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クラウドファンディング3つの類型とその特徴

この記事でわかること

  • 購入型クラウドファンディングの特徴や注意点
  • 寄付型クラウドファンディングの特徴や注意点
  • 金融型(貸付型・投資型・株式型)クラウドファンディングの特徴や注意点
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はじめに

クラウドファンディングには、購入型・寄付型・金融型(貸付型・投資型・株式型)があります。

この記事では、それぞれの特徴や注意点をまとめました。

またどのような法律が関わっているのか解説しているので、利用前に把握していただければ幸いです。

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1.購入型

では、購入型クラウドファンディングから解説しましょう。

①特徴

商品やサービスなどを提供する代わりに、支援者から資金を集める方法です。下記が主な特徴となります。

購入型クラウドファンディングの特徴
資金調達規模は数万円から数百万円程度
1人あたりの投資額は、一口1,000円程度から
売買契約に基づいて行われる
リターンに金銭は含まれない
リターンが多岐に渡る(※)
市場のニーズを把握でき、余分な在庫を抱えるリスクを減らせる

(※)リターンの一例

  • 支援金で開発された最新家電
  • 支援金で刊行された本やリリースされたCD
  • 支援金で制作された映画の鑑賞券やクレジット掲載
  • 支援者限定のイベントチケット
  • 新サービスの優先利用権

②利用する際の注意点

購入型クラウドファンディングの留意点
リターンにコストがかかる
リターンの説明をきちんとしておかないと、トラブルに発展しやすい
リターンの発送を予定している時期が遅いと、支援者が離れる可能性がある
出資額に対してリターンの価値が低すぎると、寄付とみなされる可能性がある

③関わる法律や責任

購入型クラウドファンディングを実施する際に関わる法律や責任は、主に以下の2つがあります。

・特定商取引法

EC(電子商取引)サイトを通して商品を販売しているとみなされるため、特定商取引法が定める通信販売に該当します。従ってプロジェクトを立ち上げる前に、自社のWebサイトに「特定商取引法に基づく表記」と題したページを作り、以下のような情報を掲載しておく必要があります。

必ず記載すべき内容
商品の販売価格、送料
代金の支払時期、方法
商品の引渡時期
返金、返品に関する事項
事業者の氏名、住所、電話番号
場合によって記載すべき内容
申込みの有効期限
販売価格、送料など以外に支援者が負担する金銭の内容や額
商品の販売数量の制限など、特別な販売条件
ソフトウェアの動作環境

(参考:特定商取引法ガイド・通信販売

・瑕疵担保責任

売買契約で売り手が負う責任です。「リターンとして支援者に届けた家電が、故障していて使えなかった」といったとき、支援者は場合によって支援金の返還損害賠償責任を求めることができ、企業はこれに応じなければならない可能性があります。

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2.寄付型

次に、寄付型クラウドファンディングの構造について解説します。

①特徴

リターンを設定せずに資金を集める方法です。主に、以下のような特徴があります。

寄付型クラウドファンディングの特徴
資金調達規模は数万円程度
1人あたりの投資額は、一口1円から
地方創生や地域活性化などに用いられる場合が多い
活動報告やお礼の手紙など、無償の成果物が提供される場合がある
支援者が寄付金控除を受けられる場合がある

②利用する際の注意点

寄付型クラウドファンディングの留意点
十分な説明がないと、詐欺と見られる可能性がある
お礼によっては、売買契約とみなされることがある

③関わる法律や責任

企業が寄付型クラウドファンディングを使って集めた資金には、法人税がかかる場合があります。

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3.金融型

最後に、金融型クラウドファンディングについてご紹介しましょう。金融型には、貸付型・投資型・株式型の3種類があります。

①貸付型

プロジェクトを見た支援者が出資し、クラウドファンディングサイトがその資金を企業に貸付するパターンです。支援者にとって利息がリターンとなります。・特徴

貸付型クラウドファンディングの特徴
資金調達規模は数十万円から数百万円程度
1人あたりの投資額は、一口1万円程度
金融機関から融資を受けるのが難しい場合に利用されることが多い
支援者と交流することがない
支援者は元本割れのリスクを負う

