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エンジェル投資家による資金調達の概要と手法

この記事でわかること

  • エンジェル投資家から資金調達する2種類の方法
  • エンジェル投資家以外に強い味方になってくれる3つの事業者
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はじめに

エンジェル投資家は、スタートアップ企業やベンチャー企業に投資してくれる個人を言います。

  • 個人借入よりも多額の資金が調達できる
  • 専門知識や経営のノウハウを教えてもらえる

これらが期待できることから、アプローチを検討するのもひとつの手です。

この記事で、エンジェル投資家から資金調達する方法を解説していきます。

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1.優先株式発行

1つ目の方法は、優先株式の発行です。

近年の日本では、資金調達で優先株式を活用することが多くなっています。これはエンジェル投資家から融資してもらうときも有効です。

以下に、特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

①特徴

優先株式は、以下の権利がひとつ、あるいは複数付加され、結果的に普通株式より優先度が高くなった種類株式を指します。

種類株式に付与される権利内容
利益配当請求権の優先同上。実際に配当が難しい場合でも、価値の高さを正当化する意味で付加されやすい。
残余財産分配請求権の優先同上。スタートアップ企業がM&A(買収)された際に、優先的に対価を得ることができる。
議決権制限企業側で、株主総会で議決権を行使できる事項を制限できる権利。
譲渡制限企業側で、株主が株式を譲渡する際には規定をクリアする必要がある、と制限できる権利。
取得請求権株主が、企業に対して、所持している優先株式を普通株式を入れ換えるように請求できる権利。
取得条項企業が、一定の理由を元に、株主の種類株式を取得できる権利。優先株式に対する投資価値を損なう可能性があるが、株式上場(IPO)のため設けるのが通例となっている。
全部取得条項企業が、株主総会の特別決議によって、1種類の株式全部を取得することができる。
拒否権この株式を持つ株主で構成された種類株主総会で、株主総会や取締役会の決議を拒否することができる。
選任権この株式を持つ株主で構成された種類株主総会で、取締役や監査役を選ぶことができる。

(参考:日経BPマーケティング『スタートアップ投資ガイドブック』p118 図表9-1)

上記を見てわかるように、「利益配当請求権の優先」「残余財産分配請求権の優先」「取得請求権」は、株主にメリットがあるため、付加すれば資金調達に繋がりやすくなるでしょう。

他方、「議決権制限」「譲渡制限」「取得条項」「全部取得条項」は、企業にとっては重要なものの、株主にはデメリットとなる可能性があることから、付加する際には慎重な検討が求められます。

「拒否権」「選任権」は、片方が大きいと会社運営に支障をきたす可能性があるため、バランスのいい設計にすることが重要です。

②メリット・デメリット

メリットデメリット
・株価を高めに設定できる・優先株式があると株式上場できない(普通株式にする必要がある)
・持株比率の希釈化を抑制できる・発行するときに定款の変更や、種類株主総会の開催が必要など手間がかかる
・議決権が制限されるのが一般的なため、経営に大きな影響が出ない
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2.新株予約権付与

2つ目の方法は、コンバーティブル・エクイティ型の新株予約権の付与です。

順を追って説明します。

①特徴

・新株予約権とは

当該企業の株式を、行使することでもらえる権利です。権利を付与してもらうときは払込価格を、権利を行使するときは行使価格を企業に支払います。

投資家は、これらの金額の合計より権利を行使したときの株価が高ければ、その差分の利益を得ることができます。

・コンバーティブル・エクイティ型の新株予約権とは

コンバーティブル・エクイティ型の新株予約権は、次回資金調達を行った際に株式に転換(コンバーティブル)するタイプの新株予約権となります。

新株予約権を取得する際に支払った現金が、次回の資金調達で株式に変わる、というイメージです。

この際、割り当てられる株式の価額のことを転換価額と呼びますが、この金額は、次ラウンドの資金調達時の株価から一定の割引(ディスカウント)を行った価額がベースとなります。

つまり、新株予約権に投資した投資家は、次の資金調達で投資をした人よりも割安で株式を手に入れられるわけです。未来の資金調達時の株価から逆算して、資金調達を行う手法ともいえるでしょう。

こうした特徴から、事業の評価材料の少ないシード期の資金調達においてよく活用されています。

②メリット・デメリット

メリットデメリット
・安定して資金調達できる・資金使途が曖昧になりがち
・投資家へのリスクが低い・株式の希薄化を招く恐れがある
・実務負担を軽減してくれる、ひな型が公開されている

③新株予約権付社債について

コンバーティブル・エクイティ型の新株予約権と、並んで紹介されるのが新株予約権付社債です。

これは社債発行時に、事前に設定された価格で株式を取得できる権利を付与する方法のことで、債券以外の考え方は上記と同じ。しかし、企業が権利を行使できる条件を満たさなかった(投資家が権利を使えない)ときや、一定の期間が経過したあとは、償還する義務が伴います。

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3.合わせて知っておきたい3つの事業者

エンジェル投資家は、特に金融機関などからの融資が難しいスタートアップ企業やベンチャー企業にとって、強い味方です。

最後に、それ以外に知っておきたい事業者についてご紹介します。

①インキュベーター

スタートアップ企業が持つ独自のアイデアを成熟させ、ビジネスで通用する状態にまで導いてくれる事業者です。経営アドバイス以外に、投資家とのコネクションづくり、オフィスや設備の提供などを実施するところもあります。

②アクセラレーター

ビジネスの発展を支援目的とする事業者です。インキュベーターと違い、ある程度ビジネスの形ができている企業をサポートするのが特徴。投資してもらえるだけでなく、出資先の紹介などもしてくれます。

③ベンチャー・キャピタル

創業してすぐのスタートアップ企業やベンチャー企業に投資をし、当該企業のエグジット(株式上場やM&A)の際に、保有株式の売却し、利益(キャピタル・ゲイン)を得ることを目的とした事業者です。資金面以外に、事業戦略のアドバイスや人材登用など、さまざまな面で支援してもらえます。

大きく分けて2種類のタイプがあり、経営に参加するハンズオン型と、経営に関与しない投資特化のハンズオフ型があります。

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まとめ

  • エンジェル投資家による資金調達で有効な方法は、優先株式発行とコンバーティブル・エクイティ型の新株予約権付与の2種類。
  • 優先株式発行は、別の権利が付与されて結果的に普通株式より優先度が高くなった株式のこと。コンバーティブル・エクイティ型の新株予約権は、株価の上昇が投資家のインセンティブとなる。どちらの方法も、エンジェル投資家のメリット・デメリットを考慮して設計することが重要。
  • スタートアップ企業やベンチャー企業をサポートしてくれる事業者は、エンジェル投資家以外にもある。インキュベーター、アクセラレーター、ベンチャー・キャピタルは特に知っておきたい3つ。
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おわりに

エンジェル投資家による資金調達では、これをすれば投資してもらいやすい、という正解はありません。

しかし、ある程度のセオリーや必要手順を抑えておくことで、話を進めやすくなります。
大まかな概念だけでも、頭に入れておきましょう。

もし分からないことがある場合は、KnowHowsの無料相談ページもご活用ください。

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この記事を書いた人

KnowHows 編集部

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