株主にはどんな権利がある?株式比率ごとにできることを一覧で解説
資本政策の作成方法を解説!押さえておくべき3つのポイントも紹介
- もっと解説してほしい0
5665
0
0
0
Index
この記事でわかること
- 資本政策がなぜ必要なのか
- 資本政策の具体的な作成方法について
- 上場前と上場後における資本政策の注意点
はじめに
資本政策とは、資金調達や株主構成の最適化を図るための具体的なプランニングです。
一度計画を実行してしまうと、基本的に後戻りができないため、入念にシミュレーションを行う必要があります。本記事では資本政策の必要性、具体的な作成手順、上場前後における注意点について解説していきます。
なお、資本政策についてあまり詳しくない方や手軽にシミュレーションを行いたい方は、KnowHowsの「資本政策シミュレータ」を試してみるのをおすすめします。こちらは、複数のシミュレーションを実行することができ、結果はリアルタイムで共有可能です。リスクを把握し、最適な資本政策を整えましょう。
【利用無料】KnowHowsの資本政策シミュレータを使ってみる!
1.なぜ資本政策が必要なのか?たとえ話でわかりやすく解説
なぜ資本政策を作成しなければならないのでしょうか。資本政策なしに経営を進めることはできないのでしょうか。
ここでは、資本政策の重要性をたとえ話に置き換えて解説します。基本的な考え方となりますので、理解しておきましょう。
①
あるバッヂがあると仮定しましょう。
このバッヂを持っている人は、持っている数に応じて、会社の方針や人事についての決定権を持つことができます。
バッヂを多く持っている人ほど、経営により大きな影響を与えられることになります。
↓
②
あるところに、自分のお店を開きたいXさんがいます。
Xさんはやる気はありますが、肝心のお店を開く資金がありません。
そこでXさんは、先ほどのバッヂを100個作り、そのうち49個をお金持ちのYさんに渡すかわりに、お金をもらうことにしました。
YさんはXさんの経営に口を出せることになりますが、Xさんは51個のバッヂを持っているため、Yさんより強い権限を持っています。
そのため問題ないだろうとXさんは考えました。
↓
③
しかし、Xさんが始めたお店はなかなか軌道に乗りません。そしてとうとう、Yさんからもらったお金がなくなってしまいました。
困ったXさんは、さらに新しくバッヂを作って他の人に渡し、その対価としてお金をもらおうと思いつきます。
Xさんはさっそく新たに100個のバッヂを作り、それをZさんやAさんといった多くの人に渡してお金を集めました。
これでもうしばらくはお店を続けられそうです!
↓
④
ところで、Xさんが新たにバッヂを100個作ったため、いまXさんのバッヂは全部で200個あることになります。
そのうち、Xさんが持っているバッヂの数は51個。
200個中51個ということは、全体のおよそ25%のバッヂしか、Xさんは所有していないことになります。
Xさんはなんだか少し、嫌な予感がしました。
↓
⑤
Xさんの予感は的中します。
ある日突然、お金持ちのYさんがやってきて、Xさんの店の経営権を自分によこせと言い始めたのです。
Yさんは他のバッヂを持っていた人と協力して、Xさんを追い出すことにしたのでした。
Yさんに賛同して集まった人たちの持つバッヂの合計は140個。Xさんよりもずっと多い数です。
最初に言った通り、バッヂが多い人ほどお店の経営に対する権限は強くなります。
お店の方針について多数決が採られた結果、結局Xさんは泣く泣く、お店を手放すことになってしまったのでした。
……いかがでしたでしょうか。
このストーリーに出てくるバッヂが、つまり株式です。
ベンチャー企業などが行ういわゆる資金調達は多くの場合、ちょうどXさんが②のパートで行ったように、バッヂ=株式を渡す代わりに、資金を得ることを指します。
今回の例のように、資金調達で無計画に株式を発行してしまうと、経営のコントロールを失うことに繋がりかねません。
だからこそ、
- どのタイミングで
- どのくらいの株式を
- いくらの資金と引き換えに
渡すのか、きちんと計画を立てていく必要があります。
大雑把ではありますが、これが資本政策を行う大きな意義です。
2.資本政策の作成方法
では実際に、どのように資本政策を行っていくのか、この章で解説していきます。
①事業計画の作成
資本政策の要とも言えるのが事業計画です。まず、損益計算や資金収支計画の作成を行います。事業計画を作成する上で重要なのは、現場から情報を拾い集めることです。資本政策は一度実行すると後戻りできないため、実現不可能な計画を立ててしまうと経営が苦しくなってしまいます。
