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良い議事録の書き方4ステップ!準備やメモの取り方、まとめ方を解説

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この記事でわかること

  • よい議事録とはどのようなものか。どのような情報を盛り込むのがよいか
  • 議事録作成を頼まれたら、どのような準備をするべきか
  • 依頼を受けてから議事録の完成まで、どのような手順で作業すべきか。各手順でどのようなことに留意すべきか
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はじめに

議事録づくりは、会議の前から始まっています。

議題は何なのか、参加者は誰なのか、同じ議題でこれまでどんな話し合いが行われてきたか……可能な限り情報を集めておくことで、会議への理解が深まり、以降の作業をより楽に、より正確に進めることができるようになります。

本記事では、良い議事録の書き方を4つのステップでご紹介します。

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1.議事録を書くときのポイント

議事録とは会議の内容、発言をただ羅列したものではありません。

その会議が何のために行われ、何が話し合われ、何が決まったのかを記録し、会議に参加したかどうかに関わらず、同じ情報と同じ認識を共有して、議決事項に従った行動をとる、いわば行動指針です。

そのため、議事録では相手に必要な情報が、わかりやすく伝わることが大切です。書くときは、次のようなポイントをおさえるといいでしょう。

①「5W1H」を明確にする

わかりやすい議事録は、「誰・いつ・何・どこ・なぜ・どのように」の5W1Hを明確に示し、会議における意思決定の流れが明確に示されているものを言います。

まず書き手自身が、議題ごとの5W1Hを把握し、記録に盛り込んでいくことが重要です。

そのためには、会議の前から可能な限りの準備をし、会議で話されることになる内容に頭を慣らして臨みましょう。

②端的に書く

議事録に限ったことではありませんが、長すぎる文章は読み手を疲れさせ、書き手の意図を伝わりづらくしてしまいます。

一文は長くても40文字程度で区切り、一つの文には一つの意味だけを込めるようにします(一文一義)。

また、一つの話題については、最大200字程度で要点をまとめる癖をつけましょう。

情報が多く200字で収まりきらない場合には箇条書きを利用したり、小見出しをつけて話題を分けたりすれば読み手の負担を軽減できます。

③見やすい体裁にする

多忙な上司や会議の内容を初めて知る欠席者に一目で理解してもらうためには、体裁も重要です。会社指定のテンプレートがある場合は従うようにしましょう。

テンプレートがない場合は、Wordなどの文書作成ソフトにあらかじめ用意されているテンプレートを使用したり、Web上で公開されているテンプレートを活用するのもよい方法です。

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2.議事録の書き方Step0・事前準備をする

では、実際に良い議事録を書くために必要な手順をご紹介します。

①会議の目的、想定されるシナリオを把握する

議事録の作成を依頼されたら、まず初めに会議の目的や、予定される議決事項を確認しましょう。事前配布の資料があれば目を通し、わからない用語や略語は調べておきます。

同じメンバー、同じテーマで過去に行われた会議の議事録なども公開されていれば見ておくとよいでしょう。

株主総会などの大規模な会議であれば、過去に行われた際の議事録や配布資料が共有・公開されている場合も多いはずです。

どんな流れで会議が進むか、どんな質問や意見が想定されるのか、心の準備をしておければ議事への理解が深まり、この後のメモづくりやまとめが楽になります。

②求められる議事録のタイプを把握する

議事録には、大きく分けてふたつのタイプがあります。

ほとんどすべての発言を時系列順に記録したタイプ(発言録タイプと呼ぶことにします)と、議題と決定事項のみを簡潔にまとめたタイプ(要点タイプと呼ぶことにします)です。

