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この記事でわかること
- 株主構成表の特徴やメリット、入手方法
- 株主構成表を構成する要素の基本的な知識
はじめに
株主構成表は、誰がどの程度の株式を保有しているのかを示した重要なデータです。投資先を探している人も会社の経営者も、見方を覚えておいて損はありません。
この記事では、株主構成表を見るメリットや手に入れ方を概説したあと、各構成要素の詳細についてご紹介しています。
またKnowHowsでは、株主構成比率の把握や、株式の移転にともなう議決権の変動などを無料でシミュレートできる「資本政策シミュレータ」もご用意しています。
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1.株主構成表のメリットは?どこで手に入る?
最初に、株主構成表とは何かについてご説明します。
次いで投資家と会社の経営者、それぞれの視点から見るメリットは何かをお話した上で、入手の仕方をご紹介しましょう。
①株主構成表とは何か
そもそも株主構成表とは何でしょうか。
株主構成表とは、株主とそれぞれの持株比率をわかりやすく示したものです。英語では、「Shareholder composition」と言います。
特徴は、所有者別の状況や大株主の一覧といった情報が、円グラフや表などを利用してわかりやすく表記されることです。これらについては、第2章で詳しくご紹介します。
・何がそれほど重要なのか
冒頭で、株主構成表は、投資家にとっても会社の経営者にとっても重要なデータと申し上げました。
この理由は、持株比率にあります。持株比率とは会社の株式の保有率のことで、会社に対して請求や実行できる内容に関わってくる数値です。以下をご覧ください。
(例) |
---|
・持株比率3%以上→会計帳簿などの閲覧、株主総会の招集請求などが可能 |
・持株比率10%以上→株式会社の解散請求が可能 |
・持株比率51%以上→普通決議(経営権の取得、剰余金の配当などを決める決議)を単独で可決させることが可能 |
・持株比率66.7%以上→特別決議(定款の変更、増資や株式譲渡の実施などを決める決議)を単独で可決させることが可能 |
(※)持株数/発行済株式数×100で計算。なお発行済株式数から自己株式は除く
上記からわかるように、持株比率3%以上よりも10%以上のほうが、51%以上よりも66.7%以上のほうが会社に対して影響力があります。
つまり持株比率がまとめられた株主構成表は、その会社において誰が強い発言力を持っているかが一目でわかるデータなのです。
②投資家にとって株主構成表を見るメリット
投資家にとって株主構成表を見るメリットは、この会社に投資すべきかの判断材料になる点です。
たとえば大株主のリストのトップに経営者の名前が入っていたら、経営者がしっかり会社をコントロールしていると把握できます。
経営者の意思決定が素早く反映されるので、経営者の手腕がよければどんどん成長する可能性があるでしょう。大きなインカムゲインやキャピタルゲインを得られるチャンスかもしれません。
③会社の経営者にとって株主構成表を見るメリット
一方、経営者にも株主構成表を見るメリットはあります。自社の株主構成を理想の形に近づけられる点です。
たとえば競合他社の株主構成表を見れば、どのような機関から主に資金調達をしているのかがわかります。あるいは、経営のコントロールに不可欠な安定株主を、どのように確保しているのかを参考にすることも可能です。
・理想の株主構成は?
