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この記事でわかること

  • 第三者割当増資で株主総会が必要となる4つのケース
  • それぞれのケースで決める内容の詳細
  • 株主総会開催の流れと当日の進め方
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はじめに

第三者割当増資は、第三者に株式を割り当て、その対価として資金を得る方法を言います。創業間もないスタートアップ企業やベンチャー企業といった未上場企業にとって、会社を成長させるのに不可欠な手法です。

その第三者割当増資を実施するには、場合によって株主総会の決議が必要となります。

では、具体的にどんな場合でしょうか。この記事で詳しくご紹介しましたので、ご一読いただければ幸いです。

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1.第三者割当増資で株主総会が必要となるケース

株式会社にとって、株主総会は会社の意思決定における最高機関です。

会社の運営に携わる内容は株主総会での決議が不可欠で、第三者割当増資も例外ではありません。

まずは、株主総会が必要となるケースを一覧で見ていきましょう。

なお、取締役会を設置しているかどうかで大きく異なるので、ここでは取締役会を設置していない非公開会社の場合をご紹介します。

①第三者割当増資で株主総会が必要となるケース一覧

ケース非公開会社(取締役会未設置の場合)
募集事項の内容決定株主総会の特別決議(※)
株式割当の内容決定株主総会の特別決議(※)
有利発行の実施株主総会の特別決議
総数引受契約の承認株主総会の特別決議(※)

(※)取締役会設置会社なら、場合によって取締役会での決議とする

以上を見てわかるように、第三者割当増資では、株主総会の開催がただ一回で終わるとは限りません。そのため、実施の際には、綿密な計画を立てることが重要となります。

各種ケースで決定する内容については、第2章で詳しくご紹介します。

②株主総会の特別決議とは

特別決議とは、株主総会の中でも重要度の高い事項が対象となる決議です。

採決されるには、

  • 当該の株主総会に、全議決権の過半数を有する株主が出席していること
  • 出席した株主の議決権数の2/3以上が賛成していること

が条件となります。

なお、特別決議には第三者割当増資のほかに、定款の変更会社の合併組織変更などがあります。

③取締役会の決議とは

一方、第三者割当増資では、場合によって取締役会の決議が株主総会の特別決議に代わることがあります。

取締役会は、3名以上の取締役がいるときに設置が可能な機関です(公開会社の場合は必須)。

決議要件は、

  • 当該の取締役会に、全取締役の過半数が出席していること
  • 出席した取締役の過半数が賛成していること

となっています。

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2.第三者割当増資を行う際に株主総会で決める内容

第 三 者 割当 増資 株主 総会

第1章で見てきたように、取締役会設置会社以外の非公開会社であれば、「募集事項の決定」「割当内容の決定」「有利発行の実施」「総数引受契約の承認」において、株主総会の特別決議が必要です。

では、具体的に何を決めるのでしょうか。この章で、それぞれ詳しくご紹介します。

①募集事項の内容決定の場合

募集事項とは、第三者割当増資の具体的な内容を示したものです。

株主総会の特別決議では、割当の対象者、発行する株式の数、発行する株式の価格(株価)、募集期間、払込期間などを決定します。

②株式割当の内容決定の場合

株式割当内容とは、募集事項の通知を受けて申し込みをしてきた割当対象者に、どの程度の株式を発行するのかなどを決定した内容です。

株主総会の特別決議では、それが妥当かどうかを検討することになります。

③有利発行の実施の場合

有利発行とは、時価よりも明らかに低い価格で株式を発行することです。

この場合、多くの株式が発行されることになり、株式の希薄化(1株あたりの価値の低下)が起きて、既存の株主が不利益を被りやすくなります。

株主総会の特別決議が必要なのは、既存の株主に対して、なぜその価格で発行するのかきちんとした説明をしなければならないからです。

④総数引受契約の承認の場合

総数引受契約を実施する際にも、株主総会の特別決議が必要です。

総数引受契約とは、事前に割当の対象者と協議しておくことで、迅速に第三者割当増資が実施できるようにした手続きのこと。

募集事項や株式割当の内容決定における特別決議を省略できるため、承認の特別決議にて内容が適切かどうかの検討が行われることになります。

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3.株主総会開催の流れや当日の進め方

第 三 者 割当 増資 株主 総会

最後に、第三者割当増資における株主総会開催の流れ当日の進め方について、ご説明します。

①株主総会の開催通知

株主総会の開催通知は、会社法によって期限が決められています。取締役会設置会社ではない非公開会社の場合は1週間前まで、それ以外の会社は2週間前までです。

「開催日」「開催場所」「決議事項」などを記した書類と合わせて、計算書類や事業報告、委任状などの書類を送付します。

②株主総会開催

開催当日になったら、代表取締役を議長として、決議事項の採決を進めます。ここでは、KnowHowsの別記事「定時株主総会議事進行」を元に、流れを見ていきます。

(1)代表取締役による開会の挨拶

代表取締役、役員、株主などが入場したら、代表取締役が挨拶を行います。ここで代表取締役が議長を務めること、進行上でのお断りなどを伝えるのが一般的です。

(2)株主数と議決権の個数を確認

代表取締役から、当該の株主総会に参加した株主数と議決権の個数を伝えます。

(3)各種報告

各種報告(監査役からの報告や、代表取締役からの業績報告など)を行います。

(4)決議事項の説明

報告まで終わったら、決議事項の説明です。代表取締役から、第三者割当増資の具体的な内容を伝えます。

(5)質疑応答

参加した株主からの質問を受け付けます。「採決以降は質問を受けることができない」旨を伝えておくといいでしょう。

(6)採決

第三者割当増資の内容に関する採決を行います。

(7)代表取締役による閉会の挨拶

採決が終わったら、代表取締役から閉会の挨拶を行います。

以上は、「定時株主総会議事進行」で配布している台本を元にした内容です。より詳細な内容を把握したいときは、ぜひ当該記事からダウンロードしてみてください。

KnowHowsでは、このように実務に役立つノウハウを出品することができます。ご自身のPRにもつながりますので、ご利用してみてはいかがでしょうか。

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③株主総会が終わったら

株主総会が終わったら、議事録の作成決算公告(定時株主総会のみ)登記変更の手続き(登記変更があった場合のみ)を行わなければいけません。

議事録では、いつどこで行われたのか、どんな決議内容で結果はどうであったのかを記録します。

決算公告は、財務情報を開示することです。官報日刊新聞紙電子公告のいずれかに掲載します。

登記変更の手続は、2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局に書類を提出します。

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まとめ

  • 第三者割当増資で株主総会が必要となるケースは、「募集事項の内容決定」「株式割当の内容決定」「有利発行の実施」「総数引受契約の承認」の4種類。ただし取締役会設置会社の場合は、基本的には取締役会で決議を行う。
  • 株主総会を開催するためには、決められた期限までに通知をする必要がある。
  • 株主総会が終了したら、議事録の作成や決算公告などを忘れずに行う。
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おわりに

第三者割当増資と株主総会は密接な関係があります。

実施する際は、新規の株主だけでなく、既存の株主にも配慮する必要があるでしょう。

中でも、株価や発行株式数の設定は重要です。

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