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この記事でわかること
- 各金融機関の借入上限額と金利の目安
- 自社の借入上限額を計算する3つの方法
- 万が一返済が厳しくなったときの対策について
はじめに
金融機関と単に言っても、都市銀行や地方銀行、新たな形態の銀行など種類が多岐に渡ります。どの銀行に依頼するべきか悩むのも無理はありません。
この記事では、各金融機関の借入上限額と金利の目安をご紹介しています。ケースによって異なることがほとんどですが、判断基準のひとつにできるでしょう。
合わせて自社の借入上限額の計算方法、返済が難しくなった場合の対処法も解説しているので、参考としてください。
また、KnowHowsでは、専門家に事業の悩みを無料で相談できる「みんなで事業相談」や、資金調達時に役立つ「資本政策シミュレータ」をご用意しています。
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1.借入上限額・金利目安一覧
では、各金融機関の借入上限額と金利目安を見ていきましょう。
①借入上限額
・都市銀行
都市銀行の融資上限額は、企業の資金力や信用性、融資の種類によって大きく異なります。
以下のページから最寄りの法人窓口を検索し、直接相談してください。
都市銀行 | 店舗検索ページ |
---|---|
みずほ銀行 | 店舗検索 |
三菱UFJ銀行 | 店舗検索 |
三井住友銀行 | 店舗検索 |
りそな銀行 | 店舗検索 |
・信託銀行
ケースによって変わります。
もともと法人融資が相談できる銀行自体が限られているため、相談する際は別の銀行を検討するようにしましょう。
・地方銀行
地方銀行は各銀行によってさまざまです。下記にいくつかの融資上限額を紹介しますが、実際に利用する銀行に直接相談して確認するようにしてください。
銀行名 | 融資名 | 融資上限額 | 融資期間 |
---|---|---|---|
青森銀行 | 地方創生ファンド | 1億円 | 運転資金10年以内 設備資金15年以内 |
千葉銀行 | ビジネスローン | 3,000万円 | 要相談 |
静岡銀行 | しずぎんビジネスクイックローン | 500万円 | 要相談 |
ISO・HACCP取得ローン | 5,000万円 | 運転資金5年以内 設備資金7年以内(うち据置期間1年以内) | |
京都銀行 | 固定長期融資ファンド | 2億円 | 運転資金7年以内 設備資金10年以内 |
生保付長期事業ローン | 1億円 | 運転資金10年以内 設備資金20年以内 | |
中国銀行 | ちゅうぎん新規創業融資制度 結芽(ゆめ) | 2,000万円 | 10年以内(うち据置期間2年以内) |
ちゅうぎん新規創業融資制度 結希(ゆうき) | 2,000万円 | 10年以内(うち据置期間1年以内) | |
ちゅうぎんビジネスローン(岡山県産業振興財団提携口) | 5,000万円 | 運転資金7年以内 設備資金10年以内 | |
ちゅうぎんビジネスローン(TKC口) | 3,000万円 | 運転資金7年以内 設備資金10年以内 | |
四国銀行 | 税理士パートナーローン | 3,000万円 | 運転資金5年以内 設備資金10年以内 |
福岡銀行 | ふくぎんビジネスローンファストパス | 1,000万円 | 12ヶ月以内 |
・新たな形態の銀行
新たな形態の銀行とは、インターネットバンキングや、コンビニ・スーパーといった業態の企業(事業会社)が運営している銀行を言います。以下に法人向けの融資を行っている銀行と融資の種類、上限額などをまとめました。
銀行名 | 融資名 | 融資上限額 | 返済期間 |
---|---|---|---|
SBI銀行 | dayta | 3,000万円 | 1年1ヶ月 |
ジャパンネット銀行 | 法人向けのビジネスローン | 500万円 | 要相談 |
freee会員専用のビジネスローン | 3,000万円 | 要相談 | |
ヤフー出店者専用のビジネスローン | 3,000万円 | 要相談 | |
USS会員専用のビジネスローン | 3,000万円 | 要相談 | |
楽天銀行 | 楽天銀行ビジネスローン | 1億円 | 5年 |
東京スター銀行 | スター不動産担保ビジネスローン | 2億円 | 30年 |
スタービジネスカードローン | 500万円 | 要相談 | |
売掛債権担保ローン(分散型) | 2億円 | 1年 | |
売掛債権担保ローン(特定型) | 2億5,000万円 | 1年 | |
イオン銀行 | 法人向け融資 | ケースによる | 要相談 |
