【5分でわかる】プロダクトポートフォリオマネジメントとは
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この記事でわかること
- 経営戦略の概要とプロセス
- 全社戦略(企業戦略)・事業戦略・機能戦略の特徴
はじめに
経営戦略とは、企業が経営ビジョンに従って目標を立て、その目標と現状のギャップを埋めるためのシナリオです。一般的に、全社戦略(企業戦略)・事業戦略・機能戦略の3種類に大別されます。
この記事では、経営戦略とは何かを俯瞰した上で、各戦略の定義や立ち位置などを解説。企業の経営力をアップさせる指南として、参考にしていただければ幸いです。
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経営戦略も含め、お悩みの際はぜひご活用ください。
1.経営戦略とは
この章では、経営戦略の概要やプロセスについてご紹介します。
①経営戦略の概要
経営戦略とは、企業が掲げる目標達成のための計画を練り、具体的な行動へ移していくことです。
たとえば、経営者Aさんがあるひとつの理想を掲げていたとしても、それが抽象的なら従業員であるBさんやCさんは理解することができません。「社長の言うことはわかる。でも、そのために私たちは何をしたらいいのかわからない」と戸惑ってしまうでしょう。経営戦略の意義は、経営陣と現場で働く人たちをつなぎ合わせることにあります。
そのため、経営戦略は一方で中長期的(3~5年程度)の施策を考えつつ、他方で日々の業務レベルまでに落とし込まれた短期的な施策を同時に練ることが求められます。
②経営戦略立案のプロセス
経営陣と現場の橋渡し役でもある経営戦略を立案する際は、先に全体のプロセスを把握することが重要です。下表をご覧ください。
プロセスの内容 |
---|
①基本理念・ビジョンを把握する |
②全社戦略(企業戦略)を練る |
③事業戦略を練る |
④機能戦略を練る |
⑤戦略を元に実行する |
⑥実行した結果を評価する |
⑦評価を元に各戦略の練り直しを図る |
この中で、②企業(全社)戦略、③事業戦略、④機能戦略の3つは特に重要視されています(こちらは第2章で詳しくご紹介します)。
しかし大事なのは、戦略を練ることだけではありません。実際に実行し、うまくいかなかった場合は速やかに修正するなど、PDCAサイクルを回していくことにあります。計画倒れとならないように、常に「実現可能なのか」「実行した場合、何が予想されるか」など、先を見る視点を忘れないようにしましょう。
2.経営戦略は3つに分けられる
第1章で見てきたように、経営戦略には全社戦略(企業戦略)、事業戦略、機能戦略があります。
①3つの戦略の関係性
最初に、3つの戦略の概要を見ながら、関係性についてご紹介しましょう。
まず全社戦略(企業戦略)ですが、これは「どの事業にどの程度資源を配分するか」を考えるものです。事業戦略は、「ある特定の事業を成長させるためには何をすべきか」がテーマとなります。機能戦略は、「事業戦略で策定されたことを具体的な行動に落とし込む」というものです。
そのため、全社戦略(企業戦略)の中に事業戦略があり、事業戦略の中に機能戦略があり、そこに実行や評価などが加わったものを経営戦略と呼ぶ。と考えると、イメージとして掴みやすいかもしれません。
なお、この記事では分けていますが、事業戦略と機能戦略を合わせて事業戦略と呼ぶこともあります。他の情報を参考にする際は、区分の仕方に注意したほうがいいでしょう。
②全社戦略(企業戦略)
ここからは、各戦略についてです。全社戦略(企業戦略)は、「複数の事業を展開している企業が、どの事業に資源を投じるかを検討すること」でした。
たとえば、娯楽業と飲食業を営んでいるY社があったとします。Y社はそれぞれの事業に1,000万円の資源を投じていました。しかし娯楽業は300万円の利益が出ているのに、片や飲食業のほうは30万円と不振。
このとき、「飲食業に投じる資源を娯楽業に回したら、より利益を生み出すことになるのではないだろうか」といったことを考えるのが、全社戦略(企業戦略)となります。
・全社戦略(企業戦略)立案のプロセス
全社戦略(企業戦略)では、まず会社を取り巻く環境や会社の資源を分析するところから始めます。ここで言う資源とは、いわゆるヒト、モノ、カネなどです。分析には3C分析(※1)やPESTEL分析(※2)などのフレームワークを用いるのが通例となっています。
