時価総額の求め方は?上場企業・非上場企業それぞれの計算法を解説
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この記事でわかること
①上場企業の時価総額の求め方
・株価×発行済株式=時価総額
株主にとっての価値を求めたい場合は…
・当期純利益 × PER(株価収益率)=株式時価総額
②非上場企業の時価総額の求め方
企業のさまざまな要素に着目し、下記のような手法で評価する
- 企業の持つ資産と負債に着目するコスト・アプローチ
- 企業の生むキャッシュフローに着目するインカム・アプローチ
- 類似する上場企業の株価に着目するマーケット・アプローチ
より詳しく知りたい人は…
⇒企業価値評価とは?算定手法8つの特徴、手順、メリットデメリット
はじめに
株価の時価総額の算定方法は上場企業、非上場企業で異なります。
上場企業は、毎日株価が決まっているのに対して、非上場企業では株価が明確に決まっていないため計算方法に違いが出ます。
時価総額の計算方法を把握することで、それぞれの企業について様々な情報を得ることが可能です。
今回の記事では、時価総額の計算方法について掘り下げていきます。
またKnowHowsでは、時価総額に深いかかわりのある株価の計算を、無料で行える「株価算定ツール」もご用意しています。
DCF法・純資産法・競合会社比較法の3つの代表手法を用いて、自社の株価を本格計算。
従来は数十万円のコストが必要だった株価算定を、手軽にご利用でき、税理士監修の株価算定書を出力することも可能です。
株価算定をご検討の際はぜひ、ご活用ください。
1.上場企業の時価総額の計算方法
上場企業の時価総額は「株価×発行済株式」で計算されます。この数値で企業の価値である時価総額を計算することが可能です。
実際に計算を行いつつ、時価総額の解説を行います。
①時価総額を実際に計算
現在の時価総額トップ3は、トヨタ自動車(株)、日本電信電話(株)、(株)NTTドコモです。
それぞれの株価と発行済株式は以下通りです。
銘柄 | 株価(10/25時点) | 発行済み株式数 |
---|---|---|
トヨタ自動車(株) | 7,482 | 3,262,997,492 |
日本電信電話(株) | 5,309 | 1,950,394,470 |
(株)NTTドコモ | 2,846.5 | 3,335,231,094 |
この値を基に計算した時価総額は下記のようになります。
・トヨタ自動車(株)7.482 × 3,262,997,492 =24,413,747(百万円)
・日本電信電話(株)5,309 × 1,950,394,470 =10,354,644 (百万円)
・(株)NTTドコモ 2,846.5 × 3,335,231,094 =9,493,735(百万円)
時価総額を把握することで、企業の規模や大きさが分かります。この3社よりも株価が高い企業はあるものの時価総額は上記の3社以下です。
このことから株価だけを見ても企業の比較を行えないことが分かります。
時価総額が大きいほど株主や市場からの信頼を得ることができ、事業拡大に向けた経営戦略を行うことが可能です。
②時価総額の計算方法の問題点
上場企業の株式は、一株当たりの株価が取引価格として決定されているので、「株価×発行済株式=時価総額」と考える方が多いです。
しかし、実際には一株当たりの株価を見ても、その企業の株価の値段が適正なのかどうかは分かりません。
また、発行済み株式は企業によって異なるため、会社全体の価値には本質的な関係はありません。
このような点を考慮すると、下記の計算式が株式時価総額としては適切と考えられます。
株式時価総額=株主価値=当期純利益 × PER(株価収益率)
③時価総額の高い株は売買しやすい
時価総額の高い株式は現在の企業価値が高く、投資家が将来性を期待している企業です。発行済株式数が多いため、値動きが鈍くなるものの損をするリスクが低くなっています。
そのため、投資を行う投資家が増えやすく、株式の流動性が高まりやすいです。
また、株式の取引量が多いため投資家からの資金が入りやすく、資金調達を効率的に行えます。
このような理由から企業の信頼性が高く、時価総額の高い株は売買しやすいです。
2.未上場企業の計算手法
未上場企業の時価総額の計算に用いられるのは、以下の3手法です。
- コスト・アプローチ
- インカム・アプロ―チ
- マーケット・アプローチ
これらの手法と特徴について解説していきます。
①コスト・アプローチ
コストアプローチは、貸借対照表の資産と負債を指標にして株価を評価する手法です。
客観性、公平性が高く、また評価が比較的容易な点がポイントとなります。
②インカム・アプローチ
インカム・アプローチは、企業がこれまで生み出したキャッシュフローに着目して、株価を評価する手法です。
売上やコストなど、事業の損益に比重が置かれているため、資産が少ないが利益が大きい企業などはコスト・アプローチよりも高く評価されることになります。
また、インカム・アプローチの代表的な手法であるDCF法では、事業計画から未来のキャッシュフローを予測して価値評価に組み込むため、成長性の高いベンチャーやスタートアップ企業の評価に比較的よく用いられています。
③マーケット・アプローチ
マーケット・アプローチとは、評価したい企業と、業態・ビジネスモデルなどが類似する上場企業を探し、その株価などから評価を行う手法です。
市場の評価を基準にするため客観性は高い一方で、類似企業の選定には慎重になる必要があります。
各アプローチのより詳細な手法については、下記の記事もご参考ください。
⇒企業価値評価とは?算定手法8つの特徴、手順、メリットデメリット
おわりに
時価総額の計算方法に関して、上場企業・未上場で異なることを把握するのが大切です。未上場企業では、上場企業の様に株価を明確に決めることができません。
そのため、見積もりを取ったうえで、話し合いを行い時価総額を決定することになります。
時価総額の計算方法をいくつかありますが、それぞれの計算方法を理解しておきましょう。
また、KnowHowsでは、インカム・アプローチの代表的な手法であるDCF法のほか、複数の計算方式で株価を算定できる「株価算定ツール」をご用意しました。
税理士監修のもと、必要な項目を入力するだけで本格的な株価算定が可能です。
計算は無料でご利用できますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。
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