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この記事でわかること

  • 第三者割当増資で起きる株式の希薄化の具体的な内容
  • 株式の希薄化を知る上で気をつけたいポイント3つ
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はじめに

第三者割当増資を実施するときに起こるのが、株式の希薄化です。

株式の希薄化とは、1株あたりの価値が下がること。これによって既存株主が不利益を被る可能性が高くなるため、きちんとした理解が求められます。

この記事では、株式の希薄化について基本的な内容を解説しています。また、希薄化に伴って気を付けなければいけないポイントについても列挙しました。

予期せぬトラブルに巻き込まれないために、ここで基本的な知識を身につけていきましょう。

またKnowHowsでは、第三者割当増資によって、どのように株主比率や議決権が変化するのかなどを無料でシミュレートできる資本政策シミュレータ」もご用意しています。

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1.第三者割当増資による株式の希薄化とは

第 三 者 割当 増資 希薄 化

最初に「株式の希薄化とはなにか」「それによってどんな問題が起こるのか」について、詳しくご紹介します。

①株式が増えることで、1株あたりの価値が下がる

株式の希薄化とは、第三者割当増資によって発行済株式数が増え、結果として1株あたりの価値が下がることを言います。

1株あたりの価値とは、具体的には1株あたりの利益と、1株あたりの企業に対する支配力です。

言い換えると、株式の希薄化とは、「既存株主の利益が減少すること」「既存株主の持株比率が減少すること」となります。

②希薄化の問題点1:既存株主の利益の減少

「既存株主の利益が減少すること」「既存株主の持株比率が減少すること」について、より詳しく見ていきましょう。

既存株主の利益の減少から解説します。

たとえば、当期純利益が1億円・発行済株式数1,500株の企業が、第三者割当増資によって500株の新株を発行したとします。

このとき、1株あたりの当期純利益(当期純利益/発行済株式数)は次のように変化することになります。

【第三者割当増資前】

発行済株式数1株あたりの当期純利益(EPS)
1,500株66,667円

【第三者割当増資後】

発行済株式数1株あたりの当期純利益(EPS)
2,000株50,000円

このように、第三者割当増資を実施したことで、EPSが15,000円近く下がりました。

EPSは、株主にとって、企業の収益力を判断する指標です。EPSが低下すると、株主の期待の低下、および株価の下落が起きやすくなることを意味しています。

株価が下落すれば、たとえばキャピタルゲインが少なくなります。

キャピタルゲインは、購入したときの株価と売却時の株価の差額によって得られる利益。これが既存株主が不利益を被ることになる、と言われる理由です。

③希薄化の問題点2:既存株主の持株比率の減少

続いて、既存株主の持株比率の減少(企業に対する支配力の低下)について、ご説明しましょう。

前項と同様、発行済株式数1,500株を保有している企業が、第三者割当増資で500株を発行した場合を見ていきます。

このとき増資実施前は経営陣とAさんが株主で、増資の際に新たにBさんとCさんが株主になったとします。

【第三者割当増資前】

株主発行済株式数持株比率
企業全体1,500株100%
経営陣1,200株80%
Aさん300株20%

【第三者割当増資後】

株主発行済株式数持株比率
企業全体2,000株100%
経営陣1,200株60%
Aさん300株15%
Bさん300株15%
Cさん200株10%

以上のように、もともと企業の株主であったAさんの持株比率が、増資によって20%から15%に低下していることがわかります。

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2.第三者割当増資による希薄化で気を付けたい3つのポイント

第1章では、第三者割当増資の際に起こる希薄化によって、「既存株主の利益の減少」と「既存株主の持株比率の減少」が起こるとご説明しました。

そこで、第三者割当増資を実施する上で、特に気を付けたい3つのポイントをお伝えします。

①増資の目的を株主に充分説明する

まずは、第三者割当増資の目的を既存株主に充分説明することを心がけましょう。

資金調達は企業によってさまざま。中には、思うように売上が上がらず、資金繰りが厳しいために行うこともあるでしょう。

ところがそうしたネガティブな増資の場合、希薄化に伴う不利益以上に、株主の期待低下に拍車がかかりやすくなります。

・既存株主に充分な説明をするには?

