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Index
この記事でわかること
- 上場企業と未上場企業の株価算定の違い
- 原則的評価方式と特例的評価方式の詳細
- 特殊な未上場企業の際に適用すべき評価方式の種類
はじめに
株式の評価は、上場企業の場合、株式市場の評価額を利用することが可能です。しかし未上場企業の場合は客観的な指標がないため、自らの手で求める場面がしばしば求められます。
この記事で、株価算定の方法をご紹介しますので参考としてください。
またKnowHowsでは、従来は専門家に依頼していた株価計算を無料で行える「株価算定ツール」もご用意しています。
DCF法・純資産法・競合会社比較法の3つの代表手法を用いて、自社の株価を本格計算。
従来は数十万円のコストが必要だった株価算定を、手軽にご利用でき、税理士監修の株価算定書を出力することも可能です。
株価算定をご検討の際はぜひ、ご活用ください。
1.未上場企業の株価算定方法
未上場企業の株価は、国税庁が定める原則的評価方式、もしくは特例的評価方式を用いるのが一般的です。
この章で、各方式による算定方法と注意事項を解説します。
①原則的評価方式
・算定方法
原則的評価方式では、類似業種比準方式か純資産価額方式を用いて株価を算定します。評価対象企業が大会社・中会社(の大・中・小)・小会社によって求め方が異なるのが特徴です。原則として、次のように定められています。
会社の規模 | 株価の求め方 |
---|---|
大会社 | 類似業種比準方式 |
中会社の大 | 類似業種比準方式で求めた価額×0.9+純資産価額方式で求めた価額×0.1 |
中会社の中 | 類似業種比準方式で求めた価額×0.75+純資産価額方式で求めた価額×0.25 |
中会社の小 | 類似業種比準価額で求めた価額×0.6+純資産価額方式で求めた価額×0.4 |
小会社 | 純資産価額方式 |
(※)いずれも純資産価額のほうが低い場合は、純資産価額で評価される
・類似業種比準方式
次の手順が一般的です。
・純資産価額方式
以下、主な手順です。
②特例的評価方式
・算定方法
配当還元価額方式で求める方式です。
・配当還元価額方式
主に次のような手順で行います。
③注意事項
上記2つの方式は、どの未上場企業にも適用できるわけではありません。主に下記のような条件を満たす場合は特例的評価方式を用いることとなっています。
・同族株主・中心的同族株主・中心的株主の範囲
以下のように定められています。
(※)株主の同族関係者は、主に次が該当する。
- 株主の親族(配偶者・6親等内の血族・3親等内の姻族)
- 特別な関係がある個人(内縁関係者や使用人など)
- 特別な関係がある法人(株主の1人が50%以上の株式を保有している会社など)
詳しくはe-Gov・(同族関係者の範囲)法人税法施行令第四条 法第二条第十号を参照。
2.特殊な未上場企業の算定方法
第1章で述べたように、取引する株主によっては特例的評価方式(配当還元方式)を採用することになっています。
しかし他にも、
①比準要素数1の会社
②株式保有特定会社
③土地保有特定会社
④開業後3年未満の会社等
⑤開業前または休業中の会社
⑥清算中の会社
これらの会社にも原則的評価方式が利用できず、別な算定方法で株価を求めることとなります。順にご紹介していきましょう。
①比準要素数1の会社
評価の直前期末で1株あたりの配当金・1株あたりの利益・1株あたりの純資産のいずれか2つが0、かつ評価の直前々期末でもいずれか2つが0になる会社です。
算定は、下記のいずれかで行います。
- 純資産価額方式
- 純資産価額方式で算定した価額×0.8(取引する株主および同族関係者の、株式取得時の保有率が50%以下の場合のみ)
- 類似業種比準方式で求めた価額×0.25+純資産価額方式で求めた価額×0.75
②株式保有特定会社
相続税評価額に修正した純資産価額のうち、株式および出資の合計価額の割合が50%以上となる会社です(次の③~⑥のいずれかに該当するものを除きます)。
算定は、下記のいずれかで行います。
- 純資産価額方式
- 純資産価額方式で算定した価額×0.8(取引する株主および同族関係者の、株式取得時の保有率が50%以下の場合のみ)
- S1+S2方式
・S1+S2方式
次のような流れで算定することができます。
③土地保有特定会社
相続税評価額に修正した純資産価額のうち、土地等の合計価額の割合が70%以上になる大会社や、90%以上になる中会社などです(次の④~⑥を除きます)。
この場合は、いずれかの方法で求めます。
- 純資産価額方式
- 純資産価額方式で算定した価額×0.8(取引する株主および同族関係者の、株式取得時の保有率が50%以下の場合のみ)
④開業後3年未満の会社等
開業後3年未満の会社のほか、1株あたりの配当金・1株あたりの利益・1株あたりの純資産がいずれも0の会社が含まれます(次の⑤、⑥は除きます)
これらの会社は、土地保特定会社と同様の方法で求めることになっています。
- 純資産価額方式
- 純資産価額方式で算定した価額×0.8(取引する株主および同族関係者の、株式取得時の保有率が50%以下の場合のみ)
⑤開業前または休業中の会社
この会社に該当する場合は、純資産価額方式で算定します。なお、株式保有特定会社や土地保有特定会社などのような、株式の保有率によるディスカウントはありません。
⑥清算中の会社
この会社に該当する場合は、清算分配見込金額で評価します。
計算式:清算分配見込金額=清算の結果生じる分配の見込金額×n期間に応ずる基準年利率による複利現価率
※1 見込金額が2回以上生じる場合は、それぞれの金額で計算する
※2 n期間は見込金額の課税時期から実際に分配されるまでの期間のこと
まとめ
- 未上場企業の株価は、上場企業の株価のように客観的な指標がない。国税庁が定める原則的評価方式や特例的評価方式で算定しよう。
- ただしこれら2つの方式は、どの企業にも適用できるわけではない。特例の会社に該当しないか確認しながら行うのが不可欠。
おわりに
未上場企業の株価算定では、注意事項が多くあります。
この記事と合わせて国税庁のウェブサイトを見ながら、慎重に進めるようにしてください。
また、最初にご紹介したように、KnowHowsでは、複数の計算方式で株価を算定できる「株価算定ツール」をご用意しました。
税理士監修のもと、必要な項目を入力するだけで本格的な株価算定が可能です。
計算は無料でご利用できますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。
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