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この記事でわかること
- 各公的融資の借入限度額と金利の目安
- 公的融資のメリットとデメリット
はじめに
公的融資の主な資金調達方法は、日本政策金融公庫からの融資、商工組合中央金庫からの融資、各自治体の融資あっせんの3種類です。
この記事では、それぞれの借入限度額と金利目安についてご紹介しています。各特徴とあわせて抑えておけば、適切な調達方法が選べるようになるでしょう。
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1.各公的融資の借入限度額と金利目安
では、それぞれの借入限度額と金利目安を見ていきましょう。
①日本政策金融公庫
・借入限度額
国民生活事業の融資制度 | 融資限度額 | 融資期間 |
---|---|---|
一般貸付 | 4,800万円 ※特定設備資金は7,200万円 | 運転資金7年以内(うち据置期間1年以内)設備資金10年以内(うち据置期間2年以内)特定設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) |
経営環境変化対応資金 | 4,800万円 | 運転資金8年以内(うち据置期間3年以内)設備資金15年以内(うち据置期間3年以内) |
金融環境変化対応資金 | 4,000万円(別枠) | 運転資金8年以内(うち据置期間3年以内)設備資金15年以内(うち据置期間3年以内) |
取引企業倒産対応資金 | 3,000万円(別枠) | 運転資金8年以内(うち据置期間3年以内)設備資金15年以内(うち据置期間3年以内) |
新事業活動促進資金 | 7,200万円※うち運転資金4,800万円 | 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) |
事業承継・集約・活性化支援資金 | 7,200万円※うち運転資金4,800万円 | 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) |
中小企業事業の融資制度 | 融資限度額 | 融資期間 |
---|---|---|
新事業育成資金 | 6億円 | 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)設備資金20年以内(うち据置期間5年以内) |
中小企業経営力強化資金 | 7億2,000万円※うち運転資金2億5,000万円 | 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) |
企業活力強化資金 | 7億2,000万円※うち運転資金2億5,000万円 | 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) |
事業承継・集約・活性化支援資金 | 7億2,000万円 | 運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) |
農林水産事業の融資制度 | 融資限度額 | 融資機関 |
---|---|---|
スーパーL資金 | 10億円※特認は20億or30億円 ※経営安定化を目的とする資金の場合は6,000万円(特認は1億2,000万円) | 25年以内(うち据置期間10年以内) |
青年等就農資金 | 3,700万円※特認は1億円 | 12年以内(うち据置期間5年以内) |
林業基盤整備資金 | 負担額の80%※計画森林の場合は90% | 55年以内(うち据置期間35年以内) |
森林整備活性化資金 | 負担額の2/7相当 | 30年以内(うち据置期間25年以内) |
漁業経営改善支援資金 | 融資の使いみちによる※「融資額」と「総事業費×融資率」のいずれか低い額となる | 15年以内(うち据置期間3年以内) |
農業競争力強化支援資金 | 負担額の80%以内 | 10年超20年以内(うち据置期間3年以内) |
食品産業品質管理高度化促進(HACCP)資金 | 「負担額の80%以内」か「20億円」のいずれか低い額 | 10年超15年以内(うち据置期間3年以内) |
・金利目安
国民生活事業の融資制度 | 担保なしの金利目安 | 担保ありの金利目安 |
---|---|---|
一般貸付 | 2.16~2.23%1.16~1.83% | |
経営環境変化対応資金 | 2.16~2.23% | 1.16~1.83% |
金融環境変化対応資金 | 2.16~2.23% | 1.16~1.83% |
取引企業倒産対応資金 | 2.16~2.23% | 1.16~1.83% |
新事業活動促進資金 | 1.51~2.23%※利用資格によって変動 | 0.51~1.83%※利用資格によって変動 |
事業承継・集約・活性化支援資金 | 1.51~2.23%※利用資格によって変動 | 0.51~1.83%※利用資格によって変動 |
