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M&Aの交渉時に失敗しがちな3つのポイントとその対策

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M&Aで失敗しやすいポイントとその対策

この記事でわかること

  • M&Aにおける失敗しがちなポイントとその対策
  • M&Aを成功させるためのコツ
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はじめに

M&Aは、売り手・買い手・株主・債権者・従業員と、非常に多くの利害関係が絡む取引です。多くの時間と費用をかけて検討したものの、取引が中断されてしまった…というケースも少なくありません。

そこで本記事ではM&Aの交渉時において失敗を招くポイントとなりやすい、

  1. 買収条件のすり合わせ
  2. アドバイザー選び
  3. 取引中の情報管理

の3点について、特徴と対策を解説していきます。
よくある失敗パターンを抑えておき、実際の取引に活かしてください。

M&Aのメリット・デメリットについては下記記事もご参考としてください。

>>M&Aにおける買い手側のメリット・デメリット

>>M&Aにおける売り手側のメリット・デメリット

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1.買収条件のすり合わせ

①概要

M&Aにおいて最も失敗の原因となりやすいのが、買収条件のミスマッチです。

売り手側の想定トラブル

売り手(被買収企業)の場合、このミスマッチはデューデリジェンスのあとに起こりがちです。特に買い手(買収元企業)と一対一で交渉している場合にそのリスクは高まります。

M&A取引において、買い手は買収条件などを記載したLOI(意向表明書)を提示します。しかし、デューデリジェンスによる精査の段階で、当初提示された買収条件が大幅に引き下げられるケースがあります。

LOIはあくまで意思の表明であり、法的な拘束力を持たないと考えられているため、初期に提示した条件が大幅に覆されるケースがあるのです。

その際、特にスタートアップ企業がイグジットのためにM&Aを検討している場合などには、デューデリジェンス時点で売り手・買い手双方ともに大きなコストと時間を割いているため後戻りできず、不利な条件で契約せざるを得ない……というパターンに陥る場合があります。

そのほかの買収条件のトラブルとして、最終契約でこれまで開示した情報の責任範囲を決める表明保証の条項において、「すべての資料が真実かつ正確であると保証する」というキャッチオール条項を求められるケースもあります。

この条項を認めた場合、損害賠償請求のリスクが跳ね上がることになります。

買い手側の想定トラブル

一方で買い手側の場合、競合相手と入札で競り合った結果、最終的な買収額が実態以上に高額となってしまうというパターンがあります。

買収額が想定していたシナジーを超えている場合、買収費用を回収できず、M&A後の経営に支障をきたしてしまうおそれがあります。

そのほか、条件面において、売り手・買い手いずれかの既存株主の反対にあい、M&Aの実施が否決されるといったトラブルも考えられるでしょう。

②対策

買収額の範囲を定めておく

デューデリジェンスに入る前段階で、おおよその買収額にくわえ、その変動幅をある程度規定しておくことで、価格の増減を抑えるという方法があります。

一方で、売り手側がアプローチの段階から希望売却額をあまりに限定してしまうと、買い手が離れる原因にもなり得ます。

専門家の意見も聞きつつ、バランスを取りながら進めていきましょう。

また買い手側も、意向表明書にある程度の価格幅を明記することで撤退ラインを明確にすることで、コストに見合わない取引を避けることができます。

表明保証保険を活用する

表明保証保険とは、売り手側が万が一表明保証に違反していた場合、その賠償額を保険会社が補償してくれるというもの。

費用はかかりますが、売り手にとってはキャッチオール条項のリスクを低減でき、また買い手側もある程度安心して取引を行えます。

利用を検討してみるのもよいでしょう。

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2.アドバイザー選び

次に問題となりやすいのは、M&Aのアドバイザー選びです。

①概要

M&Aを進めるにあたり、弁護士、公認会計士、M&Aアドバイザー等、さまざまな専門家によるアドバイスが必要となります。

しかしその一方で、専門家であってもM&Aの実務経験が乏しい場合があり、思わぬトラブルになる場合があります。

売り手側の想定トラブル

事前の戦略策定において、適切な分析がなされなかったり、マッチしない候補を提案されたことにより、十分な買収条件が提示されなかったり……といったケースが考えられます。

またデューデリジェンスの際、求められた情報の開示や質問への十分な回答ができない、といった問題が発生した場合、最悪の場合取引が中止となることもあります。

買い手の想定トラブル

デューデリジェンスにおいて、買い手側が十分な精査を実施できない、といったケースが最大のリスクとなります。

財務チェックが甘かったために取引後に思わぬ簿外債務が明らかとなったり、事業計画の検証が甘く、思ったような効果を得ることができなかったり……というケースがあります。

②対策

M&Aのアドバイザー選びは慎重に行いましょう。

実績のチェックはもちろん、選ぶ際には必ず2社以上に相談してから決定するとよいでしょう。M&Aアドバイザーにはいくつかの認定資格がありますがいずれも国家資格ではなく、また資格よりも実務経験の有無が大きなウエイトを占めるため、過信は禁物。

特に価格の安さだけで選ぶのは控えたほうが無難です。

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3.取引中の情報管理

①概要

M&Aの取引において、売り手は機密情報保持契約(NDA)を買い手と締結したうえで、自社の資料を開示していきます。

そのため、売り手・買い手のいずれかが情報漏洩をした場合、企業として致命的な信用リスクを負うことになります。取引中止のみならず、訴訟に発展する場合もあります。

また社外だけでなく、社内の情報統制も意識する必要があります。特に売り手企業の場合は、M&A取引を進めていることが社内の不安につながり、キーパーソンの離職などが起きる可能性があります。

そうなれば企業価値の評価は下がり、最終的に買収条件にも大きな影響を及ぼす形になるでしょう。

②対策

社内でM&Aに関わる従業員がいる場合、M&Aチームは少人数にとどめ、かつ他部署と接触の少ないオフィスに配置を転換し、資料類やPCの持ち出しを禁ずる等のの対処を行うとよいでしょう。

また、対象企業とのやりとりはメールまたは直通の携帯電話などで行うほうがよいでしょう。取引先ではない企業から頻繁に連絡がくると怪しまれるためです。

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まとめ

  • 買収条件のすり合わせ時には買収価格や表明保証の条項が問題となるケースが多い。基本合意書(MOU)による価格幅の決定や、表明保証保険の利用を検討しよう。
  • 専門家であっても、M&Aの実務経験が少ないという場合もある。実績を確認したうえで複数に依頼し、信頼できるアドバイザーを見つけよう。
  • M&A取引に関する情報漏洩は致命的なリスクとなり得る。関わる従業員と個別に機密情報保持契約を交わすことはもちろん、取引中は他部署との接触が少ないオフィスに配置転換を行うといった配慮が大切。
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おわりに

本記事で紹介したもの以外にも、M&Aの成功にまさまざまな障害があります。信頼できるアドバイザーと共に準備を整え、ひとつひとつ確実に手続きを進めましょう。

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M&Aアドバイザーのほか、M&A経験の経営者や士業(弁護士・税理士など)も在籍していますので、よろしければご検討ください。

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