• 投稿する

一覧へ戻る
この記事の目次を見る

M&Aのスキーム一覧

この記事でわかること

  • M&Aの手法とその概要
  • 各手法のメリット・デメリット
ここに知識を出品

はじめに

M&Aの手法(スキーム)には様々なものがあり、それぞれ特徴が異なります。

この記事では、M&Aのスキームと、手法ごとのメリット・デメリットを紹介していきます。M&Aの検討時にお役立てください。

また、KnowHowsでは、専門家に事業の悩みを無料で相談できるみんなで事業相談」や、M&Aまでの企業成長プランを無料でシミュレートできる資本政策シミュレータ」をご用意しています。

本記事と合わせて、ぜひご活用ください。

みんなで事業相談.png

【利用無料】いままでの回答を見てみる!

image.png

【利用無料】KnowHowsの資本政策シミュレータを使ってみる!

ここに知識を出品

1.M&Aにおける合併・分割の手法とその特徴

合併・分割とは、2つ以上の複数の企業が1社に統合される、あるいは1社が複数に分割されることを指し、会社法上の組織再編行為として定義づけられている手法です。

以下、代表的な下記3つの手法を紹介していきます。

①吸収合併

②新設合併

③吸収分割

①吸収合併

存続する1社が、消滅する企業の権利や義務などすべてを承継します。

資産の所有権や各雇用契約などの巻き直しが必要ないため、M&Aで合併を行うケースでは一般的に採用されることの多い手法です。

なお、消滅する側の株主には、消滅した企業の株式の代わりに、吸収した会社の株式が対価として渡されることが一般的ですが、この際、株主が元々保有した株式数に対して、どの程度の比率で対価となる株式を渡すのかが重要となります。

また、M&Aに反対する株主がいた場合、株式買取請求権の行使によって、保有している株式の買い取りを迫られるケースもあります。

また吸収した側の企業から見て、望ましくない株主に自社の株式を渡すことになる場合もあり、こうした株主を排除するために、スクイーズ・アウトと呼ばれる株式の買い取りを実行するケースもあります。

②新設合併

新設合併は、新しい会社を設立し、その会社に合併に応じた企業の権利・義務・資産などをすべてを承継させる手法です。合併後、既存の企業はすべて消滅します。

合併に関わった当事者企業の既存株主には、新設企業の株式が渡される形となります。

③吸収分割

事業の一部を子会社などの形で切り出し、買い手企業に合併させるパターンです。当事者となる企業はいずれも存続しますが、分割した企業は消滅します。

さらに、承継会社が分割の対価を対象外社へ株式で交付する「分社型分割」株式を対象会社の株主へ交付する「分割型分割」の2つに分けられます。

税制上のメリットが大きくなる場合に採用されることがあります。

ここに知識を出品

2.M&Aにおける買収の手法とその特徴

買収とは、議決権が与えられた発行済株式の過半数を買い取ったり、契約によって事業にかかる人材・資産・設備などの所有権を移転することにより、企業の経営権を取得する方法を言います。

①株式譲渡

②事業譲渡

③株式交換

④第三者割当増資

⑤株式公開買付(TOB)

の5つの手法を紹介します。

①株式譲渡

金銭を対価に売り手企業の株式を譲渡し、買い手に経営権を取得させる手法です。株主が変更されるだけで、企業そのものは今まで通り存続となります。

株式を自由に譲渡できる公開会社の場合、株式譲渡は株主総会での承認などの手続きを行う必要がないため、他の手法と比べ比較的手続きが簡単となるのがポイントとなります。

ただし未上場企業の場合、定款にて発行株式すべてに譲渡制限をかけている非公開会社(株式譲渡制限会社)であるケースが多く、この場合は取締役会、株主総会での承認が必要となります。

②事業譲渡

企業が保持している一部、もしくはすべての事業の一部を受け渡すことを言います。契約において、譲渡対象となるものについて個別に特定する必要があるため、手続きは煩雑となります。

その一方で、偶発債務が予期される部分について事前に切り分けたうえで譲渡することが可能なため、買い手から見たリスクが抑えられる点がメリットとなります。

③株式交換

売り手企業の発行済株式を買い手が取得し、対価として既存株主に買い手企業の株式を渡す手法です。株式譲渡が金銭を対価としているのに対し、こちらは買い手の株式が対価となっている点に違いがあります。

発行済株式をすべて受け渡した会社を完全子会社、取得した会社を完全親会社といいます。

株式を対価として渡すことにより、資金がない場合でも経営権を取得できる点が買い手にとってのメリットとなります。

④第三者割当増資

買い手企業に新株を発行して割り当て、その対価として増資を受ける手法です。

資金調達の一手法でもありますが、新株の発行数が全株式の過半数を超えた場合は経営権が移転することになるため、M&Aの手法としても使われます。

ただし、既存株主を排除できない点や、大量に新株を発行することによって株式の価値が下がるリスクのある点などが問題となることがあります。

⑤株式公開買付(TOB)

