したものではありません。
会社の経営状況を知る判断材料なのはもちろん、経営者としては、円滑に事業を運営するために常に意識しなければならないものです。
本文でも紹介しましたが、KnowHowsでは、こうした資本政策の結果を予測できる「資本政策シミュレータ」をご用意しています。
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作成は無料で行えますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。
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