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この記事でわかること

  • 市場から見た「企業価値」を高めるには、主に事業が利益を生む力(事業価値、EV)を高めていくことが重要となります。
  • 事業価値(EV)を高めるためには、自社のビジネスを正しく知り、戦略を練っていく必要があります。
  • この記事では、ビジネスの分析・実行に必要なフレームワーク7つを紹介します。
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はじめに

「ビジネスを見直して、稼ぐ力を高めよう」と思っても、なんのヒントもないところから改善点を見出すのは容易ではありません。

こうしたときに思考を整理する便利なツールが、フレームワークと呼ばれるものです。
この記事では、企業価値を高める際に活用できる7つのフレームワークをご紹介していきます。

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1.フレームワークの役割とは?

さまざまな情報を分類し、わかりやすくするためのツールがフレームワークです。

フレームワークを利用することで自社が抱えている問題点を発見しやすくなり、結果として企業価値を向上させるための戦略がとりやすくなります。

ただし、フレームワークはひとつで全ての課題を洗い出せる万能ツールではありません。

問題の発見から具体策の考案までには、複数のフレームワークを活用し、情報を見比べていく必要があります。

この記事では、

①経営環境を分析するためのフレームワーク
②戦略を計画・実行するためのフレームワーク

の2つのカテゴリから、フレームワークを紹介していきます。

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2.経営環境を分析するためのフレームワーク3つ

まずは、自社の経営環境を客観的に分析するために有効な、以下の4つのフレームワークをご紹介します。

①市場の動向を見極める「PEST分析」
②自社の強みと弱みを見極める「VRIO分析」
③業界全体の構造を見極める「3C分析」

それぞれのフレームワークを詳しく解説します。

①市場の動向を見極める「PEST分析」

PEST分析は、市場全体の動向(マクロ環境)が、企業の経営状況におよぼす影響を分析するためのフレームワーク。

その基本となるのは、下記の4つのカテゴリです。

  • Politics:政治的な要因:法律や規則、条例など行政のルール
  • Economy:経済的な要因:景気や物価、為替の動向などの経済状況
  • Society:社会的な要因:消費者のライフスタイルや意識の変化など
  • Technology:技術的な要因:新しい技術の開発など

PEST分析はこれらの項目が、

「どう変化していくか?」

「その変化が、ビジネスにどのような影響をおよぼすか?」

ということを考えることで、世の中や市場の「流れ」を推定することができます。

ポイントは、中長期的な目線で考えること。

PEST分析は大きな流れを予測するものですので、たとえばテレビの紹介による一時的なブームや、突発的な為替の変動などは考慮しません。

3年~5年後にどうなっているか、という大きな枠で考えるようにしてください。

PEST分析を行うことで、「世の中の流れがビジネスにおよぼす影響」を推定することができます。

②自社の強みと弱みを見極める「VRIO分析」

①のPEST分析が、ビジネスの外部を分析するものだったのに対し、②のVRIO分析は、ビジネスの内部を分析するためのツール。

企業が持っている経営資源(人材・設備・資金・ノウハウ・ビジネスの仕組そのものなど)が、以下の4つの基準を満たしているかどうかを分析していきます。

  • Value:経済的な価値:顧客にとって自社の経営資源は価値があるのか
  • Rareness:希少性:顧客にとって自社は希少なのか
  • Imitability:模倣可能性:競合から自社は真似されにくいのか
  • Organization:組織:自社の組織体制は整備されているのか

それぞれの項目について業界内の競合他社と比較し、基準を満たすかどうかを分析していきます。

ただし、VRIO分析では必ず、客観的な指標をベースをするように心がけてください。

明確な基準や根拠もなく比較すると、自社の価値を過大評価し、他社の価値を過小評価してしまいがち。客観的な分析でなければ、当然適切な判断をすることはできません。

それぞれの項目について、きちんとベースとなる指標を設定し、それをもとに分析を行うよう心がけましょう。

この分析により、自社が他の競合企業と比べてどういった強み・弱みを持っているのかを整理することができます。

業界全体の構造を見極める「3C分析」

①と②をベースに、自社・競合他社・市場を含めた総合的な分析を行うためのフレームワークが「3C分析」です。

下記の3つの「C」を設定し、それぞれのデータを集めることで、自社を含む業界内の環境がどんなものなのか、構造を整理していきます。

  • Customer:顧客・市場の環境:市場規模や将来性、顧客の消費行動など
  • Company:自社の環境:ビジョンや製品の現状、保有しているリソースなど
  • Competitor:業界における各社のシェアや競合の特徴、ライバルなど

