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この記事でわかること
- ノンバンクと銀行の業務内容、借入限度額や金利などの融資の違いについて
- 無担保融資の特徴や流れ、必要な書類
- 有担保融資の特徴や流れ、必要な書類
はじめに
デット・ファイナンスには、公的機関や銀行以外から以外に、ノンバンクを利用する方法があります。
この記事では、ノンバンクと銀行の違いを解説した上で、資金調達の流れや必要書類をご紹介。ファイナンス業務の知識を深めるための、参考にしてもらえたら幸いです。
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1.ノンバンク概要
最初に、ノンバンクの概要、銀行との違いについて解説しましょう。
①ノンバンクとは
ノンバンクとは、資金(キャッシュ)の貸付などを専門とする業者を言います。金融庁の認可がいらず、貸金業法に基づく登録のみで開業できるのが特徴です。
1980年代ころに急速に拡大するも、借入の煽動や高金利な体質が一時問題視された歴史があります。ただ2006年には出資法の上限金利が、利息制限法の上限金利に引き下げられるなど、健全化を図る措置が取られています。
②ノンバンクの業者
主に次のような業者があります。
ノンバンク | 概要 |
---|---|
消費者金融 | 個人への資金貸付を中心としている業者 |
事業者金融 | 個人事業主や中小企業の経営者に資金を貸し付ける業者 |
信販会社 | 高別クレジット搭載のクレジットカードの発行事業、ギフトカード事業、カードローンなどの融資事業を行っている会社 |
クレジットカード会社 | 包括クレジットシステムを搭載したクレジットカードを扱う会社 |
住宅金融専門会社 | 個人向けの住宅ローンを取り扱う業者 |
③ノンバンクと銀行の違い
上記でわかるように、ノンバンクは企業に対しても融資を実施しています。銀行と具体的に何が違うのか、確認しておきましょう。
項目 | ノンバンク | 銀行 |
---|---|---|
適用される法律 | 貸金業法(※) | 銀行法 |
預金業務 | 無し | 有り |
審査 | 比較的優しい | 厳しい |
無担保・無保証 | OK | OK |
融資の早さ | 早い | やや遅め |
借入上限額 | 低い | 高い |
金利 | 高い | 低い |
※貸金業法が定める総量規制について
貸金業法の説明で、よく指摘されるのが総量規制です。これは、借入総額を年収の1/3までに規制して借入過多を防ぐ仕組みのこと。ただ法人は除外対象となっているため、融資を依頼する際に気にする必要はありません。(参考:金融庁・貸金業法Q&A)
④ノンバンクの返済方法
ノンバンク融資の返済方法には、以下の4通りがあります。
・元金均等返済
元金を返済回数で割って返す方法です。返済回数が重なるにつれて利息が減るため、負担が徐々に軽くなっていきます。
・元利均等返済
毎回の返済金額を、金利を含めて一定にする方法です。支払額が変動しない分、資金管理がしやすいメリットがあります。一方で、元金均等返済に比べて利息の負担が増えるので、注意が必要です。
・アドオン返済
最初の借入額に金利をかけた分を利息の総額とし、それと借入額の総和を返済回数で割って返す方法です。毎月の返済額が明瞭になりますが、元利均等返済と同じく利息負担が増えるデメリットがあります。
・残高スライドリボルビング返済
借入残高に応じて月々の返済額が決まる方式です。返済回数が重なるにつれて支払の負担は少なくなりますが、返済期間が伸びるため利息負担が大きくなります。
2.無担保融資
ノンバンクの融資は、無担保融資と有担保融資の2つに大別されます。先に無担保融資の流れや必要書類をご紹介します。
①無担保融資の特徴
その名の通り、物的担保(不動産や有価証券など)や人的担保(保証人)がいらない融資です。来店する必要がない、即日~3日程度で調達できるなどの特徴があります。
借入限度額 | 返済期間 | 金利 |
---|---|---|
1,000万円 | ケースによる | 6~18% |
②流れ
無担保融資は、申し込みから送金までがシンプルなのも特徴です。
③必要書類
- 本人確認書類
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 確定申告書(金額による)
- 決算書(金額による)
- 事業確認書(金額による)
3.有担保融資
続いて、有担保融資についてご紹介しましょう。
①有担保融資の特徴
有担保融資には、不動産担保融資・生命保険担保融資・ABL・手形割引があります。
・不動産担保融資
土地や建物を担保にする方法です。銀行の審査ではあくまで補完的な位置づけですが、ノンバンクでは売却のしやすさを前提に審査されます。そのため、不動産価値が高いほど、大きな借入をすることが可能です。
・生命保険担保融資
解約した際に、お金が戻ってくる生命保険を担保にするタイプです。融資額は、解約返戻金の70~90%が相場となっています。
・ABL(Asset Based Lending)
流動資産を担保にお金を借りる方法です。ノンバンクでは、売掛債権を対象とするケースがよく見られます。
ただ利用する際は、「取引先に通知する」「取引先の承諾を得る」「債権譲渡登記をする」の、いずれかをしなければいけません。取引先に資金繰りが厳しい印象を与えたり、銀行によくないイメージを持たれる可能性があることを、忘れないようにしてください。
・手形割引
取引先が発行した受取手形(後日支払いを約束した手形)をノンバンクに買い取ってもらい、資金を得る方法です。
取引先の信用力がなくて銀行に断られた、自社の買戻し能力が足りないと言われて審査が通らなかった、などの場合でも受け付けてくれる可能性が高いのが特徴。ただし、その分割引手数料は高めに設定されています。
以上4つの借入上限額、返済期間、金利の目安は次のとおりです。
融資の種類 | 借入上限額 | 返済期間 | 金利目安 |
---|---|---|---|
不動産担保融資 | 10億円 | 35年 | 2.6~5.9% |
生命保険担保融資 | 解約返戻金の70~90% | 要相談 | 4%程度 |
ABL | ケースによる | 要相談 | 8%程度 |
手形割引 | ケースによる | 要相談 | 6~15% |
②流れ
以下は、有担保融資の申し込みから融資までの流れです。担保価値の調査や提出のタイミングが業者によって異なるので、参考程度としてください。
③必要書類
- 本人確認書類
- 決算書
- 登記簿謄本
- 確定申告書
- 納税証明書
- 借入計画書
- 登記済権利証など
まとめ
- ノンバンクは貸付業務を専門とする業者で、銀行と違って預金業務は行わないのが特徴。他にも融資の審査が通りやすい、早く資金が調達できるなどの違いがある。
- 無担保融資は担保に関する手続きがない分、審査がスピーディー。即日対応をしてくれることもある。
- 有担保融資の代表的なものは、不動産担保融資・生命保険担保融資・ABL・手形割引の4つ。いずれも銀行よりは割高だが、まとまったお金を手に入れられるメリットがある。
おわりに
ノンバンクによる資金調達は、その早さから、いざというときに役立つ場面が多々あります。
ただ「審査が甘いこと」「金利が高いこと」などが、後の事業活動に影響を及ぼすこともあるので、安易な利用は避けるようにしてください。
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