本を読んでもわからないM&Aにおけるデューデリジェンスをイチから解説!
デューデリジェンスを受ける側が気をつけるべき6つのポイント
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Index
この記事でわかること
- デューデリジェンスを受ける側が注意するべきこと
- デューデリジェンスに際して必要となる書類や手続き
はじめに
M&A(買収)では一般的に、初期段階のオファーの成立後、デューデリジェンスと呼ばれる買い手(買収元企業)による売り手(被買収企業)の調査が行われます。
互いに納得する形で公正な取引を行うには、さまざまな内部資料の開示や各専門家によるQ&Aなど、多くの手間をかけた手続きが必要。
調査の負担を減らし、スムーズに進行させるには、互いが同じ方向を向き、協力していくことが大切になっていきます。
このページではまず、デューデリジェンスを「受ける側」の注意点について、以下の6つのポイントからひとつずつ解説していきたいと思います。
- 資料を漏れなく用意する
- 余裕を持ったスケジューリングを行う
- 表明保証の線引きを明確にする
- 状況に応じて弁護士の同席を検討する
- 曖昧な回答をしない
- 協力する姿勢を続ける
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デューデリジェンスも含め、お悩みの際はぜひご活用ください。
1.資料を漏れなく用意する
デューデリジェンスでは、企業を分析するために専門家が数多くの内部資料を参照します。そのため、デューデリジェンスの際には、以下のような資料の提出が求められます。
デューデリジェンスにおける必要書類の例 | |
---|---|
企業案内・沿革 | 事業計画書 |
定款 | 契約書類 |
登記簿謄本(全部事項証明書) | 経理規程・会計処理マニュアル |
組織図 | 決算書・税務申告書一式 |
役員一覧表 | 人事関係規定 |
事業所一覧 | 株主名簿 |
このほか商流に関するデータや資産・負債勘定に関するデータなど、必要に応じて資料の提示を求められます。売り手側の指示に従って資料を準備しましょう。
デューデリジェンスは売り手側だけでなく、買い手側にも大きな負担がかかる作業です。書類不備があれば、それだけで先方に大きな費用を強いる形になりかねません。準備の申し出があった書類は、正確に、漏れなく用意するようにしてください。
資料の不足は不都合な情報を隠蔽していると見なされ、取引自体が消滅する場合もあります。十分に注意しましょう。
なお、秘密保持義務や法令上により資料を提出できない場合は、その旨を事前に説明し、指示を受けることを推奨します。
2.余裕を持ったスケジューリングを行う
デューデリジェンスでは企業の価値やリスク、課題点などを調査するため、資料提供後も売り手に対してさまざまな質問がなされます。
自社の仕事に追われつつ、これらの質問に回答していくのは大きな負荷。あらかじめ「調査は大きな負担があるものだ」と知っておき、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを設定しておきましょう。
また、事前に買い手側が行ってきそうな想定問答集を準備する、売り手側でも事前に簡易的なデューデリジェンス(セルサイドデューデリジェンス)を行って認識をすりあわせておく……といった準備をしておくことも有効です。
3.表明保証の線引きを明確にする
表明保証(Representation and Warranty)とは、売り手側が「開示した情報が正確である」と保証することを言い、レプワラなどとも呼ばれます。
この表明は、M&A契約時における補償条項と関わっており、もし事前に表明保証していた内容と異なる事情が発覚した場合、買い手側が受けた損害の補償義務が発生するおそれがあります。
こうしたトラブルを起こさないために、売り手は正確な情報開示に努めると同時に、想定外のことが起こりやすい部分に対しては、表明保証を慎重に検討することも重要です。
特に、資産の所有権、外注した制作物の著作権といった権利関係は後々紛争が発生し、表明保証の違反となってしまうケースがあります。十分に注意してください。
なお、表明保証違反による経済的損失を補償する「表明保証保険」という違反対策も存在しており、規模の大きいM&Aではこうした方法で対処することもあります。
4.状況に応じて弁護士の同席も検討する
デューデリジェンスでは、対象企業の内部を調べるため、代表取締役以外の役員や重要な関係者に対してもインタビューを実施する場合があります。
その際、特に取引先との契約内容などの法的な部分のチェックを行う法務デューデリジェンスにおいては、弁護士を交えて行うことで、先方の意思に基づいた回答が行いやすくなります。
タイムチャージなど別途費用がかかることもありますが、顧問弁護士がいる場合は一度相談をしてみるのもよいでしょう。
5.曖昧な回答をしない
専門家からのインタビューを受ける場合、質問内容に対して正確に回答することが重要です。売り手が曖昧な回答をすると、買い手側は正しい情報を把握できず、結果としてお互いの不信感を募らせることとなります。
企業の潜在リスクや弱みなど、経営者側からすれば口に出したくない部分を突きつけられるような場合であっても、なるべく包み隠さず、正確な回答を心がけましょう。
また質問が理解できない場合は正直にそれを伝え、きちんと質問内容を理解したうえで回答を行うようにしてください。正確な回答に時間がかかる場合は、その旨と回答期限を伝えたうえで保留するのもよいでしょう。
6.協力する姿勢を見せる
デューデリジェンス、ひいてはM&Aの目的は、「互いにとってよりよい取引を行うこと」です。「相手を出し抜いて安く買う/高く売りつける」ことではありません。
多くの場合、売り手はデューデリジェンスの過程で買い手から厳しい指摘を受けることになります。想定よりも低い評価にショックを受けることもあるかもしれません。
しかし、あくまで目的は「Win-Winの関係になること」。ただ事業を売り買いするのではなく、売り手と買い手が同じ方向を向き、ゴールを目指すことが大切です。
最終的にお互いの利害が一致しないというケースもありえますが、デューデリジェンスの間は互いに信頼し、粘り強く協力していく姿勢を保ちましょう。
まとめ
デューデリジェンスでは、売り手、買い手双方の信頼が必要不可欠です。
事前準備を十分に行い、スムーズな進行につとめましょう。
次のページでは「デューデリジェンスを行う側の注意点」について解説します。
もし、本記事で解説した内容についてお悩みの場合は、冒頭でもご紹介したKnowHowsの「みんなで事業相談」の利用をおすすめします。
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