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この記事でわかること

  • 「企業価値₌株式の時価総額+金融機関などからの負債」。時価総額はあくまで企業価値の一部です。混同しないように注意しましょう。
  • 上場企業の時価総額は「株価×株式発行数」という計算式から算出されます。一方で非上場企業の場合は、企業の収益性や資産などをベースに時価総額を計算していきます。
  • 時価総額は、①M&A時の買収価格、②第三者割当増資における新株発行数、③合併におけるスクイーズ・アウト(少数株主排除)の金額、などの参考指標として使われます。
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はじめに

企業価値時価総額はいずれも「企業の価値」を示すファイナンス用語ですが、その具体的な意味合いは大きく異なります。

この記事では、混同しやすい企業価値と時価総額の違いを紹介。また同時に、上場企業と非上場企業ごとの算出方法についても、具体例を含めながら解説していきます。

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1.間違いやすい「企業価値」と「時価総額」の違い

「企業価値」という言葉をインターネットなどで調べてみると、「企業が持つ事業の価値を金額で表したもの」という説明がでてきます。

一方で、時価総額とは、企業の発行する株式の価格を合計したものです。

株式の価格は、投資家が考える企業の価値によって上下しますので、一見すると時価総額と企業価値は同じであるように思えますが、両者には大きな違いがあります。

かんたんに言うと、時価総額は企業価値の一部にすぎません。

下記の図に、時価総額と企業価値の関係についてまとめました。

一見すると「なぜ負債も価値とみなされるの?」と不思議に思うかもしれません。

しかし、これは金融機関や投資家の立場になってみると説明がつきます。

投資家も金融機関も、無根拠に株を買ったり、お金を貸してくれるわけではありません。

銀行は金利、投資家は株式の売買益配当金など「その投資/融資が自分たちにとって利益になる」と考えるからこそ、お金を貸したり、株式を購入するのです。

つまり別のいい方をすると、時価総額や負債は、「投資家や金融機関が、それだけお金を払っても元がとれると判断している」という証拠だと考えることもできます。

大まかな解説ではありますが、有利子負債₊時価総額₌企業価値となるのはこうした理由からとなります。

ベンチャー・キャピタルから株式を対価として資金調達を行い、銀行からの借り入れをしない場合など、時価総額が企業価値と等しくなるケースもありますが、厳密には両者は異なるものを指していることは覚えておきましょう。

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2.上場企業/非上場企業それぞれの時価総額の算出法

次に時価総額の算出方法について、

・上場企業

・非上場企業

のケース別に解説していきます。

①上場企業の場合

上場企業の場合、時価総額の算出方法はとてもシンプルです。

時価総額=現在の株価 × 発行株式数

このとき、株価が高ければ、もしくは発行株式数が多ければ企業の規模が大きいと思われがちですが、実際はこれらの数値が直接「企業の大きさ」を表しているわけではありません。

たとえば以下は、日本を代表する電機業界の最大手である、東芝と日立の株価・発行株式数・時価総額を比較したものです。

企業名株価発行株式数時価総額
東芝3,640円544,000,000株1,993,760百万円
日立3,645円966,692,677株3,525,528百万円

※データは2019年4月時点

東芝の株価は3,640円、日立の株価は3,645円と同程度ですが、両社の時価総額を比較すると1.5倍ほどスケールが近く違うことがお分かりいただけると思います。

今度は逆に、株式や発行株式数がバラバラでも時価総額が同じケースを見てみましょう。

企業名株価発行株式数時価総額
NTTドコモ2,364円3,335,231,094株7,931,180百万円
三菱UFJ565円13,667,770,520株7,662,152百万円

※データは2019年4月時点

この2社の時価総額は8兆円程度でほぼ同じですが株価や発行株式数は全く異なります。

1株あたりの株価や発行株式数は企業によって大きく異なるため、どちらか片方だけでは企業規模を把握できないことを覚えておきましょう。

②非上場企業の場合

中小企業のM&Aなどの場合、対象となる企業が株式を上場していないことが多くあります。こうした場合は、さまざまなアプローチから企業価値を計算し、そこから時価総額を求めていく手法を取ることになります。

このプロセスのことを企業価値評価(バリュエーション)と呼びます。

その計算方法は、主に以下の3つのカテゴリにわけられます。

名称手法の詳細
コストアプローチバランスシートの資産・負債などから価値を算出する方法
インカムアプローチ事業の将来にわたる収益性をベースに価値を算出する方法
マーケットアプローチ類似企業や過去のM&A事例を参考に価値を算出する方法

これらのアプローチを組み合わせて、総合的な企業価値を算出し、そこから前章で解説した金融機関からの負債を引くことで、仮に上場していた場合の時価総額を算出していきます。

より詳しい算定方法について知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。

株式の価値算定方法8つ!計算式や注意点、利用が多いシーンを紹介

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3.時価総額が活用されるケース

ここでは、算出した時価総額がどのような場面で使用されるのかを解説していきます。

①M&Aでの参考指標

M&Aでは、買い手側(買収元企業)・売り手側(被買収企業)の間で買収価格を提示し、決定していく必要があります。その際の参考となる指標のひとつが、時価総額です。

M&Aの方法にはさまざまなスキーム(手法)がありますが、多くの場合、株式の譲渡という形で行われるのが一般的。

つまり、算出された株式の時価総額はそのまま、買収価格の重要な指標となるのです。

実際には、買収が買い手におよぼすさまざまなリスクやシナジー(相乗効果)によって価格は増減しますが、そのためのベースラインとしての意義を持つと考えるとよいでしょう。

②第三者割当増資での参考指標

第三者割当増資とは、企業に第三者が出資を行い、新規に株式を発行することを指します。

厳密にはM&Aではありませんが、出資による新規株式数が全株式の50%を超えていた場合、出資者がその企業の支配権を実質的に握ることになります。そのため、M&Aの手法のひとつとして行われるケースもあるのです。

しかし、第三者割当増資での新株発行によって1株あたりの価値が薄まったり、既存株主の持ち株比率が低下することで、他の株主から不満がでる場合もあります。

こうした場合の対処として、一株あたりの価格と発行数を慎重に検討する必要があります。

その際の指標としても、時価総額は活用されます。

③合併時のスクイーズ・アウト(少数株主排除)の参考指標

M&Aによる企業合併が行われた際、消滅する売り手企業の株主には、対価として買い手企業の株が渡されます。

しかし、売り手企業の株主に買い手の競合企業がいる場合など、経営権の一部である株式を渡すことがリスクとなる場合があります。

このような際、株式ではなく現金を交付することによって売り手の株主を排除することを、スクイーズ・アウトといいます。

この際、交付する現金の妥当性をはかる際にも、売り手企業の時価総額を参考とする場合があります。

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まとめ

企業価値は「将来見込まれる収益から現在価値を評価したもの」であり、時価総額はそのうち「株主に帰属する価値を示したもの」を指します。

いずれもM&Aの場面で重要な指標になります。上場企業と非上場企業では時価総額の算出方法も含め、概要を頭にいれておくようにしましょう。

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