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株式上場(IPO)に向けた予算管理の概要

この記事でわかること

  • 予算管理の概要と目的
  • 予算管理の方法
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はじめに

経営を管理する上で、予算の策定・予算管理は欠かせません。株式上場(IPO)で必要となる内部統制においても、予算管理は重要なポイントとなっています。

本記事では中期経営計画にともなう予算の立て方、予算管理、予算の精度を高める方法について解説します。

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1.予算管理の概要

予算管理とは、予算と実績の数値を比較し、さらにその差が生まれた理由を分析していく作業です。

IPOにおいては収益と費用の予算(P/L予算)および資産と負債の予算(B/S予算)まで作成することになるため、資金繰り表やキャッシュフローも必要となります。

これらについて原因を特定して改善策を決め、現場に事実と改善策をフィードバックしながら、業務を改善していくことになります。

予算管理は主に、下記のような観点から重要とされています。

①中期経営計画の実現可能性を検証するため

IPO時に必要となる中期経営計画について、その実現可能性が妥当なものであるかどうか、またそのためにどのような目標を定めるべきか、といったことを検証する際に必要となってきます。

②予算と実績の差を分析し、改善策を考え、業績向上を目指すため

予算と現状の実績に差があった場合に、どの部分の予測に違いがあったのかを分析し、対応策を練ることに役立てます。

③各事業部門の責任と功績を明らかにし、業績評価の参考にするため

各事業所ごとの予算および実績をモニタリングすることによって、各事業部門の業績を可視化し、評価の参考とすることができます。

④次期以降の予算設定の参考資料とするため

予算と実績の差で分析された原因や課題をもとに、より合理的に予算設定することが可能となります。

⑤株主に対する適切な情報開示を行うため

上場を果たすと、決算数値の報告が必要となります。次期業績予想として、売上高、経常利益、当期純利益などの開示も必要です。予算管理にともない、実績数値が予想から乖離し、売上高が上下10%以上、経常利益または純利益について上下30%以上の差異が発生が見込まれた場合、即座に業績予想の修正が求められます。

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2.予算管理の方法

予算と実績の数値は、一定期間ごとに比較し、差異がある場合には分析を行い、原因を探り、改善案を考案します。各事業部門の現場へのフィードバックも必須です。

①比較時期について

数値の比較は、事業実態に一番適切な期間を設定する必要があります。年次、半期、四半期、月次などが候補としてあげられますが、予算も実績も、同一期間で設定し、同じ期間で集計される必要があります。

そのためIPOにおいては月次での予算管理は必須となります。

また、予算と実績の比較および差異の分析に関しては、担当部門が行い、決められた様式文書での報告が必須です。

前年比の記載も、多くの企業が取り入れています。

差異の発生原因の追求には、数量要因と価格要因に分けることで、改善案を明確にしていきます。

要因具体的な差異の内容
数量要因販売量、消費量などが予算と乖離していることによる差異
価格要因販売単価、原材料の単価が予算と乖離していることによる差異

また、差異の分析は、社内要因か、社外要因であるかを正しく判断しなくてはなりません。

社内要因の場合には、どの部門の責任であるかなど責任の所在を明らかにしましょう。なお、指摘するだけではなく、具体的な改善策の提案をすることが重要です。

差異分析による結果は、実績集計と同じタイミングで取締役会などの経営機関へ報告する必要があります。経営判断においての有効な情報となるため、必ず報告しましょう。また、その結果が今後の経営活動や予算設定に反映される体制の構築・運用が求められます。

②予算管理に関する6つの留意点

(1)予算の内容は、長期経営計画と結びついている必要があります。会社が安定的な成長を継続させるためには、中期経営計画と同じプロセスを踏むべきとされています。

(2)予算が体系的にまとめられており、相互関連で設定されている必要があります。予算設定担当者の明確化も必須です。

なお、部門間の調整が適切であることも求められます。各事業部門の予算によって構成されているのが、会社全体の予算です。

各事業部門の予算を合算して利益と目標利益の調整を行う場合には、各事業部門の納得を得る必要があります。スムーズな予算管理を行うために、重要となるポイントと言えるでしょう。

(3)予算管理規定が作成され、予算編成手続きや予算管理の方法などが文書化されていることが求められます。迅速かつ適正に事務作業が行われるよう、手続きや方法が定められていることが重要です。

(4)目標利益と現状を見比べた時に乖離が予想される場合、担当者が具体的にどのような行動を行うのかが予算内容と結びついていなければなりません。それに伴い、職務責任をどのようにして測るかを明確にする必要があります。そのためにも、管理者と部下との間で目標達成の方法や手段について話し合う機会が欠かせません。

(5)四半期もしくは半期ごとに予算の見直しが行われており、必要に応じて予算の補正や修正を加える必要があります。補正・修正の手続きが明確であることも必須です。

(6)月次決算が適正かつ迅速に行われているかどうかも重要です。予算と比較される実績数値は、ルールに基づいて集計されなければなりません。月次予算は、実績管理が行われる前提で編成されているため、実績集計を行うことは必須と言えます。

また、翌月の経営に今月の予算・実績の比較で明確になった問題点や課題活かすためには、実績集計がなかなか締まらないような状態は避けなければなりません。予算管理は、月次決算の実施によって有効となるため、集計が月末に偏る状況は避けましょう。

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まとめ

予算管理の手順に沿って予算作成を行い、実績集計と比較することで、企業の成長に欠かせない改善点が明らかになります。継続的な成長を目指し、適切な予算管理を心がけましょう。

また予算管理は、株式上場に伴う内部統制においても重要なポイント。これらのことで疑問があれば、KnowHowsで無料相談ができます。

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