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資金調達の際に事業計画を作るときのポイント
- もっと解説してほしい0
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Index
この記事でわかること
- 公的融資を利用したい場合に、事業計画を作成するときのポイント
- 投資家から資金提供をしてもらいたい場合に、事業計画を作成するときのポイント
- 銀行から融資を受けたい場合に、事業計画を作成するときのポイント
はじめに
事業計画を作る目的のひとつに、事業運営のために必要な資金を調達する、というものがあります。
しかし、ただ必要な資金額を算出し、理由を添えるだけだと実現は難しいでしょう。
資金提供をしてくれる相手によって、事業に対して注目するポイントが異なり、資金提供の判断基準がばらばらだからです。言い換えれば、相手に応じて、事業計画の内容そのものを変えていく必要があります。
この記事では、公的融資を利用したい場合、投資家から資金提供をしてもらいたい場合、銀行から融資を受けたい場合に分け、どのように事業計画を作ればいいのか、個別に解説しました。実務を円滑に進めるための術としてください。
また、KnowHowsの「みんなで事業相談」では、専門家に事業の悩みを無料で相談することが可能です。
弁護士や会計士、行政書士、M&Aアドバイザーなど、KnowHowsに登録する専門家があなたの悩みに詳しく回答。
事業計画も含め、お悩みの際はぜひご活用ください。
1.公的融資を利用したい場合
最初に、公的融資を利用したい場合です。特徴を踏まえた上で、事業計画の作成ポイントを解説しましょう。
①公的融資の特徴
公的融資の大きな特徴は、創業する企業、もしくは創業して間もない企業に対して、融資を実施してくれる点です。実績がなく、銀行で資金調達をするのは難しい……そうした企業にとって強い味方となってくれると言えるでしょう。
なお公的融資には、日本政策金融公庫からの融資、商工組合中央金庫からの融資、制度融資の3種類があります。
・日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、政府系金融機関のひとつです。国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3種類の事業を行っていて、各事業を通して小規模事業や中小企業を支援する融資を実施しています。
・商工組合中央金庫からの融資
商工組合中央金庫は、同じく政府系金融機関のひとつとされている団体です。一般的な融資以外に、組織化、組合共同事業支援のための融資や業界団体の制度融資などを行い、中小企業をサポートしています。
・制度融資
制度融資は、地方公共団体が金融機関への融資のあっせんをする制度です。実際に融資が決まると、自治体が金利の一部を負担したり、信用保証料の補助をするときもあります。
実際に融資をしてくれるのは民間企業ですが、公的な機関が関与するため公的融資のひとつとしばしば見られます。
②事業計画を作るときのポイント
公的融資の特徴から、事業計画を作るときのポイントとしてあげられるのは、依頼する機関に「この事業は将来性があるな」と認めてもらえるかどうかです。
言い換えれば、資金提供によって事業が着実に成長し、しっかり返済財源を確保できるかどうか。それが、資金調達を実現するためのターニングポイントとなるでしょう。
将来性を認めてもらうために、次の点が明確にわかるように作成することが大切です。
- 創業の動機は何か
- 収支計画は現実的か
- 自己資金はどの程度用意されているか
- 商品・サービスのセールスポイントはどこか
- どのようなノウハウや技術を持っているか
- すでに決まっている取引先はどこか。また取引条件はどのようになっているか
2.投資家から資金提供をしてもらいたい場合
次に投資家から資金提供をしてもらいたい場合、事業計画をどのように作成するばいいのかポイントをご紹介します。投資家の特徴から見ていきましょう。
①投資家の特徴
投資家が当該の事業に資金提供をする大きな理由は、キャピタルゲインやインカムゲインなどの期待収益を得るためです。
キャピタルゲインは、当該企業の株式を購入し、株価が上昇した際に生じる差額のこと。インカムゲインは、企業が収益をあげたときに、保有している株式数に応じて投資家が得られる配当金を言います。
そのため投資家が資金提供をするとき、場合によっては投資分を回収できないだけでなく、マイナスになるリスクを負っていると見ることもできます。
なお、投資家には個人投資家のほかに、キャピタルゲインで利益を得ているベンチャーキャピタルという企業があります。
