IPOの提出書類【79個】一覧│管理しやすいチェックリストつき
株式上場(IPO)の際に求められる基準
- もっと解説してほしい0
7366
1
0
0
Index
この記事でわかること
- 東証マザーズ市場の上場審査基準
- 東証一部、二部の上場審査基準
- JASDAQの上場審査基準
はじめに
会社が株式上場(IPO)を行うためには、厳しい審査基準をクリアしなくてはなりません。
本記事では、東京証券取引所の審査基準について、各市場ごとにその内容を解説していきます。ぜひ、ご参考ください。
また、KnowHowsの「みんなで事業相談」では、専門家に事業の悩みを無料で相談することが可能です。
弁護士や会計士、行政書士、M&Aアドバイザーなど、KnowHowsに登録する専門家があなたの悩みに詳しく回答。
IPOも含め、お悩みの際はぜひご活用ください。
1.株式上場の2つの審査基準
株式上場の基準は「形式基準」と「実質基準」の2つにわかれています。この2つの基準をクリアしなければ、上場することはできません。いずれも証券取引所の市場によって内容が異なります。
①形式基準とは
形式要件は、上場までに満たさなければならない一定の数値の最低基準です。株主数、流通株式数、時価総額、純資産額、利益額、財務諸表等の監査などがあげられます。上場申請の際に提出する書類や資料で確認されます。
形式要件の基準は、市場ごとに異なります。マザーズ、東証二部、東証一部の順で、基準値が高くなっていきます。スタートアップやベンチャー企業においては、ほとんどの場合がマザーズ上場を目指すので、まずはマザーズにおける形式要件の基準を確認すると良いでしょう。
②実質基準とは
実質基準は、形式基準をクリアした上で満たさなくてはならないものです。形式基準と異なり、明確な数値基準が定められていないことが特徴です。
例えば、上場企業としてふさわしいか、安定した収益を継続できそうかなどを書類審査に加え、質問やヒアリングで調査されます。調査の対象は主に下記の内容です。
- 開示体制の構築・運用:企業内容などの開示が適正に行える状況であること。反社会勢力との関わりがないこと
- 経営の健全性、合理性:事業を公正に遂行しているか、事業計画が適切に策定されているか
- コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の構築・運用:法令遵守の体制が適切であること、役員の職務執行が適正であること、内部管理体制のための人員確保が十分であること
2.東証マザーズで定められている審査基準
形式要件と実質審査基準について解説しましたが、実際に東京証券取引所で定められている基準を例に挙げてみましょう。
東京証券取引所には東証一部・二部、マザーズ、JASDAQの4つの株式市場があり、それぞれ審査基準も異なります。それぞれの基準についてまとめていきましょう。
形式基準 | 実質基準 |
---|---|
株主数:200人以上(上場時見込み) | ①企業内容、リスク情報等の適時開示体制の構築 |
流通株式数:2,000単位以上 | ②企業経営の健全性 |
流通株式時価総額:5億円以上 | ③企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性 |
時価総額:10億円以上(上場時見込み) | ④事業計画の合理性 |
事業継続年数:取締役会設置後1年以上 | ⑤その他、公益または投資者保護の観点から証券取引所が必要と認める事項 |
財務諸表に虚偽記載がないこと | |
株式事務代行機関の設置:株式事務の委託をしているか | |
株式の譲渡制限がないこと |
参考:日本取引所グループ「上場審査基準(マザーズ)」
東証マザーズは、東証一部・二部での上場を目指すベンチャー企業など、成長企業向けの市場です。比較的設けられている基準が低い点が特徴です。
3.東証一部で定められている審査基準
では、東証第一部においてはどのような上場基準があるのでしょうか。代表的な条件を下記の通りまとめました。
形式基準 | 実質基準 |
---|---|
株主数:2,200人以上(上場時見込み) | ①企業の継続性及び収益性 |
流通株式:(上場時見込み)a.流通株式数:2万単位以上 b.流通株式比率:上場株券等35%以上 | ②企業経営の健全性 |
時価総額:250億円以上(上場時見込み) | ③企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性 |
事業継続年数:取締役会設置後3年以上 | ④事業内容等の開示の適正性 |
連結純資産の額が10億円以上(かつ、単体純資産の額が負でないこと) | ⑤その他、公益または投資者保護の観点から証券取引所が必要と認める事項 |
次のa又はbに適合すること a.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること b.時価総額が500億円以上 (最近1 年間における売上高が100 億円未満である場合を除く) |
参考:日本取引所グループ「上場審査基準(内国株)」
4つの株式市場の中で最も審査基準が厳しいのは、東証一部です。例えば、トヨタ自動車や日本郵政、ソフトバンクグループなど、名だたる企業が東証一部で上場しています。
上記の基準をクリアできる企業であれば、適切なリスクマネジメント、安定した経営基盤であるといえます。東証一部に上場することは社会的信用度に加え、投資家からの信頼も厚いと評価できるため、巨額の資金調達が可能です。
4.東証二部で定められている審査基準
参考:日本取引所グループ「上場審査基準(内国株)」
東証一部と二部の要件項目は変わらないものの、定められている基準値が異なります。
