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この記事でわかること

  • 経営戦略の作成方法
  • 作成にあたっての基礎知識
  • 経営戦略で用いられる代表的なフレームワーク
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はじめに

経営戦略は、企業が成長するために目標を立て、それを達成するために描くストーリーです。言い換えれば、経営戦略は具体的で整合的であるほど、優れていることとなります。

この記事では、少しでも有用な経営戦略の作り方を、段階ごとに解説しました。戦略を練るときに用いられるフレームワークの紹介も交えているので、参考としていただけたら幸いです。

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1.経営戦略作成における基礎知識

最初に、経営戦略を作るにあたって役立つ事項を3つご紹介します。

①経営戦略のスタートとゴール

まずは、経営戦略のスタートとゴールを把握することです。どんな流れにも始めと終わりがあり、それは経営戦略も例外ではありません。経営戦略の場合、スタートは企業の基本理念やビジョンの理解、ゴールはそれらに基づいて立てられた目標の達成です。

②経営戦略の作成プロセス

経営戦略では、ゴールへとたどり着くために、いくつかの過程があります。そこでよくありがちなのが、作成の際に、今どの段階にいるのか見失ってしまうこと。そうなれば次に何をすべきか逐一立ち止まって確認することになり、作成が思うように進まなくなってしまうでしょう。

以下に大まかな作成ステップと、そのとき行う内容についてまとめましたので、ご確認ください。

経営戦略作成のステップ主な内容
①企業の基本理念やビジョンの理解経営戦略の方向性や目標、策定における価値判断基準の把握
②企業戦略を練る企業の現状分析
企業目標の設定
事業領域の明確化と資源配分の設定
③事業戦略を練る事業の現状分析
事業目標の設定
具体的な施策の選択
④機能戦略を練る各機能ごとに方法を検討
⑤実行後の評価指標の決定実行前と容易かつ客観的に比較できる指標を選択
⑥目標の達成

なお、このうちの「企業戦略を練る」から下については、2章以降で詳しく解説します。

③経営戦略に用いられるフレームワーク

経営戦略では、上表でわかるように、現状の分析を行った上で施策を練ることになります。この分析のときに用いるものこそ、各専門家が発案したフレームワークです。代表的なものをあげましょう。

・5forces分析

5forces分析は、業界そのものの魅力度を分析する手法です。新規参入や代替品の脅威、売り手・買い手それぞれの交渉力から、業界の競争環境の激しさを分析し、自社の立ち位置を読み解きます。

・PESTEL分析

PESTEL分析は、企業の成功に大きく関与する6つの要因を元に、現状の分析と今後受けるであろう影響の予測をする方法です。PESTELとは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)、Environment(環境)、Law(法律)、それぞれの要因の頭文字から付けられたもの。代表的な外部要因の分析手法として、広く用いられています。

・3C分析

3C分析は、当該企業が属する市場をさまざまな視点から捉え、現状を分析する方法です。視点はCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つ。購買行動の動向やニーズの把握、競合の視点からは成功している企業の動向などから市場における成功要因を探り、自社との違いを明確にします。

・バリューチェーン分析

企業活動を価値(商品・サービスなど)を顧客にもたらすための連鎖とし、そこから当該企業の強み・弱みを探ることができる分析方法です。自社の活動と業界の成功要因が一致しているのか、照らし合わせることもできます。

・SWOT分析

SWOT分析は、Strengths(強み)、Weakness(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)に基づき、整理を行う方法です。各要素が明らかになることで、具体的かつ有効な策略を練ることが可能になります。

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2.企業戦略を練る

企業の基本理念やビジョンを理解したら、企業戦略を練りましょう。企業戦略では、複数の事業に対して、経営資源をどのように配分するかが主題となります。それを決定するために、まず企業の現状を的確に把握する必要があります。

①企業の現状分析

企業戦略における現状の分析には、さまざまな方法がありますが、経営環境や経営資源などからアプローチするのが一般的です。たとえば、PESTEL分析や3C分析などのフレームワークで企業の外部・内部の状況を把握したあと、SWOT分析で企業の強み・弱みを導出する方法があります。

