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この記事でわかること
- 事業計画を策定するための基本的なステップ
- 事業内容の決め方やターゲットの絞り方など、事業計画を立てる上でのコツ
はじめに
事業計画の策定では、全体の流れを抑えることが重要となります。「次に何をするのか」の判断が迅速になるとともに、必要な事項の抜け漏れを防ぐこともできるからです。
この記事で、事業計画を策定する上での基本的な6つのステップをご紹介します。
また、KnowHowsの「みんなで事業相談」では、専門家に事業の悩みを無料で相談することが可能です。
事業計画の策定も含め、お悩みの際はぜひご活用ください。
1.どんな事業をするのか
第一のステップは、事業内容の決定です。
①事業の内容は多数のアイデア出しから
事業内容を決めるときは、まずアイデアを複数出すのが一般的です。収益性や将来性のある魅力的な事業を生み出すためには、既存の事業と差別化を図ることが大切。ですが、アイデアの数が少ないと類似のものになりやすいからです。
アイデアを出す際は、儲けばかりを考えていると、「この事業でうまくいくかな…」と無意識のうちにストッパーがかかってしまいます。まずは成功、失敗ではなく、自由にアイデアを出すことを心がけてみてください。
またひとりではなく、何人かと一緒にアイデア出しをするのも良い方法です。協力してくれる相手を選ぶときは、常に新しいことに対してポジティブに考えられる人、他の人の意見を否定しない人などにするといいでしょう。
②さまざまに組み合わせて探す
多数のアイデア出しができたら、次に実現の可能性と独自性の高さを天秤にかけながら、アイデアを固めていきます。
事業は成功が固いと見込まれるものであれば、自ずと他の企業と競うことになります。一方で競合を嫌って独自性の高いものにすると、今度は市場で受け入れられず頓挫する可能性が高くなります。
バランスの取れた事業内容を見つけるためには、次の問いを各アイデアに投げかけ、さまざまな組み合わせを模索するのが有効です。
- 既存の市場とは異なる市場で販売できないか
- 別の事業の技術や生産方式は取り込めないか
- 新たな利益獲得方法はないか
- 差別化を提供できる人材やパートナーがいないか
2.なぜその事業をするのか
第二のステップは、その事業を運営する理由を考えることです。「なぜその事業をするのか」、関係者に聞かれたときに速やかに答えられるようにします。
①事業計画策定で大事なこと
事業計画を立てる上で、大事なことのひとつは説得力です。
金融機関、投資家、取引先、上司、同僚といった関係者が、事業計画を聞いたときに「協力したい」「面白そう」と思わせるものでなければいけません。事業を成功させるには、複数の関係者の協力が必要不可欠だからです。
そのため、事業をする理由について、端的に説明できるようにしておく必要があります。次のポイントを抑えながら、考えてみましょう。
- 事業を立ち上げる意味は何か
- 顧客のニーズに応える価値はあるのか
- 事業を運営することによって生じる変化は何か
- そのタイミングで事業を行う理由は何か
②客観的な根拠はあるのか
いかに理由を饒舌に説明できたとしても、客観的な根拠が伴わなければ、やはり机上の空論で済まされてしまいます。
上記の理由を補填する形で、さまざまなデータを集めましょう。たとえば「顧客のニーズに応える価値はあるのか」の答えに、顧客や関係者のアンケート結果を添えれば、より説得力が出てきます。
3.誰を相手にするのか
第三のステップは、具体的なターゲットの決定です。誰がその商品を買ってくれるのか、誰がそのサービスを受けてくれるのか、徹底的に具体化していきます。
①ターゲットを決定する意義
ターゲットを決定する最も大きな目的は、その顧客のニーズの把握です。
何を求めているのか、どんな問題を解決したいのか。そうした思いや悩みを解決するように、商品やサービスを提示することで、はじめて提供する価値が生まれます。そしてそこにこそ、顧客はお金を使ってくれるのです。
従って、ターゲットを決定すると言っても、漠然と捉えてはいけません。
人のニーズは当然、年代によって異なります。また同じ年代でも、住んでいる環境や家族構成によって持つ悩みは変わるでしょう。ターゲットの決定は、すなわちターゲットを絞り込むことだと言えます。
ターゲットの絞り込みでは、有効な方法がいくつかありますが、そのひとつに「それはどんな人なのか」を自問自答する方法があります。
リクルートスーツを販売するなら「それを買ってくれる人はどんな人か」と自分に問うてみてください。
「就活をしている大学生」と答えたら、そこでさらに踏み込み、「就活をしている大学生がいる。それはどんな人なのか」と問うてみます。すると「ひとり暮らしをしている大学3年生」or「神奈川県内で実家ぐらしをしている大学生」、と一段階絞り込むことができます。
②ターゲットの絞り込む上での留意点
ターゲットを絞り込む上で、留意しなければならないポイントがあります。
それは、自分のニーズに気づいていない顧客もいること。「この悩みを解決したい!」と強く思っている人以外に、「自分が何が欲しいのかわからない」という人が少なからずいるのです。