東証一部を目指す企業の多くは、まず東証二部へ上場するケースがほとんど。また、東証一部へ上場したとしても基準値を下回った場合には、二部へ降格するケースもあります。
5.JASDAQで定められている審査基準
JASDAQは、「スタンダード」と「グロース」という2部で市場が構成されています。JASDAQで上場を果たすベンチャー企業が多いです。その一方で、JASDAQにとどまる大手企業や老舗企業も存在します。
①スタンダード:すでに利益・実績を一定基準満たしている企業が対象
参考:日本取引所グループ「上場審査基準(JASDAQ)」
②グロース:上場時見込みの純資産額がプラスで、今後の成長が期待できる企業が対象
スタンダードと審査基準はあまり変わりません。しかし、グロースでは、純資産額がプラスであること以外は、利益額・時価総額に対しての基準が設けられていないのが現状です。これは、将来的な成長を見込める企業が対象となるためです。
おわりに
各株式市場によって、上場審査の基準は異なります。東京証券取引所では東証一部、二部、マザーズ、JASDAQの順で、より厳格な基準を定めていると理解しておきましょう。
株式上場(IPO)で疑問があれば、KnowHowsで無料相談ができます。
KnowHowsは、「経営のお悩みを解決するプラットフォーム」として、株式上場(IPO)や株式の財務、法務・労務などの疑問を解決するプロフェッショナルが質問に回答してくれます。
少しでも疑問があれば無料で相談してみましょう。
>>KnowHowsで株式上場(IPO)の専門家に無料で相談してみる
また、KnowHowsではIPOを目指すうえで必ず必要になる「資本政策シミュレータ」をご用意しています。
必要な項目を入力するだけで、リスクがわかる資本政策がオンライン上で作成可能です。
作成は無料で行えますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。
>>【無料でお試し!】KnowHowsの資本政策シミュレータ
この記事の評価をお願いします
1
この記事を書いた人
このユーザーの他の投稿
関連のあるコラム
投稿を削除します。本当によろしいですか?
関連する質問がAIで生成されています。
株式上場を目指す際に、特定の業種やビジネスモデルに対して有利または不利な審査基準や傾向が存在するのでしょうか?特にITスタートアップやクリエイティブ産業において、具体的な事例があれば教えてください。
IPOを目指す際に、形式基準は理解できますが、実質基準の中でも特に困難だった点や対策について、いくつかのケーススタディを教えてください。特に企業のコーポレート・ガバナンスや経営の健全性についての具体的なエピソードがあれば知りたいです。
上場後の管理体制に関して、特に改善が必要とされる内部管理体制の項目や具体的な改善手法について教えてください。また、失敗事例とその対策についても知りたいです。
IPOを進める中で、特に留意しておくべき税務上の考慮事項や節税策について教えてください。特に、中小企業における実務的な対策や見落としがちなポイントについて具体的に知りたいです。
株式上場後の資金調達について、どのような手法があり、各手法のメリット・デメリットは何か。また、特に中小企業が選択すべき最適な資金調達方法とその理由について教えてください。
JASDAQグロース市場を目指す際の特有の課題やクリアするための具体的なステップについて知りたいです。特に審査基準をクリアするための効果的な事業戦略やアプローチがあれば教えてください。
IPOのプロセスに関するリスクマネジメントについて、特に見落とされがちなリスクとその対策について具体例を交えて教えてください。特に中小企業が直面しやすいリスクとその回避策について知りたいです。
IPO準備において、特にフィナンシャルアドバイザーや他の専門家をどのタイミングで、どのような基準で選定すべきか、具体的なアドバイスをお願いします。また、その選定に失敗した際のリスクや対策についても教えてください。
IPOを行う際に必要な内部統制の具体的な内容とその構築方法について教えてください。特にどのようなツールやシステムが有効で、導入する際の注意点について知りたいです。
IPO後の株価維持や投資家対応について、特に中小企業が注意すべきポイントや具体的な施策について教えてください。過去に成功した事例や失敗した事例を踏まえて、最適な戦略を学びたいです。
閉じる
ダウンロード
20万円以上の契約書を無料でご利用できます。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
ダウンロード
多くの事業に重要な知識が
ダウンロードできます。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
あなたの知識を
欲しい人がいます。
関わる経験や知識が必要な人たちが待ってます。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
投稿できます。
多くのプロとつながりましょう。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
相談できます。
事業、M&A、財務、法務に関わる
専門知識をもったプロがお答えします。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
プロフィール画像を登録してください
有料のプラン登録をしませんか?
電話番号認証のお願い
アップグレード
アクセス権限
3IP同時ログインが可能株価算定概要書のDL
資本政策利用無制限
機能が全て利用可能
株価算定も追加費用なしで利用し放題公式の知識を買う/売るの無制限
ノウハウズ公式のアカウントによる投稿のみ対象契約書ダウンロードの無制限