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この記事でわかること

  • 企業会計の定義と4つの概念
  • 管理会計・財務会計・税務会計の特徴
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はじめに

企業会計とは、企業活動を一定のルールに従って数値化し、記録と計算を用いて報告する行為です。その性質上、企業のみならず企業内外の関係者に大きな影響をもたらします。

この記事では、企業会計とは何か、中小企業およびベンチャー企業の視点から解説しています。合わせて企業会計の代表的なタイプである管理会計、財務会計、税務会計についてもご紹介しているので、概観を把握する参考としてください。

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1.企業会計の基礎

この章では、企業会計の性質や、それをめぐる4つの概念についてご紹介します。

①企業会計とは

企業会計は、第三者への報告を前提に、企業活動を一定のルールに従い、数値化、記録、計算することです。

企業会計によって導き出された結果は、株主をはじめステークホルダーの参考資料となります。

それにより、たとえば「金融機関が信用力のある企業だと判断して融資をしてくれる」「株主が投資をしてくれる」「従業員のモチベーションが高まる」などの期待に繋がるのが、企業会計の意義です。

他方、そうした評価を予測することで、企業側も財務体質の改善を図るきっかけを得ることができます。企業会計は、経営の実情を把握し、改善のきっかけとするツールでもあるのです。

②企業会計をめぐる4つの概念

企業会計には、それをめぐる4つの概念として、会計公準・企業会計原則・会計基準・会計制度があります。似通った名称ですが、それぞれ特徴が異なります。詳しく見ていきましょう。

・会計公準

会計公準とは、会計の最も基礎となるものです。「会計とは○○である」というような、会計の前提知識を示すものとイメージしてください。

今日の会計公準には、「企業実体の公準」「貨幣的評価の公準」「会計期間の公準」があります。

「企業実体の公準」とは、企業そのものを独立した存在として捉え、会計の対象とする前提です。通常、企業は株主が所有していると考えられていますが、会計においては切り離して考えることとなっています。

「貨幣的評価の公準」は、会計は貨幣単位で行うとする前提です。逆に言えば、貨幣で評価できないものに関しては、会計の対象にはなりません。

たとえばある企業において、敏腕経営者のおかげで著しい成長を遂げ、多くの価値を生み出しているのが明らかだったとしても、経営者の能力は会計上は評価されません。

「会計期間の公準」は、会計は一定の期間を区切って行うとする前提です。今日ではほとんどの企業が1年を会計期間として決算整理を行いますが、そうした手続きの大元にあたるものとなります。

・企業会計原則

企業会計原則とは、1949年に経済安定本部企業会計制度対策調査会(企業会計審議会の前身)が発表したものです。会計公準が会計そのものを提示しているものとするなら、こちらは「会計はこうやって行う」と規範を示してくれているものと言えるでしょう。

企業会計原則は以下の7原則から成り立っています。

  • 真実性の原則(企業の実態について真実を提供しなければならない)
  • 正規の簿記の原則(正確な会計帳簿を作成しなければならない)
  • 資本取引・損益取引区分の原則(資本の増減と収益・費用の増減を混同しない)
  • 明瞭性の原則(利害関係者が正確に判断できるよう、明瞭な記載をしなければならない)
  • 継続性の原則(会計処理の手続きや原則をみだりに変更してはならない)
  • 保守主義の原則(資産や収益の評価は、リスクを意識して慎重に行わねばならない)
  • 単一性の原則(作成する財務諸表はすべて、同一の会計記録に基づかねばならない)

・会計基準

会計基準は、企業公準や企業会計原則に基づき、具体的な方法を記したものを言います。企業会計基準委員会が設定したもののほか、IFRS(International Financial Reporting Standards:国際財務報告基準)など複数種類あり、企業によって採用している基準はまちまちです。

一方で、中小企業の会計基準に関しては、企業会計基準委員会や日本公認会計士協会などの連盟で作成された、「中小企業の会計に関する指針」もあります。

いずれの会計基準も、さまざまな外的要因を受けて、今日まで目まぐるしく変遷しています。会計実務にあたる際には、改定の動向に注意を向ける必要があるでしょう。

・会計制度

会計制度は、「会社法」「金融商品取引法」によって定められた会計に関する法律の総体です。会計公準、企業会計原則、会計基準との関連性を述べるなら、会計制度はそれらを元に定められたものと定義できるでしょう。

会社法や金融商品取引法では、内容は少しずつ異なるものの、計算の方法から開示すべき財務諸表の種類まで決められています。会社法では、上場・未上場に限らず定時株主総会が行った後は、速やかに貸借対照表や損益計算書を公告しなければならないと定められています。

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2.企業会計の種類

企業会計は機能別に、①管理会計、②財務会計、③税務会計の3種類に分類することができます。こうした体系を把握することは、実務でも役立ちます。以下で、詳しくご紹介します。

①管理会計

管理会計とは、主に企業内部の関係者に報告する会計です。最大の特徴は、第1章で紹介したような会計基準に関係なく、自由に会計の基準を設定していいこと。

これにより「商品・サービスをいくらにするのか」「人員はどの程度割り当てるのか」といった短期的な意思決定から、「どのくらい設備投資をするか」といった中長期的な意思決定、業務改善のための情報を得ることができます。

経営者・管理者にとって、有用なノウハウが詰まっているとも言い換えられるでしょう。

②財務会計

一方、財務会計は、会計基準に基づいて企業外部の関係者に報告する会計です。

これによってステークホルダーは、当該企業が一定期間内のどの程度利益を獲得したのか、その利益はどの程度の資源を投じて生み出されたのか、といった経営状態を知ることができます。

また所有している経営資源や現時点で抱えている債務はどれくらいか、といった財政状態もわかり、投資や融資の判断下せるようにもなります。

③税務会計

税務会計とは、国や地方自治体に納める法人税額を算出するために行う会計です。

企業は、法人税法によって、法人税額と、計算の元となる課税所得を記載した確定申告書を提出する義務を負っています。それを果たすための手続きが、税務会計です。

加えて、税務会計の分野には、支払う法人税額を抑えるための計画も含まれます。今後活動を拡大する企業にとっては、他の会計と同じく重要な要素だと言えるでしょう。

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まとめ

  • 企業会計は、企業活動を数値化して記録と計算を行い、ステークホルダーに報告する行為のこと。企業自身が財務体質の改善を図るきっかけを得られるなど、双方向に大きな影響をもたらす。
  • 企業会計には、会計公準・企業会計原則・会計基準・会計制度という4つの概念がある。
  • 企業会計は、機能別に管理会計・財務会計・税務会計の3種類に分類できる。
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おわりに

企業会計は、単なる数値の報告書ではなく、企業の業務改善や成長に大きく関与するものです。

実務の際は、企業会計の意義とは何か、ステークホルダーはどのように見ているかなど、常に俯瞰する視点を持つようにしましょう。

もし、本記事で解説した内容についてお悩みの場合は、冒頭でもご紹介したKnowHowsの「みんなで事業相談」の利用をおすすめします。

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