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この記事でわかること
- 金融機関から借入するときのパターン7つ
- 社債を発行して資金調達する2つの方法
- 各方法の特徴と、メリット&デメリット
はじめに
金融機関からの資金調達は、大きく分けて2つあります。
ひとつは融資、もうひとつは、債券を発行して銀行に引き受けてもらう社債の発行です。
本記事ではそれぞれのメリット&デメリットについてご紹介します。
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1.借入
銀行などの金融機関から融資を受ける方法には、さまざまな種類があります。本章では代表的なものとして、以下の7つを紹介していきます。
①証書貸付による借入
②手形貸付による借入
③手形割引
④当座借越
⑤シンジケートローン
⑥ビジネスローン
⑦LBO
①証書貸付による借入
金銭消費貸借証書を提出し、融資を受ける方法です。長期の運転資金調達や、設備資金の調達に使われます。借入条件を細かく設定できる特徴がありますが、ある程度項目が盛り込まれた雛形を使うのが一般的です。
②手形貸付による借入
金額や返済期限を記載した約束手形を発行し、調達する方法です。主に直近の運転資金や賞与資金など、短期資金の調達に向いています。
③手形割引
取引先などから渡された受取手形(後日代金を支払うことを約束する手形)を銀行に買い取ってもらい、支払期日前に資金を得る方法です。期日より前であればあるほど、手数料が多く引かれてから現金が渡されます。
手形割引を依頼すると、受取手形の振出人(発行元)の支払い能力が審査されます。支払期限になると銀行が振出人に返済を求めるためです。また振出人が返済できない場合、手形割引を依頼した企業に手形の買い戻しさせるので、その企業の信用力も調査されます。
④当座借越
あらかじめ決めた極度額(融資の限度額)の範囲であれば、いつ借りても、いつ返してもいいとする方法です。
当座借越には以下、2種類があります。
・専用当座借越
当座借越の基本的な特徴を備えた仕組みです。資金が足りないときに、極度額の範囲で借りることができます。手形貸付による借入に似ていることから、それに準じて活用している企業もいます。
・一般当座借越
当座預金の残高が不足したときに、極度額の範囲内で補填してくれる仕組みです。手形の不渡りを防げる特徴があります。
当座借越全体のメリット、デメリットは以下の通りです。
⑤シンジケートローン
複数の金融機関によって組成された、シンジケート団から融資してもらう方法です。
シンジケート団の組成を依頼することをマンデート、依頼を受けて融資実行までを担当する金融機関をアレンジャーと言います。融資が始まるとエージェントと呼ばれる銀行が参加銀行の代理人を務めますが、アレンジャーが兼任することも少なくありません。
⑥ビジネスローン
中小企業、個人企業向けに開発された方法です。決算情報を入力するだけで融資が可能か判別できる、スコアリングシステムを採用しているのが特徴。そのため、比較的簡単に資金調達できます。ただ金利が高いなどデメリットが多いため、資金繰りのメインには使わないほうが無難です。
⑦LBO(Leveraged Buyout)
M&A(買収)のひとつで、買収予定の企業が持つ将来の収益力を担保にして、融資を受ける方法です。資金を得たら企業を買収、事業拡大によって得た利益を返済に当てます。地方銀行の場合、日本政策投資銀行と手を組みながら、LBOローンを出す事例が多くあります。
2.社債の発行
金融機関から資金調達する方法の2つ目が、社債(企業の債権)の発行です。
ここでは中小企業の利用を焦点におき、私募債とCP(コマーシャル・ペーパー)についてご紹介します。
①私募債
私募債は、少数の投資家に対して発行される社債です。
社債発行を周知し、買い手を広く募る公募債と比べて、発行企業の資格要件がそれほど厳しく規制されておらず、発行の手続きが簡単なのが特徴です。
私募債には、銀行引受私募債と少人数私募債の2種類があります。
・銀行引受私募債
銀行を対象に発行される私募債です。銀行が内容や企業の信用力に納得し、買い取ってくれれば、資金を得ることができます。
銀行引受私募債では、元本や利子の返済ができなくなる可能性を考慮して、保証を付けるのが一般的です。そのため、銀行や信用保証協会が定める保証要件を、発行の際にチェックする必要があります。
・少人数私募債
50人未満の特定の投資家に向けて発行される私募債です。主として親族・従業員・取引先といった縁故者が引き受けるケースが大半です。金融機関からの資金調達ではないのですが、あわせて簡単に紹介します。
勧誘先人数を50人未満にする、譲渡制限を付ける、発行総額を最低券面額の50倍未満にすれば発行でき、資金を募ることができます。
②CP(コマーシャル・ペーパー)
短期社債と呼ばれる社債の一種です。
もともとは優良企業が、担保なしで、すぐに資金を調達したいときに発行するものと位置づけられていました。しかしSPC(特別目的会社)を設立して、担保ありのCP(ABCP)を発行するケースもあるので、検討してみてもいいでしょう。
まとめ
- 金融機関からの資金調達方法には借入と社債がある。
- 借入は証書貸付による借入や手形割引など。それぞれ向き不向きがあるので注意しよう。
- 社債の場合は、銀行が納得できる私募債を発行できるかが鍵。必要な要件に目を通して、漏れのないように手続きを進める。
おわりに
金融機関からの資金調達は、ひとつにこだわる必要はありません。
長所短所を捉え、その場に応じて適切な方法が選べるようにしておきましょう。
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