退職合意書のひな形(退職勧奨・円満退職型)と作成のコツ|会社側有利 弁護士監修
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| キーワードタグ | 退職勧奨/退職合意書/解決金/清算条項/口外禁止/競業避止 |
【退職合意書のひな形(退職勧奨・円満退職型)と作成のコツ|会社側有利 弁護士監修
会社が従業員に退職を勧める場合には、従業員の意思を尊重し、退職条件について十分な説明と検討の機会を確保することが重要です。本ひな形は、退職勧奨に従業員が自由な意思で応じた場合に、退職日、退職金・解決金の支払その他の条件を書面化するための退職合意書です。
従業員の自由意思に基づく有効な合意が成立していることを前提に、解雇とは異なる合意退職として雇用関係を終了し、退職条件や清算の範囲を明確にすることで、紛争の予防・解決につなげることができます。ただし、書面への署名や解決金の支払だけで、合意の有効性やすべての請求の排除が保証されるものではありません。
この契約書の利用シーン、意義概要
本ひな形は、会社(甲)が従業員(乙)に対し退職勧奨を行い、従業員がこれに応じて退職することとなった場面で、退職日・退職金及び解決金の支払・秘密保持・競業避止・清算条項などの合意内容を書面化するために使用します。
解雇は労働契約法上厳格な規制(客観的合理性・社会的相当性)を受けるため、実務上は本ひな形のような合意退職の形で処理されるケースが多くなっています。退職日までの間を有給の特別休暇として取り扱い、従業員に実際の出社を求めない「ガーデンリーブ」型の運用(第2条)も想定しています。
契約書の一部抜粋
第1条(退職の合意) 2.前項の退職は、甲による退職勧奨に乙が応じたことによる合意退職とし、乙の自己都合による退職ではないことを甲乙相互に確認する。
第11条(清算条項) 甲及び乙は、本合意に定めるもののほか、雇用契約の存否及び労働条件、賃金、退職金その他一切の事項に関し、甲乙間に何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。
この契約書の重要ポイント
① 退職金に加えた解決金の支払(第3条)
本ひな形では、退職金とは別に解決金を支払い、雇用・退職に関する金銭的な問題を清算する仕組みを設けています。未払賃金等を解決金による清算の対象に含める場合には、対象となる請求の内容、期間、金額又は算定根拠等を具体的に整理し、別途支払う退職金・賃金等と区別して、従業員に十分説明することが重要です。
② 清算条項(第11条)
清算条項は、本合意に定めるものを除き、甲乙間に債権債務がないことを確認し、雇用・退職に関する紛争の解決を図るための条項です。ただし、この条項を設ければ、未払賃金や損害賠償等のすべての請求を確実に排除できるわけではありません。
清算対象と合意の効果を具体的に説明し、従業員が内容を検討し、必要に応じて専門家に相談する機会を確保した上で、自由意思に基づく合意であることを確認することが重要です。特に賃金等の権利放棄については、合意書の文言や署名の有無だけでなく、説明内容や合意に至る経緯等も問題となるため、これらを記録しておくことが望まれます。
③ 口外禁止・誹謗中傷の禁止(第7条・第8条)
退職の経緯や解決金の額が社内外に広まると、他の従業員への波及や会社の評判への影響が懸念されます。本ひな形では、退職者と会社の双方に口外禁止義務及び誹謗中傷禁止義務を課すことで、双方のリスクを抑える設計としています。
ただし、これらの義務及び第5条の秘密保持義務は、法令上の義務の履行、行政機関への申告・通報・相談、専門家・労働組合への相談、裁判等での正当な権利行使又は防御に必要な範囲の情報の開示・説明を妨げるものではありません。これらの開示・説明について、相手方の事前の承諾は不要です。
④ 反社会的勢力の排除・損害賠償(第9条・第10条)
退職合意書は当事者が個人であるため見落とされがちですが、乙が反社会的勢力に該当しないこと及び関係を有しないことの表明保証(第9条)と、清算条項によっても排除されない違反時の損害賠償(第10条)を明記することで、合意後に反社会的勢力を通じた不当な要求がなされるリスクに備えています。
この契約書の注意点
● 退職勧奨の面談そのものが「執拗な退職強要」と評価されると、本合意書があっても合意の有効性が争われる可能性があります。面談の回数・時間・言動には十分注意してください。競業避止義務(第6条)は、対象者の地位・職種、期間、代償措置の有無等により有効性が判断されるため、一律に長期間・広範囲の制限を課すと無効と判断されるリスクがあります。
● 解決金に対する源泉徴収の要否(退職所得か給与所得か等)は、金額の性質により異なるため、税理士に確認の上で処理してください。
※ 本ひな形は退職勧奨に応じた後の合意書面化を目的とするものであり、退職勧奨の進め方自体の適法性を担保するものではありません。実際の運用にあたっては弁護士のレビューを推奨します。
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