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中小企業診断士の岡野です。

取引先の倒産は経営において大きな痛手です。大口の取引先が倒産した場合、最悪の場合自社も連鎖倒産してしまうことになります。

何も前触れもなく突然倒産されては大問題なので、早め早めに倒産の兆候を知ることは大事です。

私が今まで体験した、倒産前の企業の動きをご紹介します。今回は販売先を想定して記載しています。

1.支払いが遅くなる

「今までは請求書を送るとすぐに支払いがあったのに、最近は支払期日ぎりぎりに支払われるようになった」という場合、資金繰りが悪化している可能性があります。

1回遅れた程度であれば単にバタバタしているだけかもしれませんが、続くようなら要注意です。

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2.値下げ交渉が増える

今までは普通に支払いを行ってくれていた会社が急に執拗な値下げ交渉をしてくる場合、経営が傾き支払い余力がなくなっている可能性があり、これは危険な兆候です。

但し、様々な取引先から継続的に値下げ交渉があるような場合は、複数の取引先の経営状況が悪化しているのではなく、そもそもの価格が高い可能性の方が高いです。一度価格を検討してみましょう。

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3.社長と連絡がつきづらくなる

純粋に事業が拡大している場合は良いですが、そうでもないのに社長が急に忙しそうにしている場合、金融機関に対しリスケの相談を行っていたり各取引先との価格交渉等をしたりで忙しくなっている可能性があります。

先に挙げた2つ(支払い遅延・価格交渉)と一緒にこの傾向が表れているようであれば要注意です。

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4.従業員の退職が多い

内部の従業員は当然経営状況に敏感ですので、経営状況が悪化すれば辞めていく従業員は増えます。

また、従業員が元々少ない会社の場合、経営状況に問題が無くとも従業員の退職により業績が悪化する可能性もあるため、退職者が出た後の動向には注意が必要です。

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5.新たな事業を始める

単なる事業拡大であれば問題ありませんが、経営悪化の打開策として一発逆転を狙っての新事業であることもあります。こうした場合の新事業は充分な準備や検討を経られていない、いわば「思いつき」の事業であることから、失敗に終わることがほとんどです。

既存事業とのシナジーが見られない事業など、「なぜこんな事業を始めたんだろう?」と思ってしまう事業を始めていることに気づいた場合はその事業について触れてみるのも一つです。歯切れの悪い回答だった場合はかなり危ない状況が想定されます。

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倒産の兆候が見えたら早めの対策を

これらのうち1つくらいでは倒産の兆候と呼ぶほどでもないかもしれませんが、2つも3つも当てはまるようなら危険信号です。

その取引先からの売上が全売上のどの程度の割合を占めているか、もし貸し倒れが発生したとして自社の資金繰りは問題無いかなど、シミュレーションをしておくともしもの時の備えになります。

極力、一社に依存しない売上構成を目指すことが重要です。

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この記事を書いた人

岡野 英之

中小企業診断士

中小企業診断士事務所スタンド・マネジメント

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東京の中小企業診断士です。
資金繰りのご相談やビジネスモデルの検討など、幅広い経営のお悩みをワンストップでお応えしております。

【所属等】
東京都中小企業診断士協会 城北支部
 AI・人工知能研究会 会員
中小企業庁 経営革新等支援機関
公益財団法人東京都中小企業振興公社
 中小企業プロモーション支援事業 専門家
東京商工会議所 板橋支部
一般社団法人エッジプラットフォームコンソーシアム 賛助会員
 ニースワーキンググループメンバー
日本管理会計教育協会 会員

【略歴】
1986年 大阪府大阪市生まれ、兵庫県伊丹市育ち
2009年 京都大学経済学部経営学科 卒業
2009年 NTT西日本 入社
 支店営業→支店営業企画→本社財務
2014年 NTT持株会社に転籍
 グループ全体の事業計画等
2017年 法律事務所の立ち上げに参画【現職】
2019年 中小企業診断士事務所 代表【現職】 

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