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この記事でわかること

  • 株式を上場していない中小企業における「取引相場のない株式」の評価手法の決め方
  • 各評価手法の具体的な計算方法
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はじめに

本記事では、中小企業など株式を上場していない企業について、相続時の株価評価をどのようにして行うのかを解説していきます。

事業承継をはじめ、相続時の参考としてください。

またKnowHowsでは、従来は専門家に依頼していた株価計算を無料で行える「株価算定ツール」もご用意しています。

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1.中小企業の株価評価方法

株式を上場していない会社の株式は、相続税法では「取引相場のない株式」とされ、会社の状況に応じて、定められた評価方法を使う必要があります。

この章で、順に解説しましょう。

①株価評価の流れ

株価評価を行う場合、会社の状態によって適切な評価方式を選ぶ必要があります。

そのフローチャートについて、下図の通りまとめました。
それぞれの評価手法の具体的な内容については後述します。
評価方法選定フローチャート

②各評価方法の種類と計算方法

国税庁が定める評価方法は下記となります。

  1. 清算分配見込金額
  2. 純資産価額方式
  3. 配当還元方式
  4. S1+S2方式
  5. 類似業種比準方式

それぞれの内容について紹介していきます。

・清算分配見込金額

会社が解散ために清算を行う場合に、株主に分配されるであろう資本金を評価額とする手法です。
計算方法は下図の通りとなります。
7.清算分配見込金額での計算手順.png

・配当還元方式

対象企業の株式の配当金額をベースに、株価評価を行う手法です。
計算方法は下図の通りとなります。
2.配当還元方式の計算手順.png

・純資産価額方式

評価対象となる企業の純資産(保有資産から負債や法人税等を引いたもの)を評価額とする手法です。
計算方法は下図の通りとなります。
純資産価額方式

・類似業種比準方式

企業と類似した他の企業の配当、利益、純資産をベースとして株価の評価を行う手法です。
計算方法は下図の通りとなります。
類似業種比準方式

・S1+S2方式

前述の純資産価額方式と類似業種比準方式を組み合わせて評価を行う手法です。
計算方法は下図の通りとなります。
5.S1+S2方式(2).png

補足:上場企業の株価を評価する場合

上場企業の株価評価を行う場合は、日経電子版Yahoo!ファイナンスなどから、ある一定期間の終値を調査し、その平均値を取るのが一般的です。ただし調査期間内に異常値がある場合、プレスリリースなどを確認して要因を調べ、評価に含めるのかどうか十分に検討する必要があります。

また算出する前に、株式の流動性を調べ、市場の株価が実態に即したものかチェックすることも重要です。

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2.株価評価手法を決定する基準となるポイント

国税庁の評価方式を用いる場合、いくつかの判定を行い、方式を決定するのが通例です。

この章では、フローチャートで登場した、

  1. 同族株主かどうかの判定
  2. 開業後3年未満の会社等や土地保有特定会社かどうかの判定
  3. 会社区分(大会社・中会社・小会社)の判定

について、より詳しく解説します。

①同族株主かどうかの判定

次のフローチャートに沿うことで、判定することができます。

・評価対象企業に同族株主がいる場合

同族会社か否かによるフローチャート詳細版(同族株主がいるケース).png

・評価対象企業に同族株主がいない場合

同族会社か否かによるフローチャート詳細版(同族株主がいないケース).png

②開業後3年未満の会社等や土地保有特定会社かどうかの判定

開業後3年未満の会社等・土地保有特定会社・株式保有特定会社・比準要素数1の会社の判定基準は、次のとおりです。

・開業後3年未満の会社等であるか

開業後3年未満の会社、または比例要素数0の会社であるかの判定.png

・土地保有特定会社か

土地保有特定会社の判定.png

・株式保有特定会社か

15.株式保有特定会社の判定.png

・比準要素数1の会社か

比準要素数1の会社の判定.png

③会社区分(大会社・中会社・小会社)の判定

国税庁によって、次のように定められています。

大会社・中会社・小会社の判別フロー.png

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まとめ

  • 株式を上場していない中小企業の株価評価手法は、会社の状態によって適切な計算方法を使う必要がある。
  • 株価の評価は、清算分配見込金額、純資産価額方式、配当還元方式、S1+S2方式、類似業種比準方式の5つ。
  • 評価手法を決定する要素には、同族株主等かどうか、判定開業後3年未満の会社や土地保有特定会社などであるかどうか、会社区分(大会社・中会社・小会社)がどれか、といったものがある。
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おわりに

中小企業の株価評価は、特に未上場企業が対象となると、より慎重さが求められます。

最初にご紹介したように、KnowHowsでは、DCF法のほか複数の計算方式で株価を算定できる株価算定ツールをご用意しました。

税理士監修のもと、必要な項目を入力するだけで本格的な株価算定が可能です。

計算は無料でご利用できますので、本記事とあわせてぜひお役立てください。

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