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【使い方の解説つき】資本政策テンプレート
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Index
この記事でわかること
- 資本政策作成用テンプレートの使い方
- 資本政策に関わる各用語の詳細と留意点
- 資本政策を立案するときの3つのコツ
はじめに
資本政策作成に役立つテンプレートをご用意しましたので、この記事で使い方をご説明します。まずは、こちらからテンプレートをダウンロードしてください。
また本テンプレートのほか、KnowHowsでは株主構成比率の把握や、株式の移転にともなう議決権の変動などを無料でシミュレートできる「資本政策シミュレータ」もご用意しています。
必要事項を入力するだけで結果を見ることができますので、あわせてぜひお試しください。
【利用無料】KnowHowsの資本政策シミュレータを使ってみる!
1.資本政策作成用テンプレートの使い方
早速、資本政策作成用のテンプレートの利用方法と、各用語の詳しい解説をしていきます。
①利用方法
色付けされたセルに、必要な数字や内容を入力しましょう。あとは自動的に計算されます。
項目 | 利用方法 |
---|---|
日付 | 第三者割当増資やストック・オプションの付与などを実施した日を入力 |
方法 | 第三者割当増資やストック・オプションの付与などを実施したことを入力 |
株価 | 株価を入力 |
発行株式数 | 発行した普通株式や種類株式の数を入力 |
発行潜在株式数 | ストック・オプションなどを付与した数を入力 |
顕在株式数・潜在株式数の増減株式数 | 株式の増減を入力。上段の発行株式数や発行潜在株式数と数が合わない場合、合計のセルが赤になる |
②各用語の解説
次に各用語の解説です。それぞれをどのように設定したり、把握すればいいのかの指標としてください。
・日付
資本政策では、目標を設定した上で、どのタイミングで資金調達を行うのかを決めるのが一般的です。そのほかに、ベンチャーキャピタルが投資の目安としてよく用いる、投資ラウンドを参考に資金調達の時期を決定することもあります。
投資ラウンド | 資金調達を行うタイミングと資金調達のポイント |
---|---|
シード | 起業前の段階。具体的かつ魅力的な事業計画を立てるのが、資金調達に結びつけるポイント |
アーリー | 起業直後の段階。資金調達をするには、事業計画で立てたことが、いかに実現できる可能性が高いかを示す必要がある |
エクスパンション(シリーズA) | 市場を確保し、本格的に成長を始める段階。今後の展望や資金使途をより具体的に説明できれば、一気に軌道に乗れる可能性が高まる |
グロース(シリーズB) | 軌道に乗り始め、成長している段階。中長期的な視野でプランを立て、アピールをするのが資金調達成功の鍵 |
レイター(シリーズC) | 経営が安定し、事業が拡大しつつある段階。資金調達は、株式公開やM&A(買収)と、その先の展望も見据えつつ行うのが理想 |
・方法
資本政策で用いられる方法には、次のようなものがあります。
方法 | 特徴 |
---|---|
第三者割当増資 | 新規株主・既存株主問わず、第三者に新株を割り当てる方法。一定の限度数内で株式数を決めて発行できるため、持株比率に大きな影響をもたらす |
株主割当増資 | 既存株主に新株を割り当てる方法。持株比率を維持する数で発行するのが特徴 |
株式譲渡 | 株主が別の個人や法人に株式を譲渡する方法。発行済株式数を変えずに、持株比率の調整ができる |
株式分割 | 株式を細分化する方法。発行済株式数に反映されないため、持株比率が変動しない |
種類株式 | 普通株式と違い、配当金が優先的に受け取れるなどの権利が付いた株式 |
ストック・オプション | 将来のある一定期間のうちに、決められた価額で株式を購入できる権利。役員や従業員のインセンティブとして導入されることが多い |
・株価
未上場企業の株式は、株式市場のような客観的な指標がないため価額の計算が必要です。財務数値を元に、DCF法や株価倍率法、純資産法といった計算方法を使って行います。その後、算出した株価を元に、投資家やベンチャーキャピタルなどの出資者と交渉して決定することがしばしばあります
株価は下げすぎると発行株式数が増えて経営者の持株比率(詳しくは後述します)が下がり、逆に上げすぎると出資者が集まらなかったり、次回以降の資金調達が難しくなる面があるからです。
・持株比率
持株比率は、ひとりの株主が保有している株式が、発行済株式数のどのくらいの割合を占めているのか示した数字です。会社法では、この数字に応じて行使できる権利の種類が決められていて、大きくなるほどに会社経営に影響を及ぼします。