発言録タイプの記事録は、読み返すことで会議の流れを順に追えるように作られており、議事録作成者による要点のまとめ直しはほとんど行われません。

要点タイプの議事録では、事前に設定された議事に対して、議決の是非や主要な質疑、今後取るべきアクションなどが簡潔に記載されます。

求められる議事録がどちらのタイプかによって、メモを取る際、まとめを作成する際に注力すべきポイントが変わってきます

できるだけ事前に把握して、会議に臨むようにしましょう。

③事前準備ができないときは

事前資料が手に入らない、求められる議事録のタイプもわからない場合には、情報の一部でも手に入らないか、依頼者に質問してみましょう。

全くわからない場合には、ひとまず、より多くのメモが必要な発言録タイプを作成するつもりで進めます。

Step2以降に進む時点でどちらのタイプにするか、改めて依頼者に確認してみてください。

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3.議事録の書き方Step1・会議メモを取る

メモは、これから議事録を書くにあたって下敷きとなる材料です。

メモできなかった内容をあとから思い出すのは難しいため、事前の準備で疑問点などはできるだけ解決し、会議の間はメモに集中できるようにしておきましょう。

議事録のタイプに分けて、それぞれのメモの取り方をご紹介します。

①発言録タイプのメモの取り方

発言録タイプの議事録を作成する場合は、全ての発言を聞こえたまま、文字に起こしておくことが最も重要です。演劇の台本を書くように「誰が」「どのような発言をしたのか」を全て漏らさず記録しましょう。

例1
田中「で、その右の表の数字だけど2月1か月で100というのは少ないんじゃないの。どうにかならないか、山田君調達の方に確認してみてよ。今日もう木曜だけど今週中にお願い。あ、それと今の数字の下の…」

話し言葉では主語や目的語が抜けていることも少なくなく「で、それどうなの」「A商事とのあれどうなった」など、それだけ聞いても何の話か分からないこともあります。

間に合うようであれば、その場で「それ(○○部の新製品の開発進捗)どうなの」「A商事とのあれ(××に関する調整)どうなった」のように補う癖をつけておきましょう。

間に合わない場合は、以降のStepで書き足しても構いません。

②要点タイプのメモの取り方

要点タイプの議事録では、一字一句を残すことにこだわる必要はありません。個々の発言を聴きながら重要な箇所を見極めて残していきましょう。

上記の例であれば、例えば以下のようにまとめられます。

例2
田中、工程表(スライドP4)2月の調達数増やせないか。山田→調達部へ確認指示 今週中
例3
田中→山田→調達部へ 2月調達数UP可否確認 今週中

ただ、要約して構わないと言っても、あまりに情報を減らし過ぎれば、あとで自分で見たときにわからなくなります。例えば以下のような書き方は避けたほうがいいでしょう。

例4
田中 右表 100は少ない どうにかならないか。

特に残すべき重要な情報は、「誰が/誰に(Who)」「いつ/いつまでに(When)」「何を(What)」「どこで(Where)」、そして理由や方法(WhyとHow)の5W1Hです

③こんなときはどうすればいい?メモを取るときにありがちな悩みと対策

・数字を取るとき

日時や金額など数字が含まれる場合は、算用数字ではなく仮名で、桁ごとにスペースを空けながら書いておくとミスが減ります。

例5
187,300円
→じゅうはちまん ななせん さんびゃくえん

・話題が脱線したり雑談が始まったりしたとき

話題が脱線したり、一見雑談と思われる話が始まったりした場合でもメモの手を止めないようにしましょう。

雑談が結果的にブレインストーミングの役割を果たし、想定にないアイディアが生まれることも少なくありません。

また、今回の資料には含まれていなくても、以前の会議で積み残しになっていた重要な確認事項などが話されている可能性もあります。

・メモが追いつかないとき

メモが追いつかないときは、記号や略語などを使って、書く文字数を減らす工夫をしてみましょう。賛成なら「○」、田中さんなら「TN」、営業第一部なら「え①」といった具合です。

先ほどの田中さんの例なら、下のように減らすことができます。

例6
TN→YM→ちょ Feb数↑? W中
TN、YM:人名、ちょ:調達部、Feb:2月、↑?:増やせるか?、W中:今週中

メモは自分が分かりさえすればよいものなので、略し方は自由です。自分なりの方法を見つけてみてください。

また、近年ではPCでのメモ取りが認められることも増えています。タイピングの方が速いのであればPCを使用してよいか上司に許可を求めてみてもよいでしょう。

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4.議事録の書き方Step2・会議メモを整理する

会議が終わったら、取ったメモを整理します。

議事録を作る目的を思い返しながら、次の手順で進めましょう。

①発言録タイプのメモの整理方法

発言録タイプの議事録の場合、話が脱線した場合や、同じ話が何度か出てきた場合でも発言された順番のまま残し、大幅な整理は行いません。

一方、メモとして書いたままでは文章になっていなかったり、「あれ」「これ」などの指示語がそのままだったり、前述のように主語や目的語が抜けていたりと、そのままでは読みづらいところは加筆修正が必要です。