充分な説明を行うには、「なぜ増資を行うのか」「資金使途はなにか」「どのような成長プランを立てているのか」などを、既存株主目線で考えることが大切です。

これによって既存株主が期待をしてくれれば、逆に株価が上がることもあります(この意味では、既存株主の利益の減少は必ずしも起こるわけではないと言えます)。

②経営陣の持株比率を下げ過ぎないようにする

経営陣の持株比率を下げ過ぎないようにすることも、気を付けたいポイントです。

第1章で見てきたように、第三者割当増資を実施すると、経営陣が保有している株式の希薄化も起こります。経営陣の経営に関する支配力が下がれば、スムーズな意思決定が難しくなる可能性が高くなります。

「既存株主の持株比率の減少」で示した例をもう一度見ましょう。経営陣の持株比率が、80%から60%に低下しています。この場合、何が起こるでしょうか。

たとえば、株主総会の特別決議をスムーズに取得できないことがあげられるでしょう。

特別決議が成立するには「出席している株主の合計議決権数が、全議決権数の過半数」「出席している株主の合計議決権数のうち、2/3以上が賛成に投じていること」が必要となります。

従って、持株比率が60%に低下している経営陣は、自らの意思だけでなく、Aさん・Bさん・Cさんのいずれか1人以上の賛成がないと決議を得ることができません。場合によっては可決されない可能性があるのです。

・経営陣の持株比率を下げ過ぎないようにするためには?

経営陣の持株比率を下げ過ぎないようにするためには、主に2種類の方法があります。

1つ目は、具体的な資本政策の作成です。

資本政策とは、スタートアップ企業やベンチャー企業が、イグジットに向けて企業を成長させるために立てる計画です。

計画作成では、目標達成までに必要な資金を算出した上で、現状とどの程度ギャップがあるのか調査します。その上で、どのタイミングでどんな内容の増資を行うのか、などを決めていくのが一般的です。

なお、KnowHowsでは、比較的簡単に資本政策が立てられる作成ツールをご用意しています。よろしければご活用ください。

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2つ目は、第三者割当増資以外の資金調達方法を視野に入れることです。

たとえば、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫から公的融資を受ける方法があげられるでしょう。

あるいは、クラウドファンディング(投資型や貸付型)を利用して調達する方法もあります。

もちろん、公的融資やクラウドファンディングを利用した借入の場合は返済の義務が伴うので、資本政策と同様な計画が欠かせません。

③過度な希薄化を防ぐための2つのルール

最後のポイントは、過度な希薄化を防ぐために設けられた「25%ルール」「300%ルール」です。

上場企業に対する規制ですが、株式の希薄化の基本事項として抑えておいてください。

・25%ルール

25%ルールは、株式の希薄化率が25%以上となるときに適用されるルールです。

当てはまる場合は、当該の増資に対する第三者委員会などの意見を入手するか、あるいは株主総会で株主の意思を確認する手続きを行うかしなければいけません。

なお、株式の希薄化率は、次の計算式で求めることができます。

計算式
株式の希薄化率=当該増資で新たに発行する株式の数/当該増資を行う前の発行済株式数×100

たとえば、1,500株発行している企業が500株発行する場合は、33.3%(500/1500×100)となるため、ルールが適用されることになります。

・300%ルール

300%ルールは、株式の希薄化率が300%超となる増資は原則禁止とするものです。もし実施した場合は、上場廃止となる可能性があります。

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まとめ

  • 第三者割当増資を実施するとき、株式の希薄化が起きる。具体的には「既存株主の利益の減少」と「既存株主の持株比率の減少」の2つがある。
  • 株式の希薄化が起きると既存株主が不利益を被る可能性が高くなるので、まずは増資の必要性について既存株主に充分に説明を行う。
  • 持株比率の減少は、経営陣も例外ではない。支配力を維持するために、資本政策を立てたり、別の資金調達方法を視野に入れよう。
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おわりに

第三者割当増資における株式の希薄化は、実施する上で避けては通れないものです。

原理を理解するとともに、資本政策などの対策方法を抑えておくようにしましょう。

上記でもお伝えしたように、KnowHowsでは、こうした資本政策の結果を予測できる「資本政策シミュレータ」をご用意しています。

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作成は無料で行えますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。

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この記事を書いた人

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