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会社設立の概要キャッチ

この記事でわかること

  • 会社とは何か。どんな種類があり、どんな特徴があるのか。
  • 会社設立時に必要となる3つの事項
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はじめに

会社設立とひと言で言っても、その内容は多岐に渡ります。しかしその分、何を優先してやるべきなのか見えにくいのも事実です。

この記事では、設立時に役立つ情報や、特に必要となる事項についてご紹介しています。基本的なポイントを抑えるための参考としてください。

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1.会社設立に関する基礎知識

最初に、会社設立に関する基礎知識として、「そもそも会社とは何か」「どんな種類があるのか」「メリット・デメリットは何か」についてご紹介します。

①会社とは?

会社とは、営利(財産上・金銭上の利益の獲得)を目的に組成された法人を言います。法人の概要から見ていきましょう。

・法人とは

法人とは、端的に言えば権利能力を有している組織のことです。権利能力とは、「法律によって権利を行使したり、義務を担ったりできる資格」のことで、法人格とも呼ばれています。(ちなみに、この権利能力は法人以外に、自然人も有しています。自然人は私たちのことで、私たちが平等かつ平和に暮らすことができているのは、この権利があるからこそです)。

なぜこの権利能力が付されているのかと言うと、一定の目的を持って編成された組織は、自然人(私たち)同様、「ある種の法的活動を営む」と見られるのが一般的だからです。この法人のあり方を巡っては、法人擬制説や法人否認説がありますが、法人の社会的実在を認める法人実在説が現在は通説とされています。

・法人の種類(公法人 or 私法人)

法人は公法人私法人に大別されます。公法人は行政目的のために設立された法人のこと。地方公共団体や公共組合、公社などがあります。公社で言うと日本国有鉄道や日本専売公社、日本電信電話公社の三公社が、1980年代中頃に次々に民営化されたことで有名です。

一方、私法人は私法(民法や商法など)に基づいて設置された法人を言います。

・法人の種類(営利法人 or 非営利法人)

さらに私法人は、営利を目的としているかどうかによって分かれます。このうち、営利を目的としている法人(営利法人)こそ会社です。一方、営利を目的としない法人(非営利法人)には、一般社団法人やNPO法人などがあります。

②会社の種類

会社は、上記に従えば、私法人に属する営利法人となります。その会社にも、いくつかの種類があるのでご紹介しましょう。設立時は、どの会社にするのか、よくよく比較することが大切です。

・株式会社と持分会社

会社はまず、株式会社持分会社に大別されます。ふたつの違いは、誰が経営を行うのかです。

たとえば、会社を設立したいAさんがいるとします。Aさんは自ら事業を行うため、資本金を用意して会社を立ち上げることにしました。

しかし、経営を行うには用意した資本金だけでは不十分だったため、Bさん・Cさん・Dさん・Eさんから何らかの形で、資金調達を行うことにします。

このとき、Aさんら出資者が会社の株式を所有して株主となり、株主とは別に、経営に専念する人を決める会社の形態のことを株式会社と呼びます。

選ばれた経営者は取締役と呼ばれ、さらにそのトップは代表取締役といいます。今回のケースでは、起業をしたAさんが株主、兼、代表取締役となり、経営の実務を行っていく形となるでしょう。

一方で、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんについては、取締役とならない限りは、経営の実務に直接関わることはありません。

会社の所有者である株主と、株主からの選任を受けて会社を経営する取締役が分かれている点が、株式会社の大きな特徴なのです。

一方で、出資者全員が経営に関わる会社を持分会社と言います。上記の例で言えば、Aさんら5名全員が会社の経営に関わる、ということです。

・合同会社と合資会社と合名会社

持分会社には、合同会社合資会社合名会社の3種類があります。これらの違いは、出資者に借金の返済義務が伴うのか、それとも伴わないのかです。

引き続き、上記の例を参考にしましょう。AさんはBさんたちからの出資を受けて会社を始めました。経営の代表として選ばれたAさんの努力の甲斐あって、始めは成績が好調。

ところが、途中で大きな失敗をして最終的に会社が潰れてしまいました。気がつけば、会社の財産(Aさんら5名の出資金を含む)だけではまかないきれない、大きな大きな借金がありました……。