では、理想の株主構成とはどういったものでしょうか。
株主構成は、持株比率の情報をまとめたものであり、端的に言えば会社の発言権を多く持っている順です。
従って、会社を運営する側としては、できる限り高いことに越したことはありません。
経営者の持株比率は最低でも経営権を保持できる51%以上ですが、理想は特別決議を独断で可決できる66.7%以上でしょう。
ただし経営者の持株比率は、資金を新たに調達しようとして新株を発行するたびに下がっていきます。
こうした対策をするためにも、資本政策を練ることが重要です。資本政策は会社を成長させる上でのトラブルをできるだけ回避しつつ、効率よく資金調達するための計画のことを言います。
KnowHowsでは、そうした資本政策を簡単に作成できる「資本政策シミュレーター」というツールを、無料でご用意しています。
もしよければ、ご利用を検討していただければ幸いです。
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④株主構成表の調べ方
株主構成表は、投資家にとっても会社の経営者にとっても重要な資料です。注目している企業であれば、見ておいて損はありません。
その株主構成表の調べ方ですが、上場企業と未上場企業で異なります。
・上場企業の調べ方
上場企業の場合は、事業年度ごとに会社が作成する有価証券報告書や、東洋経済新報社が発行している『会社四季報』、会社のホームページなどから見ることができます。
・未上場企業の調べ方
未上場企業の場合は、上場企業のように、オープンに公開されないことがほとんどです。基本的には、当該会社の株主となり、情報開示請求をする必要があります。
2.株主構成表には何が示される?各要素の意味を詳しく解説
第1章でも少しご説明したように、株主構成表と言っても、表記される内容はある程度分類することが可能です。
ここでは、一般的な構成要素である①所有者別の状況、②大株主の一覧、③株式の概要について、詳しくご説明します。
①所有者別の状況
所有者別の状況とは、株主を特定のグループに分け、それぞれのグループの持株比率がどの程度なのかを円グラフで表したものです。
グループは、たとえば金融機関や金融商品取引業者、事業法人等、個人・その他など。事業法人等も内国法人と外国法人に分けられるのが通例で、後者の比率が多い会社を外資系企業と呼ぶこともあります。
②大株主の一覧
大株主の一覧は、その会社の中で持株比率が高い株主を、上から順に10名程度列挙したリストです。
ちなみに、最も持株比率が高い株主のことは筆頭株主と呼ばれています。
一方、会社法(179条1項)では持株比率90%以上の株主を特別支配株主、金融商品取引法(163条1項)では10%以上の株主を主要株主と言います。こちらは株主構成表では取り上げられることはほとんどありませんが、一緒におさえておくといいでしょう。
③株式の概要
株主構成表では、株式の概要もしばしば表示されます。各要素について補足しましょう。
・発行済株式数
発行済株式数とは、会社が発行した株式の総数です。持株比率を計算する場合は、原則として自己株式を除きます。
・単元株
単元株とは、株式売買をするときに利用される単位のことです。株主総会での議決権を行使するときに必要な最低株式数としても用いられます。
今までは8種類(1株・10株・50株・100株・200株・500株・1,000株・2,000株)の単元株とあり、企業によって異なりましたが、2018年10月から100株に統一されています。(参考・JPX・売買単位の統一)
・資本金
資本金とは、株主が会社に出資した金額の合計です。融資や社債と違って返済の義務がなく、資本金はそのまま自己資本として扱われます。
そのため資本金が多いほど、基本的には会社の規模がそれなりに大きく、収益性や将来性も見込めると判断できます。
なお、資本金に利益剰余金を足したものを純資産と言います。純資産は、企業価値を評価したり、上場基準を満たす上で重要な概念です。
以上のような項目以外にも、株主数や株価の推移、直近の株式譲渡や第三者割当増資などの報告などが載せられるときもあります。
まとめ
- 株主構成表は、株主とその持株比率を示したもの。主に所有者別の状況、大株主の一覧、株式の概要などについて、表やグラフなどでまとめられている。
- 所有者別の状況は、株主を特定のグループに分け、それぞれのグループがどの程度の持株比率なのかを見たもの。大株主の一覧は、持株比率の高い順に株主が十名程度並べられる。株式の概要は、発行済株式数や単元株、資本金、株主数などが掲載されるのが一般的。
おわりに
株主構成表は、誰からどの程度出資されているのかを見て、会社の状況を判断できるものです。
投資家はもちろん、会社の経営者にとってもさまざまなメリットがあるので、ぜひ読み解けるようにしてみてください。
まずは簡易的に株主構成を把握したい……と言う場合は、KnowHowsの「資本政策シミュレータ」もぜひ、ご活用ください。
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