・利用する際の注意点

貸付型クラウドファンディングの留意点
金融機関や貸金業者よりも金利が高い
クラウドファンディングサイトに事業内容や財務状況、今後の収益予想などが調査される

・関わる法律や責任

貸付型クラウドファンディングでは、クラウドファンディングサイトが貸金業、および第二種金融商品取引業の登録を行う必要があります。下記検索サービスを利用して登録が確認できない場合は、詐欺業者の可能性もあるため、利用しないほうが無難です。

必要な登録検索サービス
貸金業金融庁・登録貸金業者情報検索サービス
第二種金融商品取引業金融庁・金融商品取引業者登録一覧

②投資型

事業の収益に応じて支払われる分配金をリターンに、資金を調達する方法です。

・特徴

投資型クラウドファンディングの特徴
資金調達規模は数百万から数千万円程度
1人あたりの投資額は、一口1万円程度から
新規事業の立ち上げや、通常の運転資金などに用いられる場合が多い
分配金の代わりに商品やサービスを提供することもある
支援者は分配金が支払われないリスクを負う

・利用する際の注意点

投資型クラウドファンディングの留意点
クラウドファンディングサイトに、支援者や他の人たちが共感を得やすい事業か調査される
一定期間で売上を上げないと、支援者からの信頼を失う可能性がある

・関わる法律や責任

投資型クラウドファンディングは、クラウドファンディングサイトの第二種金融商品取引業登録が必須です。貸付型クラウドファンディング同様、利用の前に金融庁・金融商品取引業者登録一覧で調べるようにしましょう。

③株式型

株式をリターンにして、資金を調達する方法です。

・特徴

株式型クラウドファンディングの特徴
未上場企業が対象
株式をクラウドファンディングサイトが保有し、支援者がそれに対するファンド持分を保有する形態もある
支援者は投資した金額がゼロになるリスクを負う
支援者がエンジェル税制の対象となることがある

・利用する際の注意点

株式型クラウドファンディングの留意点
株主が増えることで、リストの管理などの事務負担が増えることがある
クラウドファンディングサイトから、資金使途などについて審査される
株式上場(IPO)やM&A(買収)によってリターンを提供しないと、支援者からの信頼を失う可能性がある

・関わる法律や責任

株式クラウドファンディングでは、会社法に基づき、株式発行の手続きが必要です。まずは株主総会で募集事項を決定します。ただクラウドファンディングサイトが、金融商品取引法が定める第一種少額電子募集取扱業務の登録をしなければならない関係で、企業および支援者にも次の制限があるので留意してください。

対象制限
企業資金調達できる額は1年間に1億円未満
支援者支援(投資)できる額は同一の会社につき1年間に50万円以下

(参考:日本証券業協会・第一種少額電子募集取扱業務

これらの内容を含め、発行会社と支援者双方が納得できる内容を盛り込んだ投資契約書(or 総数引受契約書)を作成しましょう。

また、クラウドファンディングを通して支援者に株式を発行したら、会社法に従って法務局に次の書類を提出する必要があります。

株式型クラウドファンディングの必要書類
株式会社変更登記申請書
株主総会議事録
株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)
取締役決定書
募集株式の引受けの申込みを証する書面(株式申込証)
払込みがあったことを証する書面
資本金の額の計上に関する証明書
委任状

(引用:法務局・株式会社変更登記申請書

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まとめ

  • 購入型クラウドファンディングは、商品やサービスを元に資金を調達する方法。リターンは、支援金で開発された最新家電や限定のイベントチケットなど多岐にわたる。
  • 寄付型クラウドファンディングは、リターンを設定しない資金調達方法。社会貢献に関わる場合に利用されることが多い。集めた資金には法人税がかかる場合あるので注意しよう。
  • 貸付型、投資型、株式型は、支援者にも高いリスクが伴う。資金調達だけではなく、きちんとリターンが返せるように努めることが重要。
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おわりに

クラウドファンディングによる資金調達方法は、どの方法にも注意したいポイントがあります。

この記事だけでなく、各公式サイトの注意事項にも目を通しながら、慎重に進めていきましょう。

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