買取株価・買取株式数・買付日を公表し、不特定多数の株主から株式を大量に買収する手法で、上場企業のM&Aにおいて使われます。

買取株価を宣言しているので、株価上昇などの影響を受けません。また、買取株式数が予定を下回った場合、キャンセルされる場合もあります。

ここに知識を出品

まとめ

  • 合併の手法
名称概要
吸収合併存続する1社が他の会社を吸収する手法。比較的よく利用される。
新設合併新設会社に合併当事者がすべての権利を引き継ぐ手法。
吸収分割売却する事業を分割して切り出し、売り手に合併させる手法
  • 買収の手法
名称概要
株式譲渡買い手が売り手の株式を金銭などを対価に買い取り、経営権を取得する手法。
事業譲渡買い手が売り手の事業に関わる資産・人材などについて個別に所有権の移転契約を行う手法。
株式交換買い手が売り手の株式を取得し、対価として買い手の株式を既存株主に渡す手法。
第三者割当増資売り手が新株発行権を対価に、買い手から資金を得る手法。発行株式数によって経営権が移転する場合はM&Aスキームとなる
株式公開買付(TOB)買い手が売り手の株式の買い取りを宣言し、市場から一括で株式を買い付ける手法。上場企業のM&Aに使われる。
ここに知識を出品

おわりに

どのような手法を利用するのかによって、メリット・デメリットは大きく異なります。自社の状況に合った手法を選ぶことが必要です。

「経営のお悩みを解決するプラットフォーム」KnowHowsでは、M&A、株式、資金調達、人事など、あらゆる経営課題の相談ができます。

M&Aでお悩みの際はぜひご利用ください。

みんなで事業相談.png

>>KnowHowsでM&Aの専門家に無料で相談してみる

また、KnowHowsでは、M&Aを目指す企業にとって不可欠な資本政策を無料でシミュレートできる資本政策シミュレータをご用意しています。

必要な項目を入力するだけで、リスクがわかる資本政策がオンライン上で作成可能です。

作成は無料で行えますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。

image.png

>>【無料でお試し!】KnowHowsの資本政策シミュレータ

ここに知識を出品

この記事の評価をお願いします

この記事を書いた人

KnowHows 編集部

株式会社KnowHows

9

さまざまな事業課題の解決に役立つ情報をお届けしていきます。

気軽にお話してみませんか?

このユーザーの他の投稿

関連のあるコラム

この記事に質問してみませんか?
関連する質問がAIで生成されています。

M&Aを検討する際、企業文化の統合についてどのようにアプローチすればよいでしょうか?成功例や失敗例を参考に具体的な手法を教えてください。

この質問で投稿する

M&Aの手法として税務上の観点から見た時に最も有利とされるのはどれでしょうか?また、それを実現する際の具体的な手続きや注意点についても教えてください。

この質問で投稿する

私たちのような中小企業がM&Aの対象になる場合、どのような評価基準を持って自社の適正価格を見極めればよいでしょうか?業種による違いや、具体的な算定方法についても詳しく教えてください。

この質問で投稿する

M&Aを実行する際に必要な法務的な準備として、具体的にどのような書類や手続きが必要になるのでしょうか?また、それへの対応策や助言を得るための理想的な専門家の選び方も教えてください。

この質問で投稿する

吸収合併や新設合併だけでなく、分割手法を検討する際にはどのようなリスクがあるのでしょうか?例えば従業員の雇用、契約内容の再確認、取引先との関係など具体的な視点で教えてください。

この質問で投稿する

株式譲渡の場合、事業承継も兼ねるケースが多いと聞きますが、この際に重要となる株主間契約や株式買取請求権の行使について具体的にどのように対処すべきでしょうか?

この質問で投稿する

事業譲渡において、偶発債務や潜在リスクを最小化するために注意すべき点は何でしょうか?またそのリスクを契約書に盛り込む際の具体例を教えてください。

この質問で投稿する

第三者割当増資を実施するために現経営者が行うべき資金調達の具体的な方法や、事前の計画についてアドバイスをいただけないでしょうか?新株発行の評価や株主対応も含めた視点でお願いします。

この質問で投稿する

株式公開買付(TOB)の手法を活用する際、上場企業だけでなく非公開企業の場合も視野に入れたアプローチが可能でしょうか?その場合の具体的な手続きやメリット、デメリットについて詳しく教えてください。

この質問で投稿する

会社分割を通じた事業再編を検討していますが、優先的に解決すべき財務や法務の問題はどのようなものでしょうか?実際の事例を踏まえて具体的な対策方法も教えてください。

この質問で投稿する

閉じる

専門家に匿名で!ちょこっと相談