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この記事でわかること

  • 新株予約権割当契約書に記載する主な事項と詳細
  • 新株予約権の発行要項に記載する主な事項と詳細
  • 新株予約権割当契約書を作成する際に注意したい2つのポイント
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はじめに

新株予約権割当契約書は、新株予約権を発行する際、権利を付与する相手と締結する契約書です。

この記事では、KnowHowsで無料ダウンロードができるストックオプション割当契約書に基づき、契約書を作成するために必要な記載事項をまとめました。

また、ストックオプション発行要項を基に、新株予約権の発行要項に関する記載事項についても解説しています。

KnowHowsでは、このように実務に役立つテンプレートや雛形を出品できるシステムを、ご用意しています。ご自身の経験やノウハウを、当サイトを通じて販売してみてはいかがでしょうか。

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1.新株予約権割当契約書に記載する主な事項

新株予約権割当契約書に記載する主な事項は、次のとおりです。

以下では、特に重要な項目について解説します。

なお、雛形はこちらからダウンロードが可能です。

①新株予約権割当契約書を締結する日

新株予約権割当契約書には、当該企業と、当該企業の新株予約権を付与される者(以下、対象者)が、割当の契約を締結した日を記載します。

「○○年○○月○○日開催の当社第○○回開催の定時株主総会の決議に基づき……」

「○○年○○月○○日開催の当社臨時株主総会の決議に基づき……」

と記すのが一般的です。

②新株予約権の目的

なぜその新株予約権を発行したのかという目的は、比較的記載される内容です。

「本契約は、当社の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として……」

「株価をより意識した経営を推進する目的で……」

などと記載します。

この項目で、新株予約権の募集要項を決議した、株主総会や取締役会の情報についても記すのが通例となっています。

③新株予約権の発行要項

発行要項とは、新株予約権の発行内容を詳細に記したものです。

割当契約書に一緒に記載するパターンと別に用意するパターンがあり、本記事では後者を解説します。この場合、割当契約書には、

「当社及び本新株予約権者は、本新株予約権の内容について、本契約に別段の定めがない限り、本契約書別紙「株式会社●●第●回新株予約権発行要項」(以下「本要項」という。)に従うものとする。」

と記載し、誘導しておきます。

④新株予約権行使の手続きに関する事項

新株予約権を行使するときの条件や効力について、記載する項目です。

税制適格ストック・オプションの条件を満たすために、権利行使価額の合計額が年間1,200万円を超過する場合は行使できない、といった旨もここに記載するのが一般的となっています。

⑤新株予約権に関する禁止事項

新株予約権に関する禁止事項には、基本的に、新株予約権は譲渡や質入れなどができない旨が記載されます。

⑥新株予約権の相続に関する事項

対象者が亡くなった場合の相続に関する事項です。

権利行使期間を迎えたあとに亡くなった場合は相続人が権利行使できる、迎える前に亡くなった場合は権利行使できないなどとしばしば記します。

⑦新株予約権に伴う租税や費用の負担

租税及び費用と呼ばれる項目です。新株予約権に伴う公租公課その他の費用に関しては、対象者が負担することを記載しておきます。

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2.新株予約権の発行要項に記載する主な事項

第1章で見てきたように、新株予約権割当契約書の中には「新株予約権の発行要項」があり、別に用意することもあります。

その際は、「株式会社●●第●回新株予約権発行要項」と題して、以下の項目を盛り込むのが一般的です。

同じく重要な項目について、以下で詳しくご説明しましょう。

なお、雛形はこちらからダウンロードできます。

①新株予約権の目的である株式の種類および数

新株予約権を行使することで、どんな株式がいくつ付与されるのかを明示する項目です。

たとえば、

「目的である株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個あたりの目的となる株式数(以下「付与株式数」という。)は●株とする」

と記載します。加えて、付与株式数が調整されることがある旨と、その条件についても記します。

②新株予約権の行使価額

新株予約権の行使価額は、「1株につき金●●●●円」と表記します。

また付与株式数同様、行使価額についても調整されることがある旨と、その条件についても記すのが基本です。

③新株予約権の行使期間

いつからいつまでであれば権利行使ができるのか、記載する項目です。

認識のズレを防ぐために、開始日が企業の休業日である場合はその翌営業日に、最終日が企業の休業日である場合はその前営業日にする、と添えておくといいでしょう。

④新株予約権の行使条件

新株予約権の行使条件について定める項目です。割当契約書の「新株予約権の手続きに関する事項」よりも、具体的かつ細かな内容を記載するイメージを持つといいでしょう。

たとえば、

「新株予約権の割当を受けた者は、当社又は当社子会社の取締役又は従業員のいずれの地位をも有しなくなった場合は、本新株予約権を行使することができない」

「新株予約権者が1個又は複数の本新株予約権を行使した場合に、当該行使により当該新株予約権者に対して発行される株式数は整数(当社が単元株制度を導入した場合は一単元の株式数の整数倍)でなければならない」

