資本業務提携契約書のひな形(出資を伴う提携)と契約のコツ|弁護士監修
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資本業務提携契約書のひな形(出資を伴う提携)と契約のコツ|弁護士監修
出資を伴う業務提携(資本業務提携)を行う際に使用する契約書のひな形です。業務提携の内容、第三者割当増資の条件、独占的協業、提携解消時の株式の取扱いまで一体的に定めています。
「いきなり100%買収」の前にこのステップをとることも買い手側、売り手側の一考の案です。
M&Aに最初から踏み切るのではなく、まずは業務提携から始め、その実効性を担保するために一定の出資を行う「資本業務提携」は、事業会社によるスタートアップ投資やオープンイノベーションの文脈で急速に増えています。本ひな形は、業務提携の内容と第三者割当増資による出資の実行を1本の契約書にまとめた汎用形式です。
単独の業務提携契約や株式引受契約とは異なり、出資の前提条件・表明保証・提携解消時の株式の取扱いまで一体的にカバーしている点が特徴です。
この契約書の利用シーン、意義概要
本ひな形は、甲(出資者・事業会社)が乙(被出資会社)に対して第三者割当増資による出資を行うと同時に、両社が特定の事業分野で業務提携を行う場面を想定しています。買収(100%子会社化)まではしないものの、単なる業務提携より強い関係を築きたい場合の選択肢として利用されます。
資本関係と業務提携の関係が曖昧なまま契約を進めると、「出資はしたが提携の実体がない」「提携は続いているが株式だけが塩漬けになる」といった事態に陥りやすいため、本ひな形では運営体制(連絡協議会・オブザーバー派遣)や提携解消時の株式の継続保有及び買取りに関する協議の仕組みをあらかじめ定めています。
契約書の一部抜粋
第5条(前提条件) 甲の本出資の払込義務は、払込期日において次の各号の事項がすべて充足されていることを条件とする。1.第6条に定める乙の表明保証が重要な点において真実かつ正確であること。
第15条(提携解消時の処理) 1. 本契約が終了した場合、甲は、保有する乙の株式を継続して保有することができる。また、甲が当該株式の全部又は一部の譲渡を希望するときは、乙に対し、乙又は第三者による買取りについて協議を求めることができ、乙はこれに誠実に応じる。
この契約書の重要ポイント
① 前提条件と表明保証(第5条・第6条)
資本業務提携契約は、単なる業務委託契約と異なり、出資という財産的処分行為を伴うため、M&A契約に準じた「前提条件(クロージング前に満たすべき条件)」と「表明保証(相手方の状況が真実であることの保証)」の規定を設けています。特に乙の財務情報の正確性(第6条第3号)は、出資判断の前提となる重要な保証事項です。
② 独占的協業・競業避止(第7条)
第7条は、提携の目的や出資の背景を踏まえ、乙が甲の競合他社と類似の提携・出資受入れを行うことを一定範囲で制限する条項です。ただし、独占的協業や競業避止義務は、乙の事業活動や将来の資金調達を制約する可能性があるため、対象事業、期間、地域及び例外事由を個別に検討してください。
③ 利益相反の管理(第9条)
役員の兼任・派遣やオブザーバー参加を伴う資本業務提携では、当事者間の取引について、利益相反や関連当事者取引への該当性が問題となる場合があります。これらは同一の概念ではなく、該当性や必要な対応は個別に確認する必要があります。上場審査や継続開示の場面でも重視される論点であるため、本ひな形では、関係の事前開示、特別の利害関係を有する者の意思決定への関与の制限及び取引条件の公正性を確保するための条項を設け、上場準備企業も活用しやすいものとしています。
④ 提携解消時の株式の取扱い(第15条)
資本業務提携で最もトラブルになりやすいのが「提携が終わったのに資本関係だけが残る」というケースです。本ひな形では、提携終了後も出資者が株式を継続保有できることを確認するとともに、譲渡を希望する場合には、被出資会社又は第三者による買取りについて協議を求められる仕組み(第15条)を定めています。
この契約書の注意点
● 出資比率や発行する株式の種類(普通株式/種類株式)によって、必要な社内手続や登記事項が異なります。種類株式を用いる場合は、別途株主間契約や定款変更の要否を確認してください。
● 出資比率が一定割合を超える場合、独占禁止法上の株式取得の届出(企業結合規制)が必要となる可能性があります。事前に該当性を確認してください。
● 提携解消時の株式買取価格の算定方法(時価、簿価、DCF法等)を契約締結時にあらかじめ定めておくと、解消時の紛争を防ぎやすくなります。
※ 出資比率、種類株式の設計、独占禁止法上の届出要否等、専門的な判断を要する事項が多く含まれるため、弁護士・公認会計士等の専門家によるレビューを強く推奨します。
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独占的協業条項に関しては、特に乙の事業活動や将来的な資金調達計画にどのような影響を与えるか理解しておきたいです。この条項を導入する際の具体的な考慮ポイントと、その交渉において注意すべき点について、深掘りした解説をお願いできませんか。また、競業避止義務を付けることによって、乙がどのような商機を逃すリスクがあるのか、およびそれをどう評価するか教えてください。最適な期間設定も知りたいです。
第15条に関連して、提携解消時における株式の取扱いについて、乙または第三者による買取り実現可能性について詳しく知りたいです。具体的に、契約時点で如何に株式買取りの価格設定を行うべきか、またその価格決定における優先すべき要因について明確にご教授ください。時価、簿価、DCF法等の手法間の選択肢のメリット・デメリットも含めた解説をお願いします。
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