2023最新|商品名がなければ薬事対象外?変わりつつある薬機法の最新規制を判例とともに解説
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「商品名を書かなければ薬機法の規制対象外?」「ブログは薬機法の対象となるの?」こんなお悩みありませんか。
実はウェブサイトでも、薬機法(旧薬事法)の対象になるケースとならないケースがあります。
本稿では、薬機法の規制対象の考え方や規制が及ぶケース、及ばないケースについて最新の判例を踏まえて解説していきます。
なお筆者の権威性については次の通りです。
- 消費者庁の公的文書の誤りを指摘改善させた実績(詳しく知りたい方はお問い合わせください)
- 景品表示法務検定アドバンス(消費者庁公認、公正取引協議会主催)
- 食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局)
- その他(YMAA/KTAAなど)
薬機法の規制対象
まずはじめに、薬機法の規制対象について見ていきましょう。
何人も規制対象
薬機法の広告規制では「何人規制」といって、個人法人・業種業態問わず、規制対象となります。
たとえば薬機法第66条、薬機法第68条では、それぞれ以下のように規定しています。
第十章 医薬品等の広告
(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
十章 医薬品等の広告
(誇大広告等)
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
医薬品、化粧品、医薬部外品、医療機器、再生医療機器が対象
薬機法の対象物は医薬品、化粧品、医薬部外品、医療機器、再生医療機器です。薬機法では医薬品と医薬品でないものを明確に区分していて、医薬品でないものが医薬品的効果効能を標ぼうすることを規制しています。
【NG例】
- 化粧水で「ターンオーバー促進」
- 育毛剤で「毛が生える」
健康食品は直接的には薬機法の対象ではありません。
しかし薬機法では医薬品でないものを医薬品的な効果をうたうことを禁止しています。
そのため健康食品で医薬品的効果効能をうたうと薬機法上のリスクが生じます。
【NG例】
- サプリメントで「肝臓病に効く」
- 健康食品で「肌がきれいになる」
対象表示は「広告3要件」を満たすもの
対象となる表示は広告に該当するものです。次の3要素すべてを満たすものが広告と判断され、薬機法の規制を受けることとなります。
①誘引性 | 顧客を誘引しているか |
---|---|
②明示性 | 商品名が明示されているか |
③一般性 | 一般人が容易に認知できるか |
では、どのようなケースが薬機法の規制対象になるのでしょうか。薬機法の規制が及ぶケースと及ばないケースについて紹介していきます。
個人ブログ(日記ブログで商品宣伝もしていない)
たとえば趣味の個人ブログで商品名を出さず以下のようにした場合、要件「③一般性」しか満たしません。
「ビタミンCを摂取したらニキビが改善しました」
そのため広告に該当せず、規制対象とはなりません。
個人ブログ(アフィリエイトをしている)
一方、個人ブログでもアフィリエイトで商品名を出し次のようにした場合、3要件を満たします。
「○○化粧水はターンオーバー促進します。詳しくはこちら(URL)」
つまり広告に該当し、薬機法の規制が及ぶこととなります。
企業ホームページ(商品・サービスの紹介が一切ない)
商品の紹介が一切ない場合、満たすのは要件③「一般性」のみです。
そのため広告に該当せず薬機法の規制対象外となります。
イメージ広告などがこのケースに該当します。
企業ホームページ(商品やサービスの紹介がある)
他方、商品名を出して紹介した場合、広告の3要件すべてを満たします。そのため、薬機法の規制対象となります。
「○○サプリは脂肪を燃焼させます」
広告の要件は今後変更になる可能性が高い
ただ、今後広告該当性の要件が変わる可能性があります。
現段階では、薬機法の規制対象は広告3要件すべてを満たす表示のみです。
①誘引性
②明示性
③一般性
しかし②の明示性については近い将来、撤廃される可能性があります。
といいますのも、近年、商品名を明示せずに商品をPRする脱法的ともいえる手法がでてきていて、問題視されているのです。
成分情報だけで摘発された事例も
景品表示法において、商品名を明示していなくても措置命令が発出されるケースが出てきています。
商品名を明示しない表示の広告該当性が争われた「サンクロレラ事件」