資金収支計画は、資金調達の予測を立てる上で重要です。資金調達は多ければ多いほど良い、というものではありません。過度に調達すると経営層のが持つ株の比率が低くなり、その後の資金調達がやりにくくなります。
一方で資金調達のタイミングを逃すと資金繰りが難しくなるため、うまくタイミングを計ることが必要となります。
②資本政策の目標設定
資金調達の金額、株価、持分比率などの目標を設定します。また、創業者のキャピタルゲインも決めておきましょう。資本政策を実行することで、どのような状態を目指すのかを明らかにします。
③資本政策の手法決定・実行
増資(株主割当増資、第三者割当増資)、ストックオプション、株主譲渡など、株式の発行が関わるシーンは数多くあります。
会社の規模が大きくなり、資金調達の回数が多くなるほど、株式の発行が関係者に及ぼす影響は複雑になってきます。
そのため、どのような資本政策を実施するのが妥当なのか、シミュレーションを繰り返しながら検討していくことになります。
KnowHowsの資本政策シミュレータは、無料で資本政策を練ることが可能なツールです。資本政策の及ぼす影響を必要な項目を入力するだけでシミュレートが可能。ぜひお試しください。
④定期的に見直しを行う
どれだけ入念にシミュレーションを行ったとしても、経営状況は日々変化していきます。経営状況が変わると、それに応じて事業計画や資本政策の目標も変わるでしょう。そのため、年に数回は資本政策を見直し、都度計画を修正していきましょう。
3.上場前と上場後で気をつけるべきポイント
本章では上場前後における資本政策の気をつけるべきポイントについて解説します。上場前後で資本政策の目的や注意点が異なるため、予め把握しておくと資本政策がスムーズに進められるでしょう。
①資本政策の目的
上場前の資本政策
ほとんどの場合、創業直後の企業は十分な資金がありません。自己資金のみで事業を成長させていくのは難しいでしょう。特にスピード感が求められるベンチャー企業やスタートアップでは、創業初期の時点で資金調達を行い、事業をいち早くスケールさせることが不可欠です。
ベンチャーキャピタルや投資家から出資を受けるには、しっかりと資本政策を練ることが大切です。特に上場前の企業の場合、一度譲渡した株式を買い戻すのはとても困難。やりなおしができないからこそ、入念なシミュレーションが必要です。
上場後の資本政策
株式の上場後は、一般の投資家に利益を還元していくために、資本政策が重要となります。誰でも自由に株式が売買されるようになるぶん、企業は厳しい市場の目にさらされることになります。投資家に自社の株を魅力と感じてもらい、よい関係を築くためにも、資本政策を通じた株主へのリターンを考えていかねばなりません。
また、株式が誰でも買えるようになったことで、自社の経営にとって不都合な株主が増えることも考えられます。上場後の経営方針を安定させるため、自社の役員や取引先といった結びつきの強い相手と株式を持ち合う、いわゆる安定株主の確保も必要となってきます。
②上場前後で気をつけるべき3つのポイント
経営陣の持株比率は下がり続けるため、計画的な資金調達が必要
第一章でXさんがバッヂを作りすぎてしまったように、増資を行うことは、自分(企業)が自分で所有する株式の割合を下げることにつながります。
ベンチャー企業が株式と引き換えに行う資金調達は、経営のコントロールを引き換えにしながらお金を得ているとも言えます。非上場企業の場合、一度譲渡した株式の買戻しは困難なため、経営層が会社に対して持つ影響力(持ち株の比率)は、下がることはあっても、上がることはありません。
だからこそ、慎重な資本政策の策定が求められるのです。
創業メンバーと株主間契約を締結し、買取条件を定めておく
上場時に株式を売却して得られる利益だけを目的に創業メンバーに加わり、すぐに離脱してしまう……。そのようなトラブルが起こる場合もあります。
このような深刻な例でなくとも、資金調達を行うほど自社の持ち株比率が下がるという関係上、自社の株式は必要な時以外はなるべく多く持っておきたいところ。
株式を創業メンバーに譲渡する場合であっても、株主間契約によって辞職の際には売却するよう定めておくといった施策をとっておきましょう。
上場前後の株式移動は規制がある
上場後に株式の移動を行うと、税務上のリスクが発生することもあります。退職する従業員が保有している現在の価額で1,000万円の株式を、取得当時の価額である100万円で会社へ譲渡するとしましょう。
この場合、会社は普通に買い戻すよりも差額の900万円ぶん、割安で株式を得たことになります。