資本政策においては、特に以下の割合が重要です。
たとえば、経営者の持株比率が66.6%以下になったとしましょう。するとこれまでは、増資や自己株式の取得などをひとりで自由に決められていたのに、それができなくなる可能性が出てきます。これがもし50%以下となれば、経営権の取得ができないばかりか、経営職から降ろされる可能性も生まれてしまいます。
一方、第三者割当増資は行えば行うほど経営者の持株比率は下がる方法です。そのため、資本政策では、株式発行数と持株比率のバランスが最重要項目と言えます。
テンプレートでは、経営者の持株比率が50%以下になるとセルが赤くなるようにしました。必要に応じて数字を入れ替えることも可能なので、ご活用ください。
・顕在株式と潜在株式
顕在株式は、すでに発行された株式を言い、普通株式と同義です。他方、潜在株式はストック・オプションを含む新株予約権と、ほとんど同じ意味を持つ株式です。付与された人が権利を行使して株式を取得すれば、潜在株式は顕在株式となり、経営者の持株比率を下げることになります。
・時価総額(Pre)と時価総額(Post)
時価総額(Pre)はプレバリューのことで、資金調達前の時価総額です。資金調達前の発行済株式数に、資金調達時の株価を足して求めることができます。株価計算時に用いられる値は主にこちらです。
一方、時価総額(Post)はポストバリューのことで、資金調達後の時価総額を言います。プレバリューに資金調達額を足すと計算が可能です。投資家やベンチャーキャピタルによっては重視している金額なので、抑えておきましょう。
③KnowHowsの資本政策ツールを使ってみよう
今回ご用意したExcelのテンプレートは、あくまで基本的な部分を抑えたものです。もっと細かな条件指定をしたい場合は、専用のツールを使ってみましょう。KnowHowsでも、さまざまな機能を搭載した「資本政策シミュレータ」をご用意しているので、ご利用を検討してみてください。
>>【無料でお試し!】KnowHowsの資本政策シミュレータ
2.資本政策作成における3つのコツ
次に、資本政策作成するときの3つのコツをご紹介します。
①シミュレーションを繰り返す
経営者の持株比率を少なくとも51%以上に保てるように、資金調達額や発行株式数、手段などを変えてシミュレーションを繰り返すようにしましょう。資本政策は、基本的に最初からやり直すことができません。持株比率は目標達成まで下がり続ける一方なのです。
②資金調達額をチェックし、同時進行で別の手法を考えてみる
どうしても発行株式数が多くなる場合は、そもそも資金調達額が適切かどうか、次のチェックポイントなどを元に見直してみてください。
- 財務三表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)の予測版は作成したか
- 財務三表の予測版はKFS(事業成功要因)やKPI(業績評価指標)を用いているか
- 各数値の算定方法は間違っていないか
しかし予測財務三表はあくまで予測のため、厳密に算定することはできません。チェックと同時に、別の資金調達方法の検討を進めるのもいいでしょう。金融機関からの融資や社債の発行、国や地方公共団体から補助金などさまざまな方法があります。
③上場準備にかかるコストを盛り込む
株式上場を目指しているのであれば、上場前だけでなく、上場時にかかるコストを確認することも大切です。以下に、主なものをご紹介します。
- 株式上場の審査料
- 株式上場に必要な、経理や総務を担当する人にかかる人件費
- 財務諸表をチェックする監査法人にかかる監査報酬
- 申請まで受けるコンサルティング費用
- 株券の印刷代や有価証券届出書の作成費用
場合にもよりますが、ほとんどが非常に高額ですので見落とさないようにしてください。
まとめ
- 資本政策用のテンプレートは、色が付いた箇所を入力すれば、他の数値は自動で算出できる。
- ただしあくまで、基本的な部分を抑えたもの。より細かな条件で、かつ簡単に作成したい場合は専門のツールを利用してみよう。
- 資本政策作成では、シミュレーションを繰り返すこと、別の手法を視野に入れることがコツ。株式上場を目指しているなら、上場時にかかるコストのチェックも忘れずにする。
おわりに
資本政策は実行して目標を達成することが大切であり、表を作成することに多くの時間を割いている余裕はありません。
効率化してくれるツールは積極的に利用し、より本質的な作業に集中しましょう。KnowHowsの「資本政策シミュレータ」もぜひ、ご活用ください。
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