このとき、もしAさんが立ち上げた会社が合同会社であれば、Aさんら出資者5名には、出資した金額以上の損失を引き受ける義務がありません。そういうルールになっているのです

では、立ち上げたのが合資会社だった場合はどうなるでしょうか。その際は、経営をコントロールしていたAさんだけが返済義務を負うことになります。返済義務を負う人が経営権を持ち、負わない人が出資を担うのが、この会社のルールだからです。

では、合名会社はと言うと、この場合はAさんら5名(出資者全員)に返済義務が伴います。

なお、このとき返済義務が生じないことを有限責任、及びその対象となる社員を有限責任社員と言います。反対に生じることを無限責任、及び対象となる社員を無限責任社員と言います。

・比較表

株式会社と、持分会社である合同会社、合資会社、合名会社には、ここまでの説明以外にも細かな違いがあります。以下に表を作りましたので、設立時の参考としてください。

株式会社合同会社合資会社合名会社
出資者の種類株主社員社員社員
出資者の人数1人以上1人以上2人以上1人以上
出資者の責任有限責任有限責任一部社員のみ無限責任無限責任
定款認証の有無
設立費用約25万円~約12万円~約12万円~約12万円~
代表者代表取締役代表社員代表社員代表社員
意思決定機関株主総会社員総会社員総会社員総会

③会社設立のメリット・デメリット

最後に、会社を設立することで生じる主なメリット・デメリットを、個人事業との比較からご紹介しましょう。

メリット詳細
事業拡大が見込める信用力が増して資金調達がしやすくなったり、仕事の受注量が増えたりすることがある
優秀な人材と繋がりやすい報酬や待遇に期待を持ってもらえる可能性が高くなる
事業承継がスムーズになる代表者が亡くなった場合でも、口座が凍結されることがない。会社の所有財産に相続税がかからない
デメリット詳細
事務負担が増える複雑な会計ルールに則って処理をすることが求められる
コストが増える年間約7万円の法人住民税の支払い、社会保険料の負担増など
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2.会社設立時に必要となる主な事項

この章では、4種類ある会社のうち、株式会社を設立する際に抑えておきたい事項をご紹介します。

①基本事項の決定

まずは、以下の基本事項の決定です。

・発起人

発起人とは、設立の手続きをする人を言います。第1章の例で言うなら、Aさんになるでしょう。もし「私もAさんと一緒にやりたい」という人がいて、発起人が複数人になる場合は、会議(発起人会)を開催して手続きを進める形となります。

・会社名

会社名を決める上で大切なのは、社外の人に親しまれやすいものかどうかです。すぐに覚えてもらえるもので、かつ事業の特徴が伝わりやすいものが理想でしょう。

ただし次のことに注意する必要があります。

留意事項
同一商号・同一本店ではないか
著名表示冒用行為に抵触していないか
他の会社の社名、商品、サービスなどに似ていないか
特定の業種にしか使えない言葉が入っていないか

・事業の目的

事業目的は、取引先や金融機関などが、設立する(設立した)会社がどんな会社なのか判断するときの情報源です。また、後述する定款に記載する項目のひとつにもなっています。曖昧な内容だと信用に関わるどころか、登記申請が通らない可能性があるので、できる限り具体的にすることが重要となります。

しかし一方で、会社は定款に記載された事業以外のことは、基本的にできません。「では、その定款を変更すればいいではないか」と言っても、株主総会での決議や手数料が必要となります。つまり、具体的にしようとして内容が限定的になると、かえって弊害になる恐れも出てくるのです。