中小企業事業の融資制度 | 金利目安※利用資格・貸付期間・担保の有無で変動 |
---|---|
新事業育成資金 | 0.30~0.47% |
中小企業経営力強化資金 | 0.71~1.12% |
企業活力強化資金 | 0.30~1.12% |
事業承継・集約・活性化支援資金 | 0.46~1.12% |
農林水産事業の融資制度 | 金利目安 |
---|---|
スーパーL資金 | 0.02%※場合によって無し |
青年等就農資金 | 無し |
林業基盤整備資金 | 0.02%※場合によって0.17% |
森林整備活性化資金 | 無し |
漁業経営改善支援資金 | 0.02%※場合によって0.17% |
農業競争力強化支援資金 | 0.16~0.17%※貸付期間によって変動 |
食品産業品質管理高度化促進(HACCP)資金 | 0.16%※場合によって0.31% |
②商工組合中央金庫
・借入限度額
融資の種類 | 融資限度額 | 融資期間 |
---|---|---|
一般的な融資 | 7億2,000万円うち運転資金2億5,000万円 | 運転資金10年以内(うち据置期間2年以内)設備資金15年以内(うち据置期間2年以内) |
協業化・共同化融資 | ケースによる | 要相談 |
中央会推薦貸付 | 1億円 | 商工中金所定の審査で決定 |
組合特別貸付 | ケースによる | 要相談 |
業界団体の制度融資 | ケースによる | 要相談 |
地方公共団体の制度融資 | ケースによる | 要相談 |
市街地再開発事業への融資 | ケースによる | 要相談 |
・金利目安
融資の種類 | 金利目安 |
---|---|
一般的な融資 | 1.0~1.475% |
協業化・共同化融資 | ケースによる |
中央会推薦貸付 | 0.3%※貸付期間が5年を超える場合は、長期プライムレートが下限 |
組合特別貸付 | ケースによる |
業界団体の制度融資 | ケースによる |
地方公共団体の制度融資 | ケースによる |
市街地再開発事業への融資 | ケースによる |
③各自治体の融資あっせん
制度融資の融資限度額と金利目安は、下記の通りです。
融資限度額 | 金利目安 |
---|---|
2,000万円 | 2% |
2.公的融資のメリットとデメリット
最後に公的融資のメリットとデメリットをご紹介します。
自社のニーズに合っているか照らし合わせ、慎重に検討するようにしましょう。
①メリット
・金利が低い
公的融資の金利は、ほとんどが1%台と低めに設定されています。
・据置期間が長め
据置期間(元金返済の猶予期間)が、2~5年の範囲内で設定されている融資制度が多いため、、すぐに返済の目処が立たない場合でも利用しやすくなっています。
・審査に通りやすい
審査に通りやすいのもメリットです。これは、融資判断の基準が「その企業が要件を満たしているか」に重きが置かれているからです。そのため公的融資であれば、創業間もない企業でも、支援を受けて事業発展を目指しやすくなります。
・無担保・無保証
融資制度によっては、担保や保証人不要なものもあります。
②デメリット
・利用条件が複雑
公的融資には、利用条件が多岐に渡るために、適切なものが見つかりにくい面があります。実はもっと好条件で受けられた……とならないように、担当者とよく話し合うことが大切です。
・送金までに時間がかかる
送金まである程度の日数を要するのもデメリットです。(※日本政策金融公庫の農林水産事業には、最速1週間で融資の可否を判断してくれるクイック融資制度があります)
特に制度融資は、自治体へのあっせん依頼を挟んでから融資の申込みとなるので、直近で資金(キャッシュ)が必要な場合は注意しなければいけません。
・融資限度額が低め
公的融資の融資限度額は中小企業向けなこともあり、そこまで高くありません。民間の金融機関から融資が受けられるようになった段階で、補完的な役割に切り替える企業もいます。
まとめ
- 融資限度額はケースによって、金利はそのときの金融情勢によって大きく変わる可能性がある。どの融資を受けるか選んだら窓口に直接確認しよう。
- 金利目安は1%台がほとんど。民間の金融機関に比べて低いので、長期の運転資金として活用するのもひとつ。
- 公的融資は審査に通りやすいが、送金までに時間がかかりやすいのがデメリット。近々で必要な場合は、別の手立ても視野に入れる。
おわりに
公的融資の低金利で審査が通りやすいというメリットは、他にはない大きな魅力です。
デメリットを把握し、別の資金調達方法とうまく使い分けられるようにしてください。
また、KnowHowsでは、最初にお伝えしたように、「みんなで事業相談」や「資本政策シミュレータ」といったサービスをご用意しています。スムーズな資金調達を実現する術としていただければ幸いです。いずれも無料で利用できます。
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