②事業計画を作るときのポイント
投資家から資金提供をしてもらうためには、次の3点を意識して事業計画を作成するといいでしょう。
第一は、事業を運営する経営者の資質が伝わるものであるかどうかです。事業の成長は、経営者の手腕に大きく左右されます。そのため、以下を意識して作り込んでみてください。
- 事業を運営する理由は何か
- 事業を展開する市場の動向や、規模は把握できているか
- ビジョンは明確に示されているか
- 目標を実現するための計画が練られているか
第二は、投資家の興味を引くものかどうかです。投資家によっては、ある業界について注目している人もいます。
たとえばその事業が、投資家が注目している業界内のものであれば、その業界に挑戦する理由を重点的に書くといいでしょう。また、競合他社に勝つ手段などを添えると、納得してもらう可能性がより高くなります。
第三は、事業計画書が読みやすいかどうかです。
投資家は、日々さまざまな事業をチェックし、投資の機会を伺っているため、長く説明する時間を設けられないことがしばしばあります。端的に事業の魅力が相手に伝わるように、読みやすい資料作りを意識してみてください。
3.銀行から融資を受けたい場合
最後に、銀行から融資を受けたい場合です。これまでと同様に、銀行の特徴を見ながら、事業計画を作るときのポイントをご紹介しましょう。
①銀行の特徴
銀行には、いくつかの種類があり、それぞれによって特徴が異なります。ここでは都市銀行と地方銀行に分けて解説します。
・都市銀行
都市銀行はいわゆるメガバンクのことで、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行があります。
大手企業や優良企業に対して、素早く融資の判断をしたり、地方銀行やそれ以外の銀行よりも低金利で融資をしてくれるのが特徴です。
一方で、創業間もない企業や中小企業が融資をしてもらうのは、非常に難しいとされています。
・地方銀行
地方銀行には、第一地方銀行と第二地方銀行に大別されることがあります。前者は都市銀行についで大きく、後者はそれよりも展開が小規模なのが特徴。いずれも信用保証協会の保証付き融資をメインとしています。
②事業計画を作るときのポイント
銀行の中でも、特に地方銀行は、2016年版の中小企業白書が示しているとおり、中小企業では地方銀行をメインバンクとしているところが多く、足りない資金を補ってくれる重要な取引相手です(参考・2016年版中小企業白書・中小企業と金融機関との関係性)。
融資を確実なものにするためにも、まず必要な金額と資金使途に、不明瞭な部分がないようにしてください。
たとえば「必要金額は○○円。資金使途は、従業員の給料」としているなら、まず従業員が何人いるのかを確認し、給与明細などの資料を根拠に、一ヶ月あたりの人件費がいくらなのか出す必要があるでしょう。
その上で資金繰り表などと照らし合わせ、何ヶ月分必要になるというのを明らかにしないと、融資を受けるのが難しくなることもあります。
また、返済財源を確保できていることを提示するのも重要なポイントです。
売上の見通しを立てた上で、キャッシュフローが返済金額を上回るように、利益の獲得モデルを設計するのはもちろんのこと、それが現実的でなければいけません。また、返済期間がいつになるのかも具体的に示すようにしてください。
まとめ
- 公的融資を利用したい場合は、事業の将来性を感じてもらうのがポイント。創業の動機や収支計画の現実性などを意識しながら作成をしよう。
- 投資家から資金提供をしてもらいたい場合は、経営者の資質、投資家の興味、事業計画書の読みやすさがポイント。個人投資家やベンチャーキャピタルの意図を先回りして考え、それに合わせて作るのがコツ。
- 銀行から融資を受けたい場合は、必要な金額と資金使途に不明瞭な部分がないようにするのがポイント。またきっちり返済できることを示すために、キャッシュフローが上回るように利益獲得モデルを設計する。
おわりに
事業計画を作成する際には、相手に資金が必要な意図を、わかりやすく伝えることが何よりも大切です。
できる限り専門用語を使わないようにし、シンプルな作成を心がけましょう。
もし、本記事で解説した内容についてお悩みの場合は、冒頭でもご紹介したKnowHowsの「みんなで事業相談」の利用をおすすめします。
こちらでは、資金調達、M&A、株式、人事など、さまざまな専門家から事業の課題に関するアドバイスを受けることが可能です。無料でご利用できますので、少しでも疑問があればぜひ相談してみましょう。
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