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デューデリジェンスの4つの意義
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Index
この記事でわかること
- M&A(買収)において、売り手側(被買収企業)について調査を行うデューデリジェンスというプロセスは非常に重要です。
- デューデリジェンスには、「①M&Aのリスク判断」「②M&Aのリターン分析」「③M&Aでの買収額の決定」「④M&A後の経営方針の決定」という4つの意義があります。
- 思わぬリスクが後になって発覚することのないよう、買い手側(買収元企業)はしっかりとしたデューデリジェンスを実施する必要があります。
はじめに
M&A(買収)の際に、売り手側企業について様々な検証を行う「デューデリジェンス」。
さまざまなトラブルや不利益を避けるうえで、買い手側(買収元企業)にとって欠かすことのできないプロセスと言えます。
このページでは、デューデリジェンスを実施する意義について、
- M&Aのリスク判断
- M&Aのリターン分析
- M&Aでの買収額の算定
- M&A後の経営方針の決定
の4点から、よりくわしい解説をしていきましょう。
また、KnowHowsの「みんなで事業相談」では、専門家に事業の悩みを無料で相談することが可能です。
弁護士や会計士、行政書士、M&Aアドバイザーなど、KnowHowsに登録する専門家があなたの悩みに詳しく回答。
デューデリジェンスも含め、お悩みの際はぜひご活用ください。
1.デューデリジェンスの意義①:M&Aのリスク判断
デューデリジェンスの最も大きな意義は「M&Aに伴うリスクの判断」です。
M&Aのオファーを受けた段階では、買い手側企業は売り手側企業の内情について、公開されている限りのことしか把握していません。
万が一、売り手側が買い手側に不利となるリスクを隠していたり、また売り手側自身も潜在リスクに気付いていなかった場合などは、投資に見合う収益が得られないおそれがあります。
こうしたリスクを減らし、公正な取引を行うために、デューデリジェンスが実施されるのです。
金融機関からの負債額や納税状況といった「財務/税務デューデリジェンス」や、M&Aの実施が外注先や取引先との契約に影響を及ぼすかどうかの確認といった「法務デューデリジェンス」などが、これらの意義にあたります。
明らかな債務超過であるなど、事業の持続性に問題がある場合は、取引に慎重になるべきだと判断できるはずです。
やや稀ですが、途上国に工場などを所持している場合には、現地の生産体制が環境に負荷を与えていないかを確認する環境デューデリジェンスが必要になる場合もあります。
2.デューデリジェンスの意義②:M&Aのリターン分析
企業のリスクだけでなく、リターンの分析もデューデリジェンスの意義のひとつです。売り手側企業から開示された情報をもとに、取引によるメリットをより明確に見積もることを目指します。
この意義を持つのは、主に事業デューデリジェンスでしょう。
これは売り手側企業の資産やビジネスの収益性を分析し、その企業が持つ価値(企業価値)や、投資によって得られるリターンを算出していく作業となります。
売り手側企業の現時点での収益だけでなく、将来にわたってどのように成長していくのかを推測していき、将来を見据えた損益を計算していくのです。
その過程で、「現在の収益は少ないが、大幅な成長が見込めそうだ」と判断したり、あるいは逆に「いまが収益のピークで、数年後には大幅に収益が減りそうだ」と予測できるかもしれません。
こうした予測をもとに、より確実なリターンを得られる投資ラインを探ることが、事業デューデリジェンスの大きな意義と言えるでしょう。
3.デューデリジェンスの意義③:M&Aでの買収額の決定
こうした企業のリスク、およびリターンの分析は、そのまま買収価格にも反映されます。
法務、財務に関するリスクだけでなく、事業の収益性が大きく変動しそうな場合も「安定した予測が見込めない₌リスクが高い」と判断し、そのぶんだけ買収費用を割り引いて考えるのが一般的です。
その一方で、M&Aに伴うシナジーが買収額に加算して考えることもあります。
たとえば、単体では収益が少ない企業であっても、買い手側にとって非常に価値のあるもの(他企業では真似できない高い技術や特許など)がある場合、実際の収益よりも非常に高い買収額となる場合があります。
こうしたシナジーの算定のためにも、事業デューデリジェンスが活用されます。
4.デューデリジェンスの意義④:M&A後の経営方針の決定
デューデリジェンスにより事業の将来性やリスクを明確にすることは、買収した後の経営方針にもつながります。
特に、事業デューデリジェンスの過程で算出される将来の収益は、そのままM&A後の収益目標にもつながります。
算出の過程で市場動向なども加味されるため、事業を引き継いだ後に必要な施策を考えやすくなるでしょう。また、M&Aにより得られるさまざまなシナジーを活かすために、買い手側企業でどのような体制を整えるのかを考えることもできます。
まとめ
デューデリジェンスは、リスクやリターンの明確化だけでなく、M&Aの買収判断や買収後の経営方針など、M&Aを経た事業全体の今後について計画する重要なプロセスと言えます。
次のページでは「デューデリジェンスを受ける際の注意点」を解説します。
もし、本記事で解説した内容についてお悩みの場合は、冒頭でもご紹介したKnowHowsの「みんなで事業相談」の利用をおすすめします。
こちらでは、資金調達、M&A、株式、人事など、さまざまな専門家から事業の課題に関するアドバイスを受けることが可能です。無料でご利用できますので、少しでも疑問があればぜひ相談してみましょう。
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