この際も、分析に使うデータは主観的なものではなく、あくまで客観的な数字や事実を集めるようにしましょう。

これまで紹介してきたフレームワークを利用することにより、

・市場全体の流れ

・他社と比較した際の自社の強み

・業界の全体的な構造

が明らかとなります。

次の章では、これらを元に、より具体的な戦略を決めていくためのフレームワークを紹介していきます。

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3.戦略を計画・実行するためのフレームワーク4つ

前章で分析した経営環境を、より具体的な戦略に落とし込む際には、以下のようなフレームワークが使われます。

4つの視点から戦略を見出す「SWOT分析」

②市場から戦略をより具体的にする「STP分析」
③洗い出した戦略を実行レベルに落とし込む「4P分析」
④ビジネスモデルを整理・把握する「ビジネスモデルキャンバス」

それぞれ特徴を簡単に解説していきましょう。

①4つの視点から戦略を見出す「SWOT分析」

SWOT分析は、企業の強みや弱みを複数の視点から分析することで、事業の問題点や市場機会を見つけ出すためのフレームワークです。

具体的には、以下の4つの視点が使われます。

  • Strength:強み:自社が目標を達成するために役立つ内部環境の性質
  • Weakness:弱み:自社が目標を達成するのに妨害となる内部環境の性質
  • Opportunity:機会:自社が成果を出す機会になる外部環境の性質
  • Threat:脅威:自社が成果を出すのに脅威となる外部環境の性質

3C分析で洗い出した諸要素をそれぞれの視点にあてはめ、組み合わせていくことで、

・チャンスに対してどのような戦略をとるか?

・危機を避ける、あるいは克服するためにどんな戦略をとるか?

ということを決定していくことができます。

②市場から戦略をより具体的にする「STP分析」

SWOT分析で大まかな戦略を決定したら、次は想定する顧客に対して、どのようなアプローチをとっていくかを決めていく必要があります。

STP分析は、その際に使われる手法のひとつ。

  • (S)セグメンテーション:市場を細かく分解してニーズの近い顧客層を分類する
  • (T)ターゲティング:顧客層からターゲットとする顧客を決める
  • (P)ポジショニング:競合と差別化するための立ち位置を決める

の3つの項目から、

自社が業界の中でどのような戦略をとっていくのかを決定していきます。

顧客ニーズをより細かくし、他社よりも自社の強みを活かせる顧客を見つけ、その強みを最大限に活かす戦略を明確化することができます。

③洗い出した戦略を実行レベルに落とし込む「4P分析」

STP分析によってより具体的な戦略が決まったら、今度はその戦略を実行するための手段へと落とし込んでいく必要があります。

「4P分析」はその際に使われる手法。

戦略を以下の4項目にわけて、実行手段へと落とし込んでいきます。

  • プロダクト:自社製品の質や機能性、ブランドなど
  • プライス:自社商品の価格や割引、支払う方法など
  • プレース:消費者が自社商品を入手できる方法など
  • プロモーション:自社商品を宣伝するための活動

③ビジネスモデルを整理する「ビジネスモデルキャンバス」

最後に、こうしてできたビジネスモデルの全体像を再度整理し、見直しましょう。

その際に役立つフレームワークが「ビジネスモデルキャンバス」です。

ビジネスモデルキャンバスでは、以下の9つの項目を埋めることで、ビジネスモデル全体の概観をまとめていきます。

ビジネスモデルキャンバス 9の項目
キーパートナービジネスモデルを支えるパートナーは誰か
主要な活動ビジネスモデルの実現に必要な活動は何か
提供する価値顧客に対してどのような価値を与えるのか
顧客との関係単発なのか継続するものなのか、対面するのかしないのか
顧客セグメントどういった顧客層を相手に価値を提供しているのか
キーリソース経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)がどれほど必要なのか
チャネルどのような手段で集客をして価値を提供するのか
コスト構造どこにどれほどのコストがかかっているのか
収入の流れ誰からどのようにお金を支払ってもらうのか

ビジネスの改善をする場合は、このビジネスモデルキャンバスを最初に作ってみるのもひとつの方法です。

そのうえで、これまでのフレームワークを使って事業の分析を行い、各項目が本当に適切なのか、検討してみましょう。

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まとめ

この記事で紹介してきたフレームワークはほんの一例。状況に応じて、さらに細かく様々な種類があります。
それぞれの役割や意味を理解して上手に活用し、企業価値を高めましょう。

より具体的なアドバイスが気になる方は、無料で専門家に相談できるKnowHowsの「みんなで事業相談」をぜひ、ご活用ください。

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KnowHows 編集部

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