オリックス銀行 | 法人向け融資 | ケースによる | 要相談 |
②金利の目安
・各金融機関の金利目安
金利の目安は次の通りです。
金融機関 | 金利の目安 |
---|---|
都市銀行 | 短期:0.4~0.6% 長期:0.5~0.7% |
信託銀行 | ケースによる |
地方銀行 | 短期:0.6~0.9% 長期:0.6~0.9% |
新たな形態の銀行 | ケースによる |
(参考:日本銀行・貸出約定平均金利の推移(2019年8月))
・金利の決定方法
金融機関の金利は、相場はある程度あるものの、ケースによって大きく変わることがほとんどです。
ただ、いくつか決定方法があります。代表的なのが大手企業や優良企業に適用されるプライムレート(最優遇貸出金利)に上乗せする、というものです。
プライムレートは以下の2種類あります。
プライムレートの種類 |
---|
短期プライムレート 1年以内の返済期間の融資に適用される金利です。各銀行が、標準的な貸出金利や預金金利などをベースに、調達にかかるコストなどを加味して独断で決定します。 |
長期プライムレート 1年を超える返済期間の融資に適用される金利です。短期プライムレートに、貸出期間に応じた利率が加算される形で決まります。 |
プライムレートにどの程度上乗せされるかは銀行次第ですが、中小企業や設立して間もない会社は高くなるのが一般的です。
2.借入上限額の計算
金融機関からの資金調達では、融資上限額や金利の把握も大切ですが、それ以上に借り過ぎないことが重要です。
この章で、最適な融資額の計算方法についてご紹介します。
①債務償還年数から計算する
債務償還年数は、現在の利益で借入金を全額返済するとしたら、どのくらいかかるか計算したものです。融資を受けるためには、10年以内が目安とされています。
借入上限額を求める場合は、次のように計算を進めてください。
②借入金対月商比から計算する
借入金対月商比は、借入金額と月商の比率です。約3ヶ月以内が健全とされていますが、粗利益が低い業種は、それより低い倍率のほうがいい場合もあります。
借入金対月商比を使った計算は、次の通りです。
③支払利息負担度から計算する
支払利息負担度(インタレスト・カバレッジ・レシオ)は、営業利益と支払利息の比率を示したものです。一般的には10以上だと安全、1以下だとこれ以上の借入は危険とされます。
借入上限額は次の計算で求めることが可能です。
3.返済が厳しくなった場合
借入上限額の計算をしても、不測の事態で返済が途端に苦しくなる可能性はなくはありません。
最後の章では、どのような救済策があるのか解説します。
①返済期限を変更する
返済期限を遅らせて、その間に資金繰りの改善を図る方法です。据置期間の設定や、一括で支払う予定のものを分割に変更する、といったパターンも含まれます。銀行との交渉に時間がかかる、リスケ中は融資が受けられないなどがデメリット。ですが、多くの中小企業が採用している手段です。
②金利減免を依頼する
金利を契約時より下げてもらうか、免除してもらう方法です。一時的に返済が難しくなっても、銀行に再建の見込みがあると判断されれば対応してもらえます。
③債務免除してもらう
融資の返済を免除してもらう方法です。銀行側が債務をなくして再建させたほうが結果的に損をしない、と判断した場合に行われます。
④DES(Debt Equity Swap)してもらう
銀行が持っている債権を、自社の株式に切り替えてもらう方法です。これによって負債が資本に変わるため、財務状況の改善に繋がります。ただモラルハザードを防ぐため、企業体質や再建可能性が厳しく見られます。
まとめ
- 各金融機関の借入上限額や金利は、融資の種類や企業の信用力で大きく異なる。特に都市銀行はその傾向が強いため、窓口でしっかり確認しよう。
- 各金融機関の提示条件を知るのと同じように、自社がどの程度借りられるのかを把握することも大事。債務償還年数、借入金対月商比、支払利息負担度、いずれかの方法で計算を。
- 支払いが厳しくなったら返済期限の変更や金利減免などを提案。ただし安易な依頼は心象を悪くするので注意する。
おわりに
金利の決定方法からもわかるように、低金利な都市銀行は大手企業や優良企業向けとなっています。
初めて融資を相談する際は、地方銀行からアプローチするのが無難でしょう。こちらの記事でご紹介した、公的機関を利用するのもおすすめです。
また、KnowHowsでは、最初にお伝えしたように、「みんなで事業相談」や「資本政策シミュレータ」といったサービスをご用意しています。スムーズな資金調達を実現する術としてください。いずれも無料で利用できます。
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