分析が終わったら、次は目標の設定です。どの事業に優先して資源を配分するのか、それはどの程度か、いつ行うのか。ポートフォリオマネジメントシステムを用いたり、コーポレート組織を立ち上げたりしながら、これらの事項について決定していきます。
補足 | 詳細 |
---|---|
(※1)3C分析 | customer(顧客)、competitor(競合・業界)、company(自社資源)の頭文字から名付けられた分析方法。3つの異なる視点から、市場で成功するための要因を探っていく。流通チャネル(channel)、あるいは提携パートナー(co-operator)加えて4C分析とすることもある |
(※2)PESTEL分析 | politics(政治)、economy(経済)、society(社会)、technology(技術)、environment(環境)、law(法律)の頭文字を取って名付けられた分析手法。企業側からは直接コントロールできない各要素の動向、及び今後予測される影響などを読み解く |
③事業戦略
事業戦略は、「特定の事業で高い収益を上げるために何をするのか」を考える戦略です。Y社であれば、娯楽業なら娯楽業の中で、飲食業なら飲食業の中で、与えられた資源をどのように使っていくかなどを決めていきます。
・事業戦略立案のプロセス
事業戦略の立案では、まず事業戦略のゴールを決定します。このときのコツは、できる限り定量化すること。すなわち、「○%の営業利益率を、○年後までに○%にする」といったように、誰が見てもわかる数字で表すことです。
また顧客や提供するサービス、用いる技術などの要素から、当該事業の領域(ドメイン)の適正な範囲の設定もあわせて行います。こちらをしておかないと、勝ち目のない競合との戦いを強いられる、資源を有効活用できなくなるなど、不都合が生じやすくなるからです。
目標とドメインが明確に定まったら、現状の分析へと進みます。方法はさまざまですが、先程の3C分析やPESTEL分析以外に、5forces分析(※3)、バリューチェーン分析(※4)などを行ったのち、SWOT分析(※5)で整理する方法があります。
分析が終われば、いよいよ具体的な施策の作成です。コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、業界地位別の戦略などの代表的な手法を使いながら立てていきます。もちろん、「それは実現可能なのか」と、逐一評価するのことも重要です。
補足 | 詳細 |
---|---|
(※3)5forces分析 | 企業の収益力に結びつくとされる、業界そのものの収益性を分析する手法。競合他社との関係性、新規参入がもたらす脅威、代替品の脅威、売り手の交渉力、買い手の交渉力という5つの競争要因が用いられる |
(※4)バリューチェーン分析 | 企業の活動を連鎖的に捉え、どの段階で価値(バリュー)を生み出しているのか分析する方法。企業の強みや弱みを、客観的に把握することができる |
(※5)SWOT分析 | strengths(強み)、weakness(弱み)、opportunities(機会)、threats(脅威)の頭文字を取って名付けられた分析方法。企業の取り巻く環境を、4つの要素に分けて誠意を行うことで、改善策を打ち出せる |
④機能戦略
機能戦略は、事業戦略の施策を受け、それを具体的なレベルで展開できるように練られる戦略です。
・機能戦略立案のプロセス
機能戦略立案では、マーケティング、研究開発、組織・人事、財務など、各方面での検討を行います。そのため一貫したプロセスはありませんが、ブレイクダウン方式でやるべきことを明確にするのが一般的です。
まとめ
- 経営戦略とは、経営ビジョンに従って目標を立て、その目標と現状のギャップを埋めるために作る計画。
- 経営戦略は、ただ計画を作るだけでは机上の空論。実行に移し、評価を行い、場合によって修正を加えるなど、PDCAサイクルを回すことで初めて意味のあるものになる。
- 経営戦略には、全社戦略(企業戦略)、事業戦略、機能戦略の3種類がある。
おわりに
経営戦略は、言わば成功のための論理的なシナリオです。
立案するときは、常に分析を元に「なぜそれが必要なのか」という理由を考えることが、大きな鍵を握ると言えるでしょう。
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