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この記事でわかること

  • 投資家がIPO株に投資するメリットやリスク、購入方法
  • 企業がIPOするときに得られるメリットや注意点、実現させる方法
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はじめに

IPOとは、Initial Public Offeringの略で、新規株式公開のことを言います。未上場企業が、株式市場において、自社の株式を自由に売買できるようにする行為です。

この記事では、投資家と企業、それぞれから見たIPOについて解説しています。異なる立場から確認することで、IPOの知識をより深められるでしょう。

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1.投資家にとってのIPOとは何か

投資家にとってIPOは、IPO株を売却することでキャピタルゲイン(購入時点の株価と売却時点の株価の差額によって生じる利益)を得られる重要な機会です。

ここではIPO株とは何か、投資するメリットやリスク、購入方法などについて解説します。

①IPO株とは

IPO株とは、IPOの際に未上場企業が一般投資家に向けて譲渡する株式のことです。

IPO前に企業が引き受けてくれる投資家の募集をかけるので、それに応募し、購入する形となります。

基本的にIPO株は、募集時の価格(公開価格)よりも、実際にIPOをした直後の時点(上場して株式市場から初めて値が付けられた時点)のほうが価格が高くなる傾向にあります。

これを利用し、手に入れたIPO株を即座に売却して利益(キャピタルゲイン)が得るのがIPO株投資です。

ipo とは

②IPO株に投資するメリット

IPO株に投資するメリットは、やはり手軽にキャピタルゲインを狙えることです。

利益が出る確率が比較的高く、場合によっては購入金額の数倍以上の利益が得られることもあります。

このようにローリスク・ハイリターンな投資のため購入の希望者が殺到しやすく、ほとんどの場合、抽選となります。

③IPO株に投資するリスク

少ない労力で大きな利益が期待できるIPO株ですが、株式投資ゆえに、リスクがないわけではありません。

たとえばIPO直前に何らかのトラブルがあれば、IPO直後の株価が公開価格よりも下回ることがあり、マイナスとなります。

このとき、値上がりまで待つ手もありますが、もともと保有する意思のない株式であれば即座に売却し、次のIPO株投資の資金に回すのもひとつとされています。

④IPO株の手に入れ方

IPO株を手に入れるためには、基本的な手順を把握することが重要となります。応募や購入の期限が決まっていて、1日でも遅れるとキャピタルゲインが得られないからです。

(1)証券会社に口座を作る

まずは、手に入れたいIPO株が配分される証券会社の口座を、開設しなければいけません。

各IPO株は、「この証券会社には300株」「あの証券会社には100株」と、証券会社ごとに配分が決まっています。

この株式が配分される会社を幹事証券会社と言い、最も配分が多い会社(下図の場合なら500株の会社)を主幹事証券会社と言います。

IPO株は、各幹事証券会社から申し込むことが可能です。従って、幹事証券会社の口座を多く開設したほうが、当選する確率が高くなります。

ipo とは

(2)IPO株の抽選に申し込む

当該のIPO株の仮条件が決定したら、抽選に申し込みます。

仮条件とは、企業が株式を引き受けてくれる投資家を募るために、暫定的に決めた条件のこと。「1株800円~1,000円」といったようにある程度の金額の幅が提示されるので、その範囲内で価格を決めます。

ただ公開価格より申し込んだ価格が下回っている場合、当選することはまずないため、応募時は上限価格にするのが一般的です。

(3)IPO株を購入する

IPO株に当選したら、必要資金(公開価格×購入する株式の数)を証券口座に入金して、購入手続きを行います。

各証券会社ともに購入期間が設けられていて、それを過ぎてしまうと別の方に購入する権利が回ってしまうので注意が必要です。

証券会社によっては当選の通知サービスを行っているので、積極的に利用してみましょう。

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2.企業にとってのIPOとは何か

IPOは、投資家にとって投資のチャンスである一方、企業にとってもさまざまなメリットがあります。

ここで具体的にどのようなものがあるのかを詳述するとともに、IPOをするときの注意点やその方法について解説しましょう。

①IPOをするメリット

企業がIPOをするメリットには、次のようなものがあるとされています。

ipo とは

・資金調達がしやすくなる

第一のメリットは、IPOをすることで資金調達がしやすくなることです。

IPOをすると企業の知名度が上がるだけでなく、IPOの審査をクリアしたという点で「信用できる」「財務状況が健全である」企業と見られるようになります。

それによって投資家からの投資はもちろん、金融機関からの融資してもらえる可能性が高まります。

・経営者にキャピタルゲインが発生する

第二のメリットは、経営者のキャピタルゲインの発生です。

IPOでは、既存株主が保有している株式を売却し、一般投資家に譲渡することがあります。その際の株式には、経営者が保有しているものも含まれます。

IPO時の株価は、IPO前(未上場時)と比較して上昇していることがほとんど。従って、経営者は、IPOで大きなキャピタルゲインを得ることが可能というわけです。

・従業員のモチベーションを上げられる

第三のメリットは、従業員のモチベーションを上げられることです。そのきっかけには、ストック・オプションによるキャピタルゲインがあります。

ストック・オプションとは、あらかじめ決めておいた価格(権利行使価格)で株価を購入できる権利です。権利行使時点で株価が権利行使価格を上回っていれば、その差額(キャピタルゲイン)が利益となります。

しかしストック・オプションで実際にキャピタルゲインを得るためには、権利行使をしたあと、株式を売却しなければいけません。

IPOをすれば、自由に株式を売買できるようになるため、従業員は比較的簡単に金銭を得ることができます。そのため、従業員のモチベーション向上が狙いやすくなると言えます。