といった文言が記載されます。

⑤新株予約権を取得することができる事項

この事項では、まだ権利行使されていない新株予約権を、取締役が無償で取得できるときの条件について定めます。

消滅会社や分割会社となることが決定し、その議案が株主総会で承認された場合や、対象者が権利を放棄した場合などがあります。

⑥組織再編行為に伴う事項

当該企業が組織再編行為(合併・会社分割・株式交換・株式移転)をする場合に、新株予約権をどう取り扱うかを規定する事項です。

作成する際には、まず組織再編前の企業が発行した新株予約権については消滅すること、その代わりに組織再編後の企業(再編対象会社)が一定の条件に基づいて発行することを定義します。

その上で、一定の条件の詳細を

「交付する再編対象会社の新株予約権の数」

「新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類」

などと項目に分けながら、記載するといいでしょう。

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3.新株予約権割当契約書の作成で大事なポイント2つ

最後に、新株予約権割当契約書を作成する上で大事なポイントを、2つご紹介します。

①税制適格ストック・オプションには複数の要件があらかじめ定められている

新株予約権割当契約書に盛り込まれる「行使価額」「行使期間」については、基本的に企業の実態や目的に合わせて自由に設定することになります。

しかし、もし発行する新株予約権を税制適格ストック・オプションとしたいのであれば、以下の要件(税制適格要件)を守らなければいけません。

要件内容補足
無償で発行されたものであること報酬債権との相殺で発行されるものも含む
対象者が会社やその子会社の取締役や執行役などではないこと左記の使用人である個人や、それぞれの相続人も対象外
対象者が大口株主や、それの特別関係者でないこと大口株主は、上場企業の場合は発行済株式数の1/10超、未上場企業の場合は1/3超の株式を保有している株主を指す。その特別関係者は、親族や事実上婚姻関係のある者などをいう
権利行使期間を、権利行使の付与が決議された2年後から10年までにすること
権利行使価額の年間合計額を1,200万円以下にすること例えば1年のうちに1回目400万円、2回目700万円、3回目600万円と権利を行使した際は、最後の600万円が非対象となり、課税が生じる(500万円ではない)
その他、定められた要件を満たしていること権利行使価額が権利付与時の株価以上であること、譲渡禁止規定が付いていること

この他にも条件があるため、租税特別措置法29条の2をチェックするようにしてください。

②新株予約権の適切な数を出すには綿密な資本政策が求められる

新株予約権の発行では、どの程度の数にするのか慎重にならなければいけません。

大量に発行をしてしまうと新株が急増し、株式の希釈化(1株あたりの価値の低下)が発生します。それによって既存株主に不利益が生まれ、株価が低下する可能性もあります。

新株予約権の適切な数を出すためには、必要な資金を株式によってどう賄うか、その際持株比率がどの程度低下するか、事前の計画によって確認しておくことが大切です。そうした計画を資本政策と言います。

KnowHowsでは、綿密な資本政策を立てられるツールをご用意しています。

必要事項を記入するだけで作成できるので、新株予約権の発行数をどうすべきか検討している際は、活用してみてください。

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まとめ

  • 新株予約権割当契約書は、当該企業と、当該企業の新株予約権を付与される者の間で締結される契約書。別途、新株予約権の内容を詳しく記した発行要項を作成することもある。
  • 契約書の作成では、税制適格ストック・オプションの要件と発行数に注意する。
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おわりに

新株予約権割当契約書は、細かな内容についても正しく記載する必要があります。

雛形を用いて作成したら、専門家に一度見てもらうようにしましょう。

なお、本文でも紹介したように、KnowHowsではご自身のノウハウを出品できる「ノウハウストア」や、新株予約権の発行数を決めるときに役立つ資本政策シミュレータを無料でご用意しています。

もしよければ、ご利用ください。

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