【5分でわかる】プロダクトポートフォリオマネジメントとは
M&Aの戦略立案に役立つ2つのフレームワーク
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Index
この記事でわかること
- 売り手企業が自社の価値を把握するフレームワーク
- M&A戦略に活用できるフレームワーク
はじめに
新規事業への参入や事業拡大に向けて、M&Aの利用を検討する企業が大幅に増加しています。M&Aを成功に導くにはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
そんな悩みをお持ちの方に向けて、本記事ではM&Aにおける現状分析や戦略の方向性を見積もる際に便利な、以下2つのフレームワークについて説明していきます。
- PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)
- アンゾフのマトリクス
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1.PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)
M&Aに際して、自社の現状や経営課題、強化すべき点について考える必要があります。その際に活用されるのが、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)と呼ばれるフレームワークです。
PPMでは市場成長率と市場におけるシェアを軸として分析を行います。実際にどのように分析するのかを見ていきましょう。
①自社の既存事業を4つに分類する
縦軸に市場成長率、横軸に市場のシェアをとり、既存の事業がそれぞれ下記4つのどの領域に位置するのか、分類していきます。
- 問題児:市場成長率は高いが、市場シェアが低い
- スター:市場成長率、市場シェアどちらも高い
- 負け犬:市場成長率、市場シェアどちらも低い
- 金のなる木:市場成長率は低いが、市場シェアが高い
複数の事業を展開している場合は、どの領域の事業が多いか、その割合も把握しておきましょう。
②現状から各事業の課題を洗い出す
それぞれのカテゴリの事業には、下記の施策を検討します。
問題児:市場成長率は高いが、市場シェアが低い→シェアを確保することを目的に投資を行い、スターに変化させる
スター:市場成長率、市場シェアどちらも高い→市場の成長に取り残されないよう、積極的な拡大投資を行う
負け犬:市場成長率、市場シェアどちらも低い→撤退を検討する
金のなる木:市場成長率は低いが、市場シェアが高い→現状維持のための投資を行い、シェアを確保する
理想的なバランスは、金のなる木の割合が多く、スター、問題児の順番で割合が少なくなることです。
「金のなる木」事業で生み出された資金をスターおよび問題児に投下し、成長事業にしていく戦略がベストです。
③PPMによる分析をM&A戦略に活かす
PPMで自社の現状を分析すると、4つに分類したうちのどこが不足しているかが把握できます。M&Aでは、不足している部分を補える企業・事業と取引を行うことで、より自社の成長を期待できるでしょう。
たとえば、安定した収益源がない場合、市場の変化が激しくない市場で高いシェア率を誇っている事業、つまり金のなる木に当たる事業の買収が望ましいでしょう。
一方で、市場の成長性が高い事業が少ない企業は、高い成長率を秘めている問題児やスターにあたる事業を買収するという戦略が有効です。
また一方で、問題児の事業の割合が多く投資拡大が難しいといった場合には、事業を売却してリソース投下の効率を上げるといったケースも考えられるでしょう。
2.アンゾフのマトリクス
アンゾフのマトリクスは、市場と商品を縦横の横軸にとり、さらに各軸を新規性の有無で分類した表を活用することにより戦略を検討する手法で、M&Aにおいても有効なフレームワークとなります。
以下、ステップごとに解説をしていきます。
①M&Aを行いたい領域を4つに分類する
M&Aを行いたい事業について、下記4つのいずれの領域を目指すのかを検討していきます。
- 新規市場×新規商品
- 新規市場×既存商品
- 既存市場×新規商品
- 既存市場×既存商品
②めざす領域に応じて戦略を検討する
めざす領域が決まったら、具体的なM&Aの戦略を検討しましょう。
新規市場×新規商品
新規市場に新商品を投下する場合、かなり大胆な戦略をとることになります。垂直統合によるサプライチェーンの拡大や、スタートアップ等を買収することによる新規市場への参入といったケースが考えられるでしょう。
企業がスタートアップ等に出資を行うコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)や、アクセラレータ―プログラムなどもこの領域を狙った戦略と言えます。
新規市場×既存商品
既存商品を新規市場に拡大するケースとしては、海外とのクロスボーダーM&Aを通じたグローバル展開や、水平統合によるシェア拡大戦略などが考えられます。
既存市場×新規商品
既存市場に新規商品を投下するパターンの戦略です。製造技術や素材・部品メーカー、特許などを持つ企業をターゲットにM&Aを実施し、商品開発力を高めていく戦略が考えられます。
既存市場×既存商品
既存商品と既存市場の組み合わせでは、マーケティングや販売チャネル、生産体制などの強化によって競争力を高めていく戦略となります。
まとめ
- PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)は、事業を市場シェアと市場の成長性の二軸で分類することで、それぞれの事業の課題と方向性を洗い出すフレームワークである。
- 一方でアンゾフのマトリクスは、市場と商品の新規性から取り得る戦略を分類し、方向性を定めるためのフレームワークである。
おわりに
今回紹介したPPMとアンゾフのマトリクスを活用することで、自社の現状を理解し、M&Aで何を目指すのかを明確にすることができます。専門家のアドバイスを受けつつ、上図に活用していきましょう。
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