・事業承継がスムーズになる

第四のメリットは、事業承継がスムーズになる点です。

事業承継において株式を引き継ぐ場合、相続税贈与税が発生します。株式の評価額が高いとこれらの負担が増え、別途資金を工面しなければならないときがしばしばあります。

ただIPO後であれば、株式を自由に売買できるため、継承した株式を売却して税金対策とすることも可能です。

また親族内に後継者が見つからない場合に、IPOによって知名度が上がっていれば外部の後継者が見つかりやすいメリットもあります。

②IPOをするときの注意点

IPOを行えば、未上場企業のときに抱えていたような、いくつかの課題をクリアすることができます。

一方で、以下ような注意点があるので、一緒におさえておきましょう。

ipo とは

・投資家に対して適切な情報開示を行わなければならない

IPOをした企業は、投資家に対して適切な情報開示(ディスクロージャー)を行わなければいけません。

有価証券報告書決算公告などはもちろんのこと、証券取引所の規定に沿った決算短信などの公表が求められます。

・社会的責任が増す

社会的責任が増し、コンプライアンス経営が求められるのもIPOをする注意点です。

社内に不正がないか、取引先は信用できるかなどのりクス管理を常に意識し、不祥事を未然に防ぐことが必須となります。

・買収対策をしておく必要がある

IPOをしたら、見ず知らずの投資家から買収をされないように対策を練る必要があります。

予防策としては、ライツプラン(既存株主に新株予約権を発行する)の実施黄金株の発行などがあげられます。

また、いざとなったらホワイトナイト(友好的な企業に買収してもらって防衛する)を実施できるように、他企業と親密な関係を築いておくのも手です。

③IPOをするための方法

企業がIPOをするためには、全体のスケジュールが不可欠です。大まかな流れに沿って、方法をご説明しましょう。

(1)監査法人による短期調査報告を受ける

IPOを目指す際は、まずIPOする時期の2期前(直前々期)までに、監査法人による短期調査報告を受けるところから始めます。

短期調査報告とは、監査法人が、当該企業の事業内容や財務状況、組織体制など各種方面からチェックし、現状をまとめた報告のことです。

これを受けて、上場するために「何が足りないのか」「何が必要なのか」を確かめ、最終的な上場意思決定を行います。

(2)プロジェクトチームを編成する

上場意思決定がなされたら、IPOに向けてのプロジェクトチームを編成します。

チームを作る方法はさまざまですが、最初にプロジェクトの中心人物となるリーダーを決めるとスムーズでしょう。

なお、状況によって監査法人や主幹事証券会社など外部組織の窓口を兼任することもあるため、経営者(社長)以外にするほうが無難です。

リーダーを選定したら、経理部門、営業部門、製造部門などから適した人物を抜擢し、チームに組み込むといいでしょう。

(3)社内体制を改善する

プロジェクトチームを編成したら、短期調査報告に基づき、社内体制を改善していきます。

ここでの注意点は、ただ改善策を打ち出すだけでなく、実際に改善された実績を作る必要があること。

「どう改善していくか」という方針は遅くともIPO時期の直前々期には提示し、直前期が始まる頃には運用できるようにしておかなければいけません。

(4)定款の変更・各種書類の準備

直前期の段階では、定款の変更各種書類の準備も行っておきましょう。

定款の変更では、株式譲渡制限の廃止や株主名簿管理人の設置などの旨を記載します。なお、変更するには株主総会の特別決議が必要です。

(5)主幹事証券会社の引受審査・証券取引所の上場審査を受ける

IPOをするには、2種類の審査を通らなければいけません。

ひとつは主幹事証券会社による引受審査です。ここでは、当該企業が提出した資料や証券会社が集めた資料を元に、有価証券の引受を行うかどうかが判断されます。

もうひとつが、証券取引所の上場審査です。上場企業に相応しい企業かどうか(上場適格性を満たしているかどうか)、上場審査基準と照らし合わせて確認が行われます。

(6)公募・売出しの実施

審査が無事に通り、上場の承認が得られたら、いよいよIPOです。

IPOは公募売出し、いずれかの方法で、当該企業が保有している株式が一般投資家に譲渡されます。

公募は新しく株式を発行して割り当てる方法、売出しは既存株主の株式を株式市場を通して売却する方法です。

ちなみに、このときの株価(公開価格)の決定には、ブックビルディング方式が採用されることがほとんどです。

当該企業の経営状況や類似業種の株価を元に仮条件を決定し、それに対する投資家の応募状況や需要の見通しなどを加味した上で設定されます。

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まとめ

  • IPO(Initial Public Offering)は新規株式公開のこと。未上場企業が、株式市場において、自社の株式を自由に売買できるようにする行為を言う。
  • 投資家にとって、IPOは重要な投資機会。手軽にキャピタルゲインを狙えるが、抽選になるのがほとんど。応募や購入の期限も決まっているので、利用するなら手順をしっかり把握することが大切。
  • 企業にとってのIPOは、成長・発展させるための手段となる。メリットは資金調達手段の幅が広がる、経営者や従業員にキャピタルゲインがもたらされるなど。一方、説明責任や社会的な責任が伴うため、健全な企業で在り続けることが求められる。
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おわりに

IPOは、投資家にとっても企業にとっても大きなメリットがあります。

ただしそれを得るためには、十分な理解と、正しい手順での手続きが必要です。

特に企業の場合は多数のステークホルダーを巻き込むため、専門家のアドバイスを仰ぐようにしてください。

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この記事を書いた人

KnowHows 編集部

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