②企業目標の設定

現状の分析が終わったら、次は企業として目指す目標の設定です。重要なポイントとしては測定可能な指標にするのもさることながら、レベルの設定があげられます。

たとえば、10キロのダンベルを持ち上げられる人が、より筋力を付けたいからと言って、いきなり30キロのダンベルに挑戦するのは無謀です。しかし、そうだからと言って10.1キログラムに変更するのは、あまり意味がないでしょう。それと同じで、企業目標も、やさしすぎず難しすぎない程度にするのが肝となります。

③事業領域の明確化と資源配分の設定

企業の目標を達成するには、下支えとなっている事業の成長が不可欠です。そのために適切な資源配分をする必要があるのですが、そもそも資源をどこに投じるのかが明確でなければいけません。資源を投じる先を、事業領域と言います。

・事業領域の明確化

事業領域を明確にする方法は、顧客の視点から、あるいは市場の視点からなど多種多様です。ただ、いずれにしても、今後展開できる範囲(伸びしろは本当にないのか?他の事業を加えて展開する余地は考えられないか?)を見極め、限定的な設定にしないようにするのがコツです。

・資源配分の設定

事業領域が明らかとなれば、あとは資源配分の設定です。

このとき、よく用いられるフレームワークにPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)があります。当該企業の事業を、市場の成長率と相対的市場シェア(自社のシェア/業界トップ企業のシェア)に基づいて、スター・金のなる木・問題児・負け犬の4種類に分類することで、資源配分の手助けをしてくれます。

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3.事業戦略を練る

企業戦略を作り終えたら、次は事業戦略です。

①事業の現状分析

最初に、事業の現状分析を行います。事業戦略も企業戦略と同様で、外部・内部の分析から、SWOT分析で強み・弱みを明らかにするのが一般的です。

②事業目標の設定

続いて、事業戦略の目標設定を行います。「達成したいことは何か」「将来ありたい姿はどのようなものか」といった抽象的な問いを出発点としつつ、時期や財務数値(売上や利益率など)を明確にし、第三者が聞いてもわかりやすいレベルにまでするのが理想です。

③具体的な施策の選択

現状の分析と目標の設定をすれば、どの程度の差があるのかが掴めます。それを元に具体的な施策を選択し、戦略の方向性を決めるのがこの段階です。

具体的には戦略マップを使いながら代替案を出した上で、feasibility study(実現可能性の事前調査)を行います。戦略にインパクトはあるのか、競争優位は持続できるのかなどの評価項目を元に、各代替案の優先順位を決めましょう。

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4.機能戦略を練る

事業戦略で代替案を導出したら、最後に機能戦略を練ることになります。

機能戦略は、事業戦略の代替案をマーケティングや人事、財務など各機能で区切り、それぞれで取るべき方法を検討します。マーケティングであれば顧客のニーズは何か、そのための提供方法には何が考えられるか。人事であれば、戦略実行のためにどんな組織を編成すべきか、といった具合です。

ポイントは、実際に施策を実行する人のレベルに合わせることです。たとえば日々営業にあたる人が対象なら契約件数といった短期的な目標値を、その営業の人を管理する立場にいる人であれば長期的な視点での目標値を設定します。

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5.実行後の評価指標の決定

経営戦略は、各戦略を練るだけで終わりではありません。策定した戦略を元に実行し、PDCAサイクルを回しながら、目標を達成することがゴールです。

そのため、戦略の実行をした際に、「どの程度目標に近づけているのか」「実行前と実行後でどのように変化しているのか」、客観的に評価できるようにしておくことが不可欠。可能であれば、比較ができるだけでなく、容易に手に入りやすい指標を事前に探しておくと定期的にチェックしやすくなります。

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まとめ

  • 経営戦略を作成する際は、まずスタートとゴール、その間を埋めるプロセスについて理解しよう。
  • 企業や事業の分析をするときは、既存のフレームワークを用いる。数種類あるが、どれが優れていてどれが劣っている、という区別はない。自社の状況に合わせて、カスタマイズしながら利用するのが一般的。
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おわりに

経営戦略を作るとなった場合には、多くの分析や検討をすることになります。

ある程度の時間を要することになりますが、その途中で目標達成というゴールを見失わないように留意しましょう。

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