そのため、ターゲットの絞り込みでは、頭の中で思いを巡らすだけでは不十分と言えます。候補としている顧客に、聞き込みを行うことも大切です。
もし、こちらが想定する提供価値が思うように届いていないのであれば、今一度、顧客の目線で提供する価値を見直してみてください。わかりづらい部分はなかったか、競合との差別化はできているかなどをチェックしてみましょう。
4.どこで展開するのか
第四のステップは、事業を展開する市場を明確にすることです。市場の分析を行った上で、必要となれば事業内容の練り直しを行います。
①市場を分析する
市場の分析にはさまざまな切り口がありますが、ここでは市場の規模、及び成長性の分析について解説します。
まず市場の規模については、最初に競合他社がいるかどうかを確認してください。もしすでにいる場合は公的機関や業界団体の統計データを、そうでない場合はフェルミ推定を用いて求めます。
※フェルミ推定とは…ある推定したい事項について、すでに数値が判明している要素から計算式を作成し、求める方法。例えばある駅の1日の利用者数であれば、1編成あたりの乗車人数、1日の電車本数、路線の数という要素から計算式を作り、試算する。
一方、市場の成長性については、「これまで」もしくは「これから」のデータを可能な限り集め、定性・定量両面から分析を行うのが理想とされています。
②事業内容を練り直すときの留意点
もし分析を行い、利益の獲得が難しい結果が出た場合、事業内容の練り直しへと戻るのもひとつでしょう。
ただ留意していただきたいのは、仮に市場が小さく成長性が見られないとしても、イコール事業がうまくいかないとは、必ずしもならないことです。むしろ自社の事業の成長によって、市場が拡大することも十分に考えられます。
事業内容を考え直す前に、それが持つ利益獲得の可能性を、よく見極めるようにしてください。
5.どうやって利益を獲得するのか
第五のステップは、その事業で利益を獲得する方法の決定です。利益を生み出すまでの流れ(バリュー・チェーン)を想定し、利益獲得のためのモデルを設計しましょう。
①バリュー・チェーンの想定
バリュー・チェーンとは、その事業で利益を獲得するまでの流れを具体的にしたものです。たとえば商品を販売する事業であれば、企画、材料の仕入、商品の生産、運搬、販売などとなります。
バリュー・チェーンを想定すれば、自社の強みが明らかになるとともに、どの段階で何が足りていないのかが見えてきます。もし自社で補いきれないのであれば、協力者から調達するなどを検討します。
②利益獲得モデルの設計
バリュー・チェーンを想定したら、利益獲得のためのモデルを設計します。価格と販売コストの面から考えるだけでなく、回転率を上げてみる、定額制にしてみるなど、多角的に考えることが重要です。
アイデア出しの段階で参考にした別の事業が、どのように利益を獲得しているのか参考にするのもいいでしょう。
6.いつ利益が出るのか
第六のステップは、その事業内容で利益が出る時期を示すことです。
①利益が出る時期を予測する手順
いつ利益が出るのか具体的な時期を示すためには、最初に売上の見通しを立てることが重要となります。顧客の獲得ペースと客単価を予測し、各期の売上高を算出しましょう。
次に予想売上高から固定費と変動費率を求め、損益分岐点売上高を計算します。もし計算した結果、市場規模と比較して高すぎる場合は、コストと価格を調整し、算出し直します。
各期の売上とコスト、事業に投資する金額が出揃ったら、各期のキャッシュフローの算定に移ります。計算の結果、キャッシュフローがプラスに転じたときが、その事業における黒字の時期となります。
②いくつかのパターンを用意する
利益が生じるがわかったら、それをベースに、複数の獲得パターンを用意しましょう。
たとえば、事業がうまくいったときのパターンを用意すれば、事業の魅力をより強く伝えることができます。一方、うまくいかなかったときのパターンを用意すれば、事業に見切りをつけるときの判断材料となります。
まとめ
- 事業計画策定の基本的なステップを抑えておけば、次に何をすべきなのか迅速に判断でき、必要な事項の抜け漏れを防げる。
- まずはどんな事業をするのか、なぜその事業をするのかを考える。次のターゲットや市場の分析を行い、利益を獲得するための方法を想定。最後に、時期について予測する。
おわりに
事業計画は1回で完璧なものを作ることは難しく、複数回の検証を行う必要があります。しかしその際、「何をしていたのか」「次は何をすべきなのか」と立ち位置を見失ってしまうと、一から作り直す羽目になる可能性も出てくるでしょう。
迷ったときは、この記事で紹介した基本的なステップに立ち返ってみてください。
もし、本記事で解説した内容についてお悩みの場合は、冒頭でもご紹介したKnowHowsの「みんなで事業相談」の利用もおすすめします。
こちらでは、資金調達、M&A、株式、人事など、さまざまな専門家から事業の課題に関するアドバイスを受けることが可能です。無料でご利用できますので、少しでも疑問があればぜひ相談してみましょう。
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