2015年、京都の適格消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」が健康食品販売「サン・クロレラ社」に広告の差止め請求訴訟をおこなった事案があります。
サンクロレラ社の関連団体「クロレラ研究会」が商品名の表示をせず、自社のサプリメントについて「免疫力を整える」など標ぼうし、配布していた新聞折込チラシなどを対象にしたものです。
一審では違法と判断されましたが、二審、最高裁では、既にチラシの配布をやめていたため景表法上の違法性の判断はありませんでした。
つまり商品名を明示しない表示の広告該当性については保留の状態になっていたのです。
商品名の記載がない表示の広告該当性を認めたイマジングローバルケア事件
しかし、サンクロレラ事件から4年を経た、2019年のイマジングローバルケア(2019/11/1消費者庁 措置命令) の事例では商品名を明示していないケースについて措置命令がでています。
イマジングローバルケアは自社サイト「ブロリコ研究会」内で成分について「免疫力を高める」などと標ぼうしていました。
サイトを見て資料請求してきた一般消費者に「免疫力をたかめるブロリコとの出会い」という冊子(商品名の表示なし)を送付していました。
そこに商品名の表示はありません。
ただ、チラシと一緒に商品の注文ハガキや無料サンプルを送付していたのです。
消費者庁は成分の情報とその成分を含む商品を送っていることから、成分情報を商品広告とみなし、措置命令を発出しました。
上記の2事例はいずれも景品表示法上の問題となった事例ですが、商品名を表示しないことの一事だけをもって、商品表示ではないとして規制対象から外すことは適当ではないとの判断が公的機関によって下されたものです。
つまり景品表示法だけでなく、薬機法も共通の判断になる可能性は十分にあります。
「転ばぬ先の杖」 広告法務は早めの対策が吉
一度摘発されてしまうと、信用を取り戻すのは容易ではありません。薬機法や景品表示法といった広告法務は「転ばぬ先の杖」で早め早めの対策が重要です。
弊社では「好かれて売れるコンテンツ」を基本理念に、業界屈指の専門性をもった専業薬機ライターが、広告法務をサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください。
詳しい実績はこちらにまとめております。
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【消費者庁に指摘した実績】好かれて売れる法規ライターが「法律」×「ブランド価値」×「利益」をサポート
◆わかさ生活様に薬機法の専門家としてインタビューを受ける
◆ハウス食品様(記名記事)
◆Docomo様(記名記事)
実績はこちらで詳しくまとめております。
https://note.com/ll_portfolio/n/nb72a7078b4c3
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はじめまして
薬機法など広告法務の専門家として専業で8年間事業を営んでおります、の橋本 駿と申します。
近年、薬機法などの広告規制が厳しくなってきています。
確かに薬機法は重要です。
しかし、多くの企業は薬機法「だけ」の対策しかしていません。
実は薬機法を守っていても、「景品表示法」に違反していれば、意味はないのです。
広告審査にも落ちますし、措置命令も免れません。
薬機法に関しては違反しても、行政処分レベルでは社名公表されませんが、景品表示法に違反した場合、原則社名公表されます。
◆景品表示法や薬機法に関しては弁護士も新聞もあてになりません
景品表示法や薬機法は複雑で、誤りを発信しているケースが少なくありません。
把握しているだけでも5件(弁護士3件、新聞メディア1件、ポータルサイトのニュース記事1件)が誤っています。
ーー
弊社は広告法務専門で8年の実績があり、広告法務に関する高い専門性を持っております。
とりわけ景品表示法に関しては、国内屈指の専門性を有すると自負しております。
広告出稿される企業様向けには、広告審査保証も実施しております(もちろん一度も審査落ちしたケースはございません)
広告審査で見られることのある「公正競争規約」もすべて頭に入っております。
さらに健康増進法やあはき法、特商法、商標法、独禁法、その他広告に関わる民法などの知見も網羅的に持ち合わせています。
気軽にお話してみませんか?
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