以上のことから、次の3つの手順で決めるといいでしょう。

事業目的を決めるステップ
本業やそのほかの業務を、優先順位を付けて並べる
将来必要になりそうな業務内容を確認しておく
3~10個ほど具体的な内容を列挙したら、最後に「前各号に附帯する一切の業務」を添える

・資本金の額

資本金の額は、高すぎず低すぎずが理想です。

高い方が会社が大きく見えて有利に感じられますが、高ければ登録免許税や地方税などもより高くなります。また、資本金が1,000万円以上だと、開業してすぐに消費税の課税事業者にもなります。

ただ低くても、それはそれで社会的な信用を得るのは困難です。1円や10円など、登記費用を支払ったら債務超過になるような金額は、避けたほうが望ましいとされています。

・機関設計

機関設計は、会社の意思決定を行う機関の構成を考えることです。機関は取締役、株主総会、取締役会、会計参与、監査役など。以下のルールを守れば、あとは会社の実状に合わせて自由に組み合わせることができます。

機関設計のルール
1名以上の取締役と株主総会は必ず設置する
取締役会(複数の取締役からなる機関)を設置した場合、監査役も必須となる(会計参与を設置した場合を除く)

②定款の作成

定款とは、会社の決まり事をまとめて記載した文書です。登記申請後は、簡単に変更できない(株主総会の決議や手数料が必要。変更できない部分もある)ので、慎重に作ることが求められます。

・定款の決め方

定款は、主に3つの記載内容に大別されます。

第一は絶対的記載事項です。目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額・発起人の氏名または名称及び住所の5項目を指し、どれか1つでも不備があると、公証役場からの認証は受けられません。

第二は相対的記載事項です。株式の譲渡制限や現物出資に関する事項など、通常「絶対的記載事項」を補足する形で記載されます。

第三は任意的記載事項です。ここは、会社が自由に(会社法や公序良俗に反しない限り)決められる事項となります。

・作成後は速やかに公証役場に提出を

定款は、作成後に公証役場から認証を受けることで、初めて法的な効力を持ちます。登記申請時は、この定款でなければ条件をクリアできないので、事前に済ませておかなければいけません。

③事業計画の立案

事業計画とは、具体的で現実的な準備計画のことです。設立の手続きには必須ではありませんが、あるに越したことはないため、ここで紹介します。

会社の設立資金を調達したいと思っても、何に使うのか、それによってどれぐらいの利益が生まれるのか、返済はどれくらいになりそうなのかなどが曖昧であれば、なかなかうまくはいきません。

株主や銀行、その他の機関に、「それでしたら手を打ちましょう」と言ってもらうには、信用を得る必要があります。そのための手立てとなるのが、事業計画です。

・事業計画の立て方

事業計画を立てる際、まず次の内容を明確にします。

内容詳細
会社設立の動機事業開始のきっかけや今後のビジョンは何か
経営者自身のことスキルや知識は何を持っているか。コネクションや資金力はどうか
資金調達面必要な開業資金、運転資金はどのくらいか。どのように調達しようと考えているか
商品やサービスに関する情報強みは何か。販売価格はどのくらいか。市場規模はどの程度か。競合はどこか
取引先に関する情報取引先はどこか。どのような取引条件になっているのか。

以上を決めたら、それを元に今後獲得するであろう売上高や利益を算出しつつ、事業の展開を予測していくのが一般的な方法です。

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まとめ

  • 会社とは、営利を目的に組成された法人のこと。株式会社と持分会社に大別され、持分会社には合同会社、合資会社、合名会社の3つがある。
  • 会社設立時に必要となる主な事項は、基本事項の決定、事業計画の立案、定款の作成の3つ。
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おわりに

会社の設立は、多くの事項を決める必要があります。

まずは最も重要な事項は何か、取り掛かる前に事前に整理することが大切です。

もし、本記事で解説した内容についてお悩みの場合は、冒頭でご紹介したKnowHowsの「みんなで事業相談」の利用もおすすめします。

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