加筆修正は、Step1で述べた5W1Hが抜けていないかを確認して補います。「じゃないの」「やってよ」というような話し言葉は「ではないか」「してほしい」など、よりビジネスに相応しい言い方に改めましょう。

例7
田中「で、その右の表の数字だけど2月1か月で100というのは少ないんじゃないの。どうにかならないか、山田君調達の方に確認してみてよ。今日もう木曜だけど今週中にお願い。あ、それと今の数字の下の…」
→修正 田中「スライドP4の右側の表だが、2月の1か月で調達数100というのは少ないのではないか。どうにかならないか、山田君から調達の方に確認して欲しい。今週中にお願いしたい。同じ表の1行下の…」

会議が長い場合には、会話の中から議決内容に関係の深い部分を探し出すのは大変です。

重要部分にアンダーラインを引いておくなど、読み手の情報収集を助ける工夫をしておくと親切です。

②要点タイプのメモの整理方法

要点タイプでは、誰が何の目的で議事録を読むことになるのか、読み手の目線を意識して残す内容や記載する順番を考える必要があります。

必ずしも時系列に沿う必要はありませんが、事前に議題に番号が振られていればそれに従うのが無難でしょう。

番号がない場合や、特定の読み手がいる場合には、相手の興味に合わせる、今後行われるべき対応の近い順に並べ直すなど、臨機応変に調整します。

予定されていた議題に合わせて、それぞれ「何が決まったのか」「どのような質問と回答があったか」を箇条書きなどで抜き出します。

話題が前後した場合や、脱線によって途切れた場合には、該当する議題に関する発言がいつ行われたのか、メモ全体を見渡して探さなければなりません。

全て抜き出せたら、発言録タイプの場合と同様に5W1Hを補い、数字の確認を行います。

議題にない新たなテーマについて議論が行われた場合には、テーマに仮のタイトルをつけ、予定されていた議題と同様、議決事項や質疑応答を抜き出しておきましょう。

整理が終わると、以下のようになります。

議事録 書き方

要点をまとめる際は、簡潔にすることを意識するあまり情報を削りすぎないよう注意が必要です。

「何が話し合われたのか」「何が決まったのか」「これから何をするべきなのか」の情報が失われてしまっては意味がありません。

繰り返しになりますが、5W1Hと具体的な数字は削らず、必要であれば録音なども使って確認し、正確に残すようにしましょう。

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5.議事録の書き方Step3・整理した会議メモを元に議事録を完成させる

議事のメモができあがったら、いよいよ議事録をまとめていきます。

①議事以外の情報を揃える

議事録には議事のほか、標題、議題、開催日時、場所、出席者と欠席者、次回の開催予定などの情報を盛り込むことが一般的です。

また、発言録タイプの場合には、要点タイプより一層簡潔な議決事項の要点が添えられているケースもあります。

会議の最後に役員などから総括が述べられた場合、所見として主な議事とは別に記載しておくときもあります。

会社指定の記載事項、テンプレートがある場合はそれに従って各事項を記載していきます。

テンプレートがない場合は、下記を参考にして自分なりのテンプレートを作成してみましょう。一度作成しておけば同種の会議で使い続けることも可能なため、作業時間が節約できます。

議事録 書き方

(※)出席者は社内の序列に従い、所属・役職名を添えて記載します。役職がない場合敬称略でかまいません。

(※)議事はStep2でまとめた内容を記載します。

(※)所見は、提出先によって不要のケースがあります。提出前に、上司や管理者に確認をとりましょう。

②公開テンプレートの活用

盛り込む内容が多く、テンプレートを一から作成するのが大変な場合には、公開されているテンプレートを使うのも良い方法です。

KnowHowsでは、株主総会や取締役会議など、会議の内容に合わせた議事録テンプレートを公開しています。

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まとめ

  • 議事録は今後の業務の指針。何が話し合われ、何が決まったか、今後どう動いていくのかを必ず盛り込もう
  • 議事録は準備が8割。会議が始まる前に可能な限りの準備をしよう
  • 議事録は読み手の為に書く。求められる形式に合わせ、必要な情報を過不足なく記載しよう
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おわりに

議事録では、事前の準備とメモ作りが重要です。

次に議事録を依頼されたら、会議の目的、求められる議事録のタイプを意識して、自分が後でまとめやすいメモづくりを心掛けてみてください。

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