これが利益を得たとみなされ、贈与税の対象となることがあるのです。こうした税務上のリスクも把握しておきましょう。
4.まとめ
- 資本政策は資金調達を計画的に行うためにも、欠かせない計画の一つ。適切かつ適正に資金調達を行うことで、資金繰りがスムーズになる。
- 資本政策はやりなおしができないため、入念に複数のシミュレーションを何度も行うことが重要。
おわりに
資本政策は会社の事業計画を達成させるために必要な資金を、どのように調達するかを具体的に示すものです。しっかり現場から情報を収集し、実行可能な資本政策を策定しましょう。
KnowHowsの「資本政策シミュレータ」であれば、無料で資本政策を作ることができます。プレミアムプランであれば、複数のシミュレーションを何度でも行えるます。ぜひご活用ください。
>>【無料でお試し!】KnowHowsの資本政策シミュレータ
この記事の評価をお願いします
0
この記事を書いた人
このユーザーの他の投稿
関連のあるコラム
投稿を削除します。本当によろしいですか?
関連する質問がAIで生成されています。
資本政策を策定する際、自社の事業計画と市場環境の変化をどのように見極めてバランスを取るべきでしょうか?特に中小企業は市場の変動に対して柔軟に対応する必要がありますが、何か効果的な方法があるのでしょうか?
資本政策を実行した後に市場環境が大きく変動することを想定して、どのようにして資本政策のリスクヘッジを行うべきでしょうか?具体的なシミュレーションの例や成功事例があれば教えてください。
第三者割当増資を検討しておりますが、どの程度の株式割合を譲渡するのが適正でしょうか?譲渡する際の株価の設定方法や、具体的な対策について教えていただけますか?
上場前にベンチャーキャピタルからの出資を受ける際、創業者としてコントロールを失わないための契約条項や持ち株比率の移行計画についてどのように設定すれば良いでしょうか?具体的な例を交えて教えてください。
創業メンバーとの株主間契約を締結する際、辞職時の株式買取条件をどのように設定するべきでしょうか?税務上のリスクや退職後の経営への影響を最小限に抑えるためのノウハウがあれば教えてください。
上場後の資本政策を考える際に特に重視すべきポイントは何でしょうか?株主構成の安定や市場評価の向上を目指すための具体的な戦略について教えていただきたいです。
株式の過半数を占める安定株主を確保する具体的な方法や契約条件について教えてください。特に取引先や役員といった関係者とどのようにして協議を進めるのが良いか知りたいです。
増資や株式発行について、どのような書類や手続きを準備する必要があるのでしょうか?法務・税務上の注意点や関係各所との調整について具体的なアドバイスをいただけると幸いです。
上場前後の税務上のリスクは具体的にどのようなものがありますか?これらのリスクを回避するためにどのような対策が考えられるでしょうか?事例を交えて解説していただけると助かります。
株式の譲渡や増資に関して、従業員への教育や理解の促進が重要と感じています。従業員に対してどのように説明し、納得してもらう方法が効果的でしょうか?具体的なアプローチやコミュニケーション方法を教えてください。
閉じる
ダウンロード
20万円以上の契約書を無料でご利用できます。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
ダウンロード
多くの事業に重要な知識が
ダウンロードできます。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
あなたの知識を
欲しい人がいます。
関わる経験や知識が必要な人たちが待ってます。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
投稿できます。
多くのプロとつながりましょう。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
相談できます。
事業、M&A、財務、法務に関わる
専門知識をもったプロがお答えします。
KnowHowsは、専門家と相談者をつなぐ
オンラインプラットフォームです。
プロフィール画像を登録してください
有料のプラン登録をしませんか?
電話番号認証のお願い
アップグレード
アクセス権限
3IP同時ログインが可能株価算定概要書のDL
資本政策利用無制限
機能が全て利用可能
株価算定も追加費用なしで利用し放題公式の知識を買う/売るの無制限
ノウハウズ公式のアカウントによる投稿のみ対